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デジタルトランスフォーメーションの本質とは何か — Kaizen Platform須藤氏が語る

「これからのマーケティングには、デジタルトランスフォーメーションが不可欠だ」

この言葉は、マーケターであれば何度も耳にしたことのある言葉だと思います。ただ、デジタルトランスフォーメーションは、ただマーケティング施策をデジタル化すればいいという簡単なものではありません。では、デジタルトランスフォーメーションの本質とはいったい何なのでしょうか。様々な業界のデジタルトランスフォーメーションの戦略立案・実行を支援している株式会社 Kaizen Platform 代表取締役の須藤憲司氏が、「30分でわかるデジタルトランスフォーメーションの本質」と題したプレゼンテーションで解説しました。

インターネット体験の変遷に見る、デジタルトランスフォーメーションの本質

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「これからのマーケティングには、デジタルトランスフォーメーションが不可欠だ」

この言葉は、マーケターであれば何度も耳にしたことのある言葉だと思います。ただ、デジタルトランスフォーメーションは、ただマーケティング施策をデジタル化すればいいという簡単なものではありません。では、デジタルトランスフォーメーションの本質とはいったい何なのでしょうか。様々な業界のデジタルトランスフォーメーションの戦略立案・実行を支援している株式会社 Kaizen Platform 代表取締役の須藤憲司氏が、「30分でわかるデジタルトランスフォーメーションの本質」と題したプレゼンテーションで解説しました。

インターネット体験の変遷に見る、デジタルトランスフォーメーションの本質

デジタルトランスフォーメーションを語るにあたって、須藤氏はまずこれまでのインターネット体験の変遷を振り返った。インターネットの成長期、人々の情報収集の在り方を大きく変えたのが「検索」だ。ネット上にある様々な情報がインデックスされ、ユーザーはキーワードで簡単に情報を探すことが可能に。Yahoo!、Google、楽天市場など検索機能に強みを持つ企業が躍進することになった。

その後、インターネットの成長と共にそこに流通する情報も爆発的に増加すると、今度は探すという作業そのものが困難になった。そこで登場したのが「レコメンデーション」や「タイムライン」だ。ユーザーの行動履歴に基づいて関連する情報が提案されたり、タイムラインに表示される情報が最適化されることで、欲しい情報を探すことが楽になった。Amazon、Twitter、Facebookなどは、こうした特徴が支持されユーザー数を伸ばすことになる。

そして、須藤氏はインターネット体験の究極の形となるのが「受け身」なのだと説明する。つまり、探すことも、選ぶことも必要なくなり、ユーザーの趣味嗜好をAIが理解し、最適なモノ・コトを選んでくれるという世界だ。Spotify、Bytedance、Tinderといったサービスは、ユーザーが何もしなくてもコンテンツを最適化してくれるサービスなのだという。「例えば、Spotifyに自動生成されるプレイリストは私の音楽の嗜好性を完璧に理解している。インターネットの進化とともに、ユーザーは受動的になっている」(須藤氏)。

こうしたインターネット体験の変遷を踏まえた上で、デジタルトランスフォーメーションの本質について「コンテンツのリッチ化と体験のパーソナライズ化の掛け算だ」と説明する。

体験のリッチ化とは、デジタルとリアルの境界が曖昧になることだ。デジタルの行動がリアルに作用し、リアルの行動がデジタルに作用するというもの。そして体験のパーソナライズ化は、膨大な情報の中から最適なものが、最適なタイミングで近寄ってくるという受動的な世界の創出だ。

須藤氏は「不可逆的な利便性とエコシステムの変容であり、ユーザーが離れられないくらい便利になること。ユーザー体験が劇的に変わることで、既存の市場・業界の壁をも壊してしまう。考えなければならないのは、自分たちの業界でそんなことが起きるのかということ。これから必ずだれもが、このデジタルトランスフォーメーションの影響を受けるのではないか」と語り、デジタルトランスフォーメーションは同時に既存の産業に対するデジタルディスラプションを引き起こす力をも秘めていることを示唆した。

資料:デジタルトランスフォーメーション(DX化)の本質。顧客体験をよりリッチにするか?パーソナライズするか?

デジタルトランスフォーメーションを推進するために必要な3つの論点

では、デジタルトランスフォーメーションを推進するために、企業は何を考えなければならないのか。須藤氏は3つのキーワードを挙げて説明した。

まず挙げたのが「ID戦略」だ。例えば、中国アリババはあらゆるサービスのユーザーをひとつのIDで管理しているので、ユーザーを深く理解して施策を展開することが可能だ。しかし、デジタルトランスフォーメーションしていない企業では、サービスごと、チャネルごとに会員データベースが存在し、DMを送付する施策も各チャネルでバラバラに展開されるため、開封率も悪く悪循環に陥ることが多いという。ID戦略の目的は会員獲得と囲い込みというのが、これまでの考え方だ。

「これからは、顧客ひとりひとりを認識してその人に向けて適切なコミュニケーションをすることが重要になる。そのために、IDをどのように使うかを考えることが重要になる。釣った魚にエサを与えず、DMを送りまくるのが今までのID戦略。IDを軸に顧客を特定してエンゲージし続けなければ、アリババのようなビジネスにはならない」(須藤氏)。

次に挙げたのが、「動画の活用」だ。近年、モバイルデータ通信の高速大容量化や通信コストの低下などを背景に、ネットユーザーの動画視聴は増加しており、それに合わせて動画コンテンツに対する企業のニーズは急増しているという。

ここで注目したいのは、動画コンテンツの制作スキームの変革だ。これまでは、綿密に企画した動画コンテンツをこだわって制作し、配信を開始することで目標を達成するという流れが一般的だった。しかし、動画を配信するのはYouTubeやInstagramなどのプラットフォーマーであり、そこでは視聴完了率や離脱状況など様々な視聴データが取れる。それらのデータを活用し、配信開始後に再び編集してコンテンツを最適化し、再配信するのだ。

「これからは、クリエイティブをデータから作るという発想が増加していくのではないか。近年、タイムライン型の広告は常に新しいものをユーザーに提供しようとするアルゴリズムのため、同じクリエイティブでフリークエンシーを掛けるとCTR、CPCともに悪化してしまい、リーチを拡大できない。新しいクリエイティブをアルゴリズムが貪欲に求める時代になったことで、企業は動画コンテンツを作品として作りこむだけでなく、低コスト・短納期でできるカジュアルな動画の活用法も考えていかなければならない」(須藤氏)。

この「低コスト・短納期でできる動画」の例として、須藤氏は既存のCM作品を動画フォーマットに合わせて再編集したり、文字説明の必要なバナー広告のエッセンスを動画フォーマットに合わせてキャッチーに演出したり、ランディングページやチラシ、パンフレットの内容を動画フォーマット化したりといった事例を挙げ、「ありものの素材、コンテンツから動画を素早く、低コストで量産し、高速でPDCAで回すことが重要だ。デジタルトランスフォーメーションとは、新しいことを考えるのではなく、今ある資産の中からどのようにデジタルに対応していくか知恵を働かせることではないか」と提起した。

そして、3つ目に挙げたのが、「One to One(リアルタイム×パーソナライズ)」だ。
須藤氏は、リードタイムの違いによる成約率や解約率の違いをデータをもとに紹介した上で、「今の時代、リードタイムの短さがビジネスの成否を決める」と指摘。これまでのパーソナライズはユーザーのある瞬間を切り取った「ファネル」を分析してマス施策で改善するという平面的な効率化に着目していたが、これからのパーソナライズは時間に着目し、ユーザーを分析して同種のユーザーをグループ化し、小さいストーリーで改善していくことが重要だと提言した。

資料:これからのパーソナライズ戦略。時間に着目し、ユーザー毎にフィットしdた無数の小さなストーリーで改善

須藤氏によると、株式会社 Kaizen Platformではこれまでに400社2万件以上の改善事例、1万人以上の人材ネットワーク、50社以上のパートナー企業を基盤としたプラットフォームを形成し、動画コンテンツ制作の支援事業、UI・UXのパーソナライズ化事業を中心に展開しているという。「デジタルトランスフォーメーションの本質」を紹介した上で須藤氏は、KAIZEN Adによるコンテンツの動画化やKAIZEN Cloud Engineによる体験のパーソナライズ化を中軸に、デジタルトランスフォーメーションに必要な体制すべてを揃えて企業を支援していきたい」と語った。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。クラウド型データマネジメントソリューションを提供しています。日本では2013年から本格的に事業を展開し、デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメションの根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングに導入いただいています。
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