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「この記事、あなたに刺さってますか?」を把握しメディアの価値を向上させる|グロッサム株式会社

Case Study|
グロッサム株式会社 デジタルマーケティング本部 / 執行役員 吉本 圭氏
グロッサム株式会社 事業開発本部 / 本部長 山﨑 陽平氏

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Web上の記事がどのくらいの人にクリックされ、画面に表示されたのか、どこまで読まれたのかを知ることは難しくありません。しかし、「最後まで共感を持って読んでもらえたのか」までを分析するのは難しい課題です。その難問に取り組んでいるのが、グリーグループの一員として、メディアを訪れた読者の行動や属性情報を分析し、コンテンツや広告の最適化に取り組んでいるGlossom株式会社(以下、グロッサム)の「QUANT DMP」です。このツールを活用することでどのような情報が見えてくるのか。PLAZMA 一橋に登壇した同社の講演から探っていきます。

4000万以上のコンテンツを分析し、記事のマーケティング価値を検証

インターネット上にはさまざまなコンテンツがあふれている。それらの記事がどのくらい読まれているかはページビューによってある程度把握できるが、読者に本当に「刺さっているか」を把握することは難しい。この課題を解決しようとしているのがグロッサムのQUANT DMPだ。

QUANT DMPを開発・提供してきたクオントの事業は2018年3月にグリーに譲渡された。2019年1月からはグロッサムに吸収合併され、グリーグループの一員としてサービスを提供している。

グロッサムのデジタルマーケティング本部/執行役員、吉本圭氏は「『コンテンツの価値を可視化する』DMPを活用したタイアップ記事広告の検証」とテーマのもと、「記事・コンテンツとユーザー、ユーザーとメディアのエンゲージメントの測定に注力してサービスを提供してきました」と述べ、QUANT DMPの特徴を説明した。

Data Management PlatformであるQUANT DMPはもともと、記事制作のクラウドソーシングサービスから始まった。執筆された記事がどのくらい読まれたか、どのくらい読者とのエンゲージメントを強め、マーケティング効果が生まれたかを可視化するために作ったのがQUANT DMPで、「コンテンツの正しい価値を測定し、可視化し、その結果をクリエイターのパフォーマンスと紐付けして価値に反映させるもの」(吉本氏)だという。

具体的には、いくつかの特許技術を活用して、各記事がどのくらい読み進められたか、またその記事によって掲載されたメディアにどのくらいユーザーが来訪したかといったロイヤリティを「可視化」し、ユーザーの属性と組み合わせて分析できるようにしている。

同社はこうした技術を活用し、小学館や光文社といった大手出版社をはじめ、500以上の企業が提供する約4000万コンテンツに対して分析を行ってきた。その結果、記事がきちんと読まれているか、そうでないかによってシェア数やメディアへの来訪率に5倍の開きがあるほか、コンバージョンの有無によっても閲覧時間や読了率に4~7倍と大きな差が生じることがわかってきたという。

吉本氏は「媒体社から『データは貯めているものの、活用方法がよくわからないし、どのようにマネタイズに結びつけていったらいいかわからない』といった悩みをよく聞きます」と話す。メディアを広告商品として活用しようにも、どうすれば来訪ユーザーを可視化し、付加価値が高く、他のメディアと差別化できる商品設計につなげられるかがわからない、というわけだ。

これに対し「われわれはQUANT DMPを通して、データの蓄積だけでなくその分析や商品設計、広告配信をワンストップで支援し、そのためにTreasure Data CDPの上でタイアップ広告のレポートやユーザーアトラクションを実現しています」と吉本氏は述べた。

訴求対象にコンテンツが刺さったのかを可視化する

一般に、何らかのタイアップ記事を作成、掲載した後には、果たしてその記事が訴求対象のユーザーに刺さったのかどうかを可視化し、広告主にレポートする必要がある。QUANT DMPではそうしたタイアップ広告レポートをバックエンドで作成して提供しているが、ただ単に「どのようなユーザーに読まれたのか、想定したユーザーに刺さったのか」だけでなく、「読まれ方」まで分析していることが特徴だ。

「例えば、コンテンツをキャプチャした画面に滞在ユーザーの情報を組み合わせ、冒頭の部分だけで離脱したのか、それとも読了までいったのかを、読者セグメントと組み合わせながら可視化するレポートを提供しています」(吉本氏)

この結果、どんな世代の読者がタイアップ記事をよく読んだのか、訴求対象にコンテンツが刺さったのかどうかが可視化でき、次の施策につなげることが可能となる。「ページビューやユニークユーザーといった単純な数値ではなく、認知効果としてどのような態度変容を与えられたかの分析に基づいて、次の案件でどのような施策を打つべきか、どのような企画案を出せばいいかというPDCAを回すことができます」と吉本氏は説明した。

さらに、記事単位ではなくIDベース、つまり読者単位の分析も可能だ。「実際にリーチしたユーザー、コンテンツ自体に接触したユーザー、コンテンツにより強くエンゲージメントしたユーザー、その先に遷移したユーザーといった具合に、認知、興味、行為、利用意向といった態度変容の軸を定義し、セグメントに分けて分析することによって、『そもそも提供したいユーザーに正しくリーチできたかどうか』を表すためのレポートも提供しています」(吉本氏)

読者の性質に応じた独自セグメントを作成し、広告配信に活用

グロッサムはこうしたさまざまなレポートを通して、単純なアドネットワークを介した出稿だけでなく、読者の性質に応じた付加価値の高いマネタイズを支援しているという。

また、約4000万のコンテンツを扱う中で、さまざまな興味・関心を可視化するために19種類のセグメントを設定し、コンテンツを分類する「独自セグメント」も提供している。一例として「化粧品」という大分類だけでなく、さらに「プチプラ」「韓流」「オーガニック」といった具合にきめ細かく分類することで、従来よりも細かなユーザー分析と可視化を行うことが目的だ。

「独自セグメントを用いれば、広告主に刺さりやすい独自カテゴリに基づいてユーザーを可視化できるようになります。そのデータを広告配信に活用し、メディア独自の価値を訴求することで、メディアを差別化できます」(吉本氏)

吉本氏は、これらタイアップレポートや独自セグメントに関するデータをTreasure Data CDPの基盤上で動かしていることを説明し、「媒体者側もTreasure Data CDPを採用している場合は、要望に応じてアカウントを共有することで、データを連携させたり戻すことも可能になっています」と付け加えた。

QuantDMPによる分析とグリー独自のメディアを組み合わせた新たな送客支援も

続けてグロッサム 事業開発本部/本部長の山﨑陽平氏が登場し、QUANT DMPと、グリーグループがこの数年用意してきたメディアを掛け合わせて実現しようとしているユーザーアトラクションサポート、すなわち新しい「集客事業」について説明した。

ゲーム事業のイメージが強いグリーだが、この数年、ライフスタイルメディアの「LIMIA」や旅行メディアの「aumo」をはじめ、いくつかのバーティカルなジャンルに特化した複数のメディアを成長させてきた。aumoが「Google Play ベスト オブ 2018」の生活お役立ち部門で優秀賞を受賞するなど評価され、読者数も増えているが、「今後はグリーグループとして、これらのメディアとQUANT DMPを活用したブーストプランを提案したいと考えています」と山﨑氏は述べた。

具体的には、まず顧客が運営しているメディアでQUANT DMPを活用し、メディア自体にどのような特徴があり、どのような読者が多いかを分析する。その分析結果に基づいて、グリーグループが運用・連携しているメディアの中から顧客の媒体と親和性の高いメディアを選定し、対象メディアに送客を行う。かつその送客の最中にもユーザーの親和性を分析し、より効果の高い読者・ユーザーを高い精度で送り込むという仕掛けだ。

正式なサービス名はまだこれからという新しいサービスだが、QUANT DMPと組み合わせ、集客からユーザーデータの活用までをグループ全体として支援し、メディアおよび広告事業を強化していくという。

トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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