HOW TO TD(User Engagement)Treasure Data User Engagement

先進事例から学ぶデータ活用施策(Coke ONアプリ)

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カスタマーコンサルティングチームの由川 優です。

これまで複数回にわたり先進的なDX推進事例から中長期の戦略立案におけるポイントを紹介してきましたが、今回からはデータ活用の具体施策において参考とすべきポイントが多い事例を紹介いたします。

今回ご紹介するのは日本コカ・コーラが展開するCoke ONアプリです。

ダウンロード数は3,000万超。自動販売機の金額シェアは30ヵ月連続で成長

Coke ONアプリのダウンロード数が3000万(2021年11月12日公開決算説明資料より)を突破したことを公表しており、日本国民の四人に一人はダウンロードしたことがある計算となります。これはお天気アプリで最もダウンロードが多いとされる「ウェザーニュース」と同程度となり、Instagramの国内アクティブユーザー数とも同程度となります。(Instagramはアクティブユーザー数でありダウンロード数ではありません)

また自動販売機の金額シェアが30ヵ月連続で成長しており、Coke ONを通じたプロモーションが消費者に好評であり、月次で利用購入者数が増加していることを公表しています。

「理解・定着」、「楽しさ・満足感」、「利用継続・『不』の改善」の3つのステップでキャンペーンを展開

Coke ONアプリの目指す消費者サービスは「お客様毎の状況に合わせたおもてなしを提供して長期的な関係を築くこと」、「そのためにサービス成長の持続的な仕組みを作ること」を掲げており、具体的には3つのテーマを設定して具体的なキャンペーンを展開しています。(以降に3つのテーマとキャンペーン事例を記載)

  1. 理解・定着をサポート: 使う理由、きっかけの創出
    • Coke ONで1本買うと、もう1本もらえる!
    • コンビニでもスーパーでもスタンプがたまる!
    • メルペイ払いで100円以上のコカ・コーラ社製品を買うと100円(相当)もどってくる!
  2. 楽しさ・満足感の強化: 「ちょうど良い」オファー
    • 35度を超えたエリア限定で「アクエリアス」を無料で受け取れるドリンクチケットを発行
    • 歩くだけで、ドリンクゲット!歩けば歩くほど、スタンプがたまる
    • 誕生日から1週間毎日スタンプ2倍!
  3. 利用継続・「不」の改善: ユーザー離脱の兆しを把握し、改善と利用再開を働きかけ
    • 購買データを活用し、製品のターゲット層でありながら未体験の消費者をターゲティング
    • 首都圏駅構内の自動販売機で通勤・帰宅時間帯(朝5-8時 / 夕17-20時)はスタンプ2倍!
    • 毎日1本、定額で飲める自販機サブスク(好きな製品が選べ都度の支払いは不要)

顧客の利用状況を3つに分けてテーマ設定することでキャンペーンを導出している点は、具体施策を検討する際の参考になると考えられます。

Coke ONアプリ経由で自動販売機を一時的にインターネット接続できる仕組みを作り、自動販売機の改修コストを極小化

Coke ONアプリのサービス提供のためには、スタンプの付与処理のために自動販売機をインターネットへ接続する必要があるそうです。

Suicaなどの電子マネーに対応した自動販売機は、決済のための通信モデムを搭載していますが、電子マネー非対応の自動販売機でもCoke ONアプリへ対応するため、スマホと自動販売機の接続をBluetoothで行い、接続時に自動販売機は顧客のスマホを経由してインターネット通信する仕組みを作ったことを公表しています。

この仕組みにより自動販売機そのものに通信モジュールなどを搭載する必要をなくし、初期費用だけでなくランニング費用の極小化を実現しています。

自動販売機の販売データを活用して最適な品揃え・設置場所を実現するとともに、販売予測により訪問ルート数を20%以上削減

顧客へのサービス提供だけでなく、業務の質の向上・効率化についてもデータを活用しています。例えば、スポーツ施設に設置している自動販売機はスポーツ系飲料が売れると思いがちですが、実際はホットのミルクティーなどの方が売れているそうです。データ分析結果から保護者が待ち時間に雑談をしながら楽しみたいというニーズを把握し、最適な品揃えを実施しています。

またAIによる販売予測により、2020年には訪問ルート数を20%削減、2021年にはさらに7%削減(ともに対前年比)することを公表しています。

1つ1つの取り組み目的を明確することに加え、先入観ではなくデータを活用して取り組みを推進することが望ましい

Coke ONアプリの創出効果とキャンペーン内容から参考とすべきポイントを紹介しましたが、アプリの利用促進に向けて顧客の利用状況に応じて3つのテーマを設定していること、また先入観ではなくデータに基づき最適な品揃え・訪問ルートを見極めていることは、他の取り組みでも参考とすべきポイントだと考えます。

データを活用した具体施策を検討する際には、取り組み目的を明確にすること、データに基づき判断しながら取り組みを推進することが成果に繋がると考えられます。みなさまの取り組みにおいて参考になれば幸いです。

出典
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社 決算説明会資料(2021年第2四半期)/(2021年第3四半期)
https://www.ccbj-holdings.com/pdf/irinfo/139_1.pdf
https://www.ccbj-holdings.com/pdf/irinfo/145_1.pdf

ケータイ Watch:コカ・コーラ自販機×スマホで大幅進化、1500万DLで新たなステージを目指す「Coke ON」アプリの秘密を聞く
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/interview/1201160.html

ITmedia NEWS:知ってた? 自販機70万台からデータ収集、“選んでいる時間”も計測 コカ・コーラ ボトラーズジャパンがもはや“テック企業”だった
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2111/16/news047.html

由川 優

Customer Consultingチーム

2007年にアクセンチュアへ入社し、銀行、証券、オートリースへのコンサルティングを経験。大規模システム開発のプロジェクトマネジメントを得意とし、PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルとしての国際資格)を有する。その後ガートナーへ転職し、ITテクノロジーのトレンドやグローバル先進企業の事業戦略について知見を深め、デロイトへ移籍。新たな保険会社の設立や、データ活用に特化した金融グループ子会社の設立を支援する中で、デジタル戦略の立案、計画策定、施策実行を経験。データ活用による既存業務効率化や、新サービス創出の知見を有する。金融業界を中心に先進技術の導入事例を調査・研究する職務にも従事。2020年にトレジャーデータへ参画。データ活用の施策立案やデータ価値を最大化するためのシステム全体像策定などを担う。

得意領域 : デジタル戦略立案、先進事例の調査・探索、プロジェクトマネジメント、コンサルティング

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