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日本テレビとテレビ東京のプラットフォームから紐解く、視聴率とは異なる動画データの活用法

CASE STUDY|
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ 
動画・データビジネス部長 兼 テレビ東京ホールディングス 堀 龍介氏
日本テレビ放送網株式会社 ICT戦略本部
データ戦略ディビジョン ディビジョンマネージャー 川越 五郎氏
ブライトコーブ株式会社 
VP, Business Development 北庄司 英雄氏

テレビ放映されたコンテンツをインターネットでも配信するサービスが広まる中、テレビ局ではデータを活用した収益化への取り組みを進めています。動画配信から得られるデータをどう分析し、どう活用していくのか。日本テレビ放送網株式会社(以下、日本テレビ)と株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(以下、TXCOM)を迎えたパネルディスカッションから紐解きます。

テレビ局で始まるデータ戦略の取り組み

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テレビ放映されたコンテンツをインターネットでも配信するサービスが広まる中、テレビ局ではデータを活用した収益化への取り組みを進めています。動画配信から得られるデータをどう分析し、どう活用していくのか。日本テレビ放送網株式会社(以下、日本テレビ)と株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(以下、TXCOM)を迎えたパネルディスカッションから紐解きます。

テレビ局で始まるデータ戦略の取り組み

テレビ局でのデータ活用が進んでいる。放映されたコンテンツをインターネットで配信する「TVer」など、見逃し配信サービスが普及し、そこで収集した視聴者データと従来の視聴率データと組み合わせることで、新たな知見につなげようとしている。

日本テレビ放送網とTXCOMは、共にカスタマーデータプラットフォームである「Arm Treasure Data CDP」と、ブライトコーブ株式会社(以下、ブライトコーブ)のオンライン動画プラットフォームを採用している。トレジャーデータ主催のイベント「PLAZMA 2019 KANDA」では、ブライトコーブでBusiness Development担当バイスプレジデント(当時)を務める北庄司英雄氏による司会のもと、日本テレビのICT戦略本部 データ戦略ディビジョン ディビジョンマネージャーの川越五郎氏と、テレビ東京の動画・データビジネス部長 兼 TXCOMの堀龍介氏が、両社のデータ戦略について語った。

日本テレビの川越氏は、2018年に自らデータ戦略ディビジョンを立ち上げた人物だ。データ戦略ディビジョンは、社内のさまざまな部門でデータを扱う担当者を1か所にまとめた部門だ。ここでは、データマネジメントプラットフォームのみならず、業務データの統合を含むデータウェアハウス分野も担当している。

TXCOMの堀氏は、広告付き動画配信とデータ管理プラットフォームの事業開発を担当している。同氏の所属する動画・データビジネス部は、番組本編のオペレーションスタッフと、エンジニア、マーケティング担当の3チームで構成され、合計約20人が所属、徐々に人員を強化しているという。

テレビ局のデータ活用プラットフォームとは

司会の北庄司氏が最初に聞いたのは、両社のプラットフォームについてだ。2社共に、トレジャーデータとブライトコーブを採用していることから、構成はほぼ似たものとなっている。

ブライトコーブ株式会社 VP, Business Development 北庄司 英雄氏

テレビ東京では、さまざまなデバイスから視聴者が利用する動画サービスのデータを取得する。動画サービスとは、自社サイト上で配信する番組はもちろんのこと、他社と共同で運営するTVerや、Gyao、ニコニコ動画といったサービスのデータも含まれる。デバイスは、PCに加え、スマートフォンやタブレット、そしてスマートTVにも対応している。

ここで取得したデータを、トレジャーデータおよびブライトコーブのプラットフォームへと集約させている。広告配信のためには、広告管理プラットフォームの「Google Ad Manager」を採用。コンテンツマネジメントシステムは自社独自のものを利用している。

集約したデータは、データ分析基盤の「Amazon Redshift」へとエクスポート。BIなどの集計分析ツールと連携している。これまでに集めたデータだけでは視聴者の属性が把握しきれないため、「リサーチ会社のモニターとIDを同期させたり、サードパーティのデータマネジメントプラットフォームと連携したりして、営業に使える材料のあぶり出しや、配信用ラインアップの検討を行っています」と堀氏。また、IDデータをそのまま活用し、あまり見てない人により見てもらえるような仕組みを自動化することや、広告のターゲティング配信も実施しているという。

一方、日本テレビでは、さまざまなインターネットサービスのデータを一通りデータソースとしてまとめて取り込んでいる。データとしては、「日テレ無料」「日テレNEWS24」などの日テレブランドで提供するコンテンツはもちろん、TVerやhuluで配信されるものも含む。「リアルタイムおよびデイリーで、ブライトコーブのAPIを使い、トレジャーデータにデータを取り込んでいます」と川越氏は説明。また、広告およびプロモーションとして、FacebookやTwitter、Instagramとも連携しているという。

トレジャーデータ、ブライトコーブ、そしてGoogle Ad Managerを採用している点は、両社ともに同じだ。

「動画データドリブンの時代、いよいよ動き出したテレビ局の新しいチャレンジ」登壇模様

この構成について、TXCOMの堀氏は、「テレビ東京のみではできなかったモデルです」と明かす。データ領域のパートナーやシステム開発など、複数社の支援を受け実現したとしている。

日本テレビの川越氏も、「トレジャーデータやブライトコーブなど、なるべく作り込まなくても利用できるサービスを選びました。やりたいことはたくさんあるため、何に集中すべきかを考え、お金で時間を買ったことになりますね」と話している。

単純な「視聴率」だけではわからない気づきも

次に北庄司氏は、テレビ局におけるデータ活用の目的や、データによる新たな気づきの有無を聞いた。これまでテレビ局といえば、視聴率という国内でも貴重とされるデータを取得しており、新たに収集するデータも魅力的であると北庄司氏は考えているためだ。

その北庄司氏の考えに対し日本テレビの川越氏は、テレビ局であることを気にしすぎていると指摘する。「どの企業でも自社商品の状況を知りたいと考えるものです。テレビ局にとって商品とはコンテンツ。そのコンテンツがいつ誰にどう見られているのか把握したいのです。そうなると自ずとデータに行き着きます」と川越氏。

TXCOMの堀氏は、視聴率はサンプルデータにはなるが、「ネットとテレビは違います」と主張する。特にテレビ東京では、ニッチでエッジの効いた番組を用意した場合、視聴率ではサンプル数が少なく属性が把握しきれないことがあるという。それが、「ネットでは視聴者全員のことが把握できる点がうれしいですね」と話している。

日本テレビでは、まだデータ収集を開始してからあまり時間が経っていないが、各プラットフォームにおける視聴者数や見られ方は日々確認しているという。一方、テレビ東京ではすでにトレジャーデータを約3年間利用しており、データによるさまざまな気づきもあったという。

例えば、「同じコンテンツを配信する場合でも、配信する場所によって視聴者の属性や見方が違っていました」と堀氏。つまり、配信先のプラットフォームを増やすことで、視聴者の幅も広がるということだ。コンテンツ企業にとってリーチを広げることは重要なため、「配信先を増やすことに大きな意味があると、データで把握できました」と堀氏は話す。

こうしたデータにより、ユーザーを増やして広告枠を拡大することや、広告の価値を証明すること、そして有料課金型サービス「テレビ東京ビジネスオンデマンド」の見込み客に対する適切なコミュニケーションにつなげたいと堀氏は述べている。

テレビ局内に2人の味方はいるのか

もう1点、北庄司氏が質問したのは、社内に味方がいるのかということだ。同氏自身、テレビ局の見逃し配信サービスに携わり、ネットへの動画配信に抵抗感を示すテレビ局関係者が数多いことに気がついた。そのため、川越氏や堀氏のテレビ局内での立場が気になっているという。

社内に敵が多いのではないかと想定した質問ではあったが、意外にも川越氏・堀氏共に「味方は多い」と回答した。

見逃し配信サービスによって、視聴率が下がるのではないかと危惧されたこともあるが、「そのような意見に対しても、そうでないことを示すにはデータで証明するしかありません。そのために必要なデータを日々検討しています」と堀氏は語る。

川越氏も、同氏がデータ戦略ディビジョンを立ち上げた後、編成局内にデータマネジメント部が設立されたり、宣伝部にデータ戦略班といったデータ担当者の集合体ができたりと、さまざまな動きがあったといい、「週に一度は各部門のデータ担当者や興味のある人が集まって、各自の取り組みを共有しています」と、数多くの味方がいることを明かした。

今後テレビ局にてデータ活用が進む中、適切な人材の確保も課題となってくる。堀氏は、以前トレジャーデータの担当者にデータ活用できる人材の採用について相談したことがあるというが、「その際、人材採用以前にテレビ局が何をしているのか、何をしたいのかがよくわからないと言われました。そこで、今の取り組みを世の中に発信することから始めました」(堀氏)という。

川越氏もこの課題については検討が必要だとしているが、「ありがたいことに日本テレビでは、中期経営計画でデータ活用の重要性を説いています。このように環境が整ってくると、データ戦略ディビジョンに移籍したいと社員から直接の相談を受けることも多くなりました。そのため、外部採用と社内での育成の両面で人材を確保していく予定です」と述べている。

日本テレビ放送網株式会社 ICT戦略本部 データ戦略ディビジョン ディビジョンマネージャー 川越 五郎氏

動画は、単に広告をつけて配信する時代から、進化のフェーズに入っており、北庄司氏は2019年を「動画データ元年」と位置づけている。テレビ局の動画データ活用による今後の新たな挑戦にも期待できそうだ。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。クラウド型データマネジメントソリューションを提供しています。日本では2013年から本格的に事業を展開し、デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメションの根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングに導入いただいています。
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