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分析の視点 – 大きさを捉える・比べる・時系列の傾向を見る –

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アナリティクスチームの櫻井 将允です。

これまで施策に向けたプランニング(セグメンテーションやターゲティング、ペルソナ作成、カスタマージャーニー理解)、施策実施後の効果検証に関する内容をご紹介しました。

今回からは分析する際の視点についてご紹介しようと思います。(日頃から分析業務にたずさわっている方にとっては既知のことかもしれません。)
以前少し触れましたが、私は以下の9つの視点を必要に応じて選んで使っています。
今回はこの中から3つ。

  • 大きさを捉える
  • 比べる
  • 時系列の傾向を見る

についてご紹介します。

大きさを捉える

以前、分析について、ビジネス課題設定〜解決といったプロセスと並走することが多く、アクションを前に進めるためのものであることが重要であるとご紹介しました。


ビジネス課題を解決へ、解決したらより良い状態へ進化…といったように並走する分析は次のアクションへ繋げる役割を果たす必要があります。当然ですが業務の上での分析は、ビジネスへの貢献が前提になければ有意義ではありません。どの課題に取り組むか、どの解決策を選ぶのかを判断する際の判断基準の1つとして、「ビジネスインパクト」があります。

例を挙げながら「大きさを捉える」ということの重要性を確認したいと思います。

市場規模

新規の事業や商品投入を考えている際、
市場A:潜在規模1000億円
市場B:潜在規模10億円
であれば基本的には前者を選ぶと思います。「大きさ」は判断の重要な要素です。
(参入競合の状況など考慮せず、市場規模だけで判断)

成長率

市場A:110%成長
市場B:200%成長
一見すると後者の市場の方がうまみがありそうです。
しかし、「大きさ」の概念を入れたら見え方が変わることがあります。
市場A:1000億円から110%成長
→1100億円 100億円成長
市場B:10億円から200%成長→20億円 10億円成長

と前者の市場の方がうまみがあることになります。

KPIなど経営目標や分析に使う指標について、%・割合を使うことが多いです。しかし、その%・割合だけに注目しすぎると「ビジネスインパクト」の観点で誤った判断をしかねないです。
取り組む分析テーマの選定や具体的に解くべき問を定める際にはまず最初に「大きさを捉える」ことをしています。

  • 既存顧客/新規顧客/休眠・解約・退会顧客の規模
  • 既存顧客/新規顧客/休眠・解約・退会顧客の売上額
  • 具体的なサービス/機能のユーザーボリューム
  • サイト来訪者数/CV者数

など取り組むプロジェクトや使えるデータ次第なところはありますが、全体像を把握し、どのテーマに取り組むか規模感とともにプロジェクトに関わる方々と検討します。分析という観点だけでなく、プロジェクト全体としての目標(どのKPIをどうしたいのか)と目標達成のために何を優先するか議論するのにこのプロセスは有効です。

比べる

次にご紹介するのは「比べる」です。分析の本質は「比較・比べる」ことと言われるくらい重要な視点です。

数字がただ並んだ表で「売上はXXで、顧客数はYYです。」とだけ言われても「で、それはどういう状態なの?どうしたいの?」となります。数字に対するアナリストの意志も目指す方向性も具体的アクションも何もないただの数字の羅列と読み上げです。アナリストに限らず見かけることが多い印象です。

何らかの基準となるものと比較し、意味を見出すことが重要です。そして見出された意味=解釈がビジネス貢献できていることが有意義な分析と言えます。

比較軸として主なものを以下に挙げます。

  • 期間比較:昨年対比、前月比、前週比、キャンペーン実施前後などの比較
  • 計画比較:予算や目標来店者数など様々なKPIの目標値などとの比較
  • 競合比較:市場全体や特定競合ブランドなどとの比較
  • 基本属性比較:性別や年代別、エリア別などでの比較
  • セグメント比較:ロイヤリティのレベル別、ユーザークラスターなどでの比較
  • その他:過去の類似施策などとの比較

これらの比較軸を用い、以下の視点で比べます。

「量」の比較

例えば
今年の売上:100億円

この事実に対し、昨年との期間比較の視点を加えます。
昨年の売上:110億円

昨年対比で売上が10億円減少している。

  • 売上が落ちているという事実
  • 何か手を打たないといけないのでは?という反応

が生まれます。さらに分析した結果、要因と解決策があればアクションにうつせますね。
また、売上減少の要因が複数あって、どれから解決するか?を決めるにあたっても各要因での売上へのインパクトを算出すれば(要因ごとの比較)優先度を決めやすくなります。

「質」の比較

自社ブランドのリブランディング、自社製品の改善を検討する場合、競合との比較やユーザーのニーズとの比較をすることで方向性を定めます。

例えば音楽アプリ(SpotifyやYouTube Music、Apple Musicなど)で

  • 扱っているジャンルやアーティスト・曲数、プレイリストの作りやすさ
  • →自社含めどのアプリも高評価

  • レコメンドされるアーティストや曲
  • →自社アプリの評価が他より低い

  • アプリから提供されているプレイリストの選曲
  • →自社アプリの評価が他より高い

という結果があったとします。レコメンド機能について、競合より評価が低いだけでなく、仮にユーザーからも求められているのであれば改善の優先度は高まります。アプリから提供されているプレイリストの選曲については自社アプリの評価が高く、市場としてユーザーから求められているものであれば差別化要素になります。

優劣による「違い」について着目しましたが、扱っている曲数やプレイリストの作りやすさといったどのアプリでも共通の満足指標は、音楽アプリとして必要不可欠な価値(満たされて当然=使う理由)である可能性が高いです。このように質の比較をすることで「差異」と「類似」を見極めることができます。

時系列の傾向を見る

この記事で最後にご紹介するのは「時系列の傾向を見る」です。分析テーマとして何から取り組むか考える際に、ビジネスインパクトは1つの判断材料になるとお伝えしました。

何かしらのKPIを改善するための分析をするという流れになることが多いと思います。その際、直近の状況確認から始まると思いますが、その直近の状況は突然そうなったことではなく、基本的には「過去からの繋がりを持って至った結果」であると思います。つまり、「過去」から「現在」に至るまでの傾向を確認することで物事をより適切に解釈・判断することができるようになります。

時系列の変動要素としては主に4つあると言われています。

傾向変動

長期間にわたる基本的な変動傾向。
少子高齢化や気候変動など長期に渡って変化していく傾向やトレンド。

循環変動

周期は一定でないが、周期的に繰り返される上下変動。
景気循環や在庫循環による価格変動など。

季節変動

通常一年を周期とする規則的な変動。
半年・四半期・月別・週別を周期とする繰り返し変動も季節変動。
年度末、決算前の調整も含まれる。

不規則変動

以上3つの変動以外の変動として残された変動。
突然のブームや社会現象、事故などイレギュラーな変動。

直近の状況というのは上記観点でどのような変動によるものなのかを理解する必要があります。
また、時系列で傾向を見ることで大きな変化を見出すことができるかもしれません。
それまでの傾向から大きく異なる動きをしたターニングポイントの発見です。

  • なぜ起きたのか?
  • どのような変化に至ったのか?
  • 今後どうなるのか?

といった視点で構造を理解し、予測し、検証することが重要です。

まとめ

今回は分析する際の9つの視点のうちの3つ。

  • 大きさを捉える
  • 比べる
  • 時系列の傾向を見る

についてご紹介しました。

日頃から分析業務にたずさわっている方にとっては既知のことかもしれませんが、分析業務にたずさわり始めた方、これから取り組む方、分析業務はしていないけれどデータの見方の引き出しを増やしたい方などのお役に立てると幸いです。残り6つについては次回以降でご紹介できればと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

櫻井 将允

Customer Consultingチーム

2006年に代理店系マーケティングリサーチ会社に入社以降、マクロミルやグリー、ヴァリューズなどマーケティングリサーチ会社、コンサルティング会社、事業会社にて様々な課題に対する調査分析を担当。リサーチプランナー、リサーチャーとして14年以上、1500件以上のプロジェクトを主導。通信、自動車、有料放送、ゲーム・音楽アプリ、化粧品、食品・飲料、不動産、保険など様々な業界のリサーチを経験。前職、電通マクロミルインサイトではマーケティングリサーチ業務に加えて、電通DMP(People Driven DMP)の開発・活用支援にも従事。意識データ×行動データの統合分析を推進。 2019年にトレジャーデータに参画。顧客データ、Webログデータ、購買データ、接客データ、位置データ等のデータを統合し、顧客理解、有望顧客特定、施策効果検証など多様なテーマの分析に従事。また、Tableauを用いたダッシュボード構築も担当。

得意領域 : データ分析(アンケート、Web・Appログ、POS、TV視聴等)、ダッシュボード構築

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