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”マーケッター以外の皆様に贈る”顧客体験開発” – 分析篇 –

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カスタマーコンサルティングチームの吉川 直宏です。

マーケティング領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)目的は“顧客とのエンゲージメントの強化”、具体的には“顧客体験の最適化”です。
一方でDXが浸透するにつれ、企業内のデータ活用はマーケティングやアナリティクスセクションから、実際に顧客対応を行っているセクションなどに拡大していきます。

マーケティング以外の方にとって顧客体験を設計し、運用し、最適化させることは一見難しいことのように捉えられるかもしれません。
しかし基本的なプロセスを押さえれば誰でも顧客体験が設計できるようになります。
それ以上に、日々顧客対応を行っている方ならデータから顧客インサイトを導き出すことに関してはマーケッターの方より正確な場合もあると思います。
今回の第二回では顧客体験開発プロセス4つ(分析⇒設計⇒実施⇒検証(図1))のうちの1つ目「分析」についてお話していきます。

第一回はこちら:”マーケッター以外の皆様に贈る”顧客体験開発” – 概要篇 –

こんな方に向けたブログです

  • 直接顧客と対話し顧客体験の提供を担っている営業/店舗/コンタクトセンターの方
  • DX推進を担い社内浸透、成果創出を期待されているIT/システムセクションの方
  • 顧客体験開発を初めて行うマーケティング/アナリティクスセクションの方

顧客体験最適化とは

この連載では“顧客体験の最適化”を「コミュニケーションの構築/高度化」で実現していくことをテーマとしています。

はじめに基本的な“顧客体験の最適化”の考え方をご説明したいと思います。
皆様の事業活動は、新規購買やリピート購買、購買単価の向上、もしくは購買そのものではなくブランド・ロイヤルティの向上など、企業が理想としている行動(や態度変容)を顧客に取っていただきたいと考えています。
しかし、実際にはすべての顧客が理想的な行動を取ってくれるわけではありません。その行動の差を生んでいる要素が“顧客体験”であると定義しています。

仮の事例でイメージを深めていただきたいと思います。
ここにアクティブシニアと呼ばれる60代の健康でランニング好きで活発的な二人の男性がいます。二人の男性。AさんとBさんに同じサプリメントを新規購買いただきました。
その後Aさんはリピート購買を続けてくれています。しかしBさんはリピート購買してくれていません。では二人はどんな“顧客体験”をしたのでしょうか?

Aさんはサプリメントを飲むようになってから“定期的に出場している大会で新記録が出た”というサプリメント飲用に起因している(と本人が信じる)価値を実感する機会がありました。
対して、Bさんはランニングは好きですが大会に出場していないため、サプリメント飲用の価値を実感する機会はありませんでした。
つまり“顧客体験”とはその商品やサービスの購買や利用から得られる、または購買や利用で見込まれる価値実感(の有無)なのです。(このあともこちらの事例でイメージを深めていただきます)

では続いて“顧客体験を最適化”の“最適化”が意味するところを説明します。ここで言う最適化とは、すべての顧客に“顧客体験”をコミュニケーションを通じて提供・提案することです。
先程の例で言うなら、Aさんの“顧客体験”=“記録を更新した”という“顧客体験”をBさんに提供していくのです。
Bさんも“改善や向上”を実感し、それがサプリメント起因の体験と認識できればリピート購買の確率が高まるという考え方です。

一方で、すべての顧客が価値を実感できる“顧客体験”は“マラソンで新記録が出た”ことでしょうか。もちろんそうではありません。
若々しくありたいと思う50代には“人から50代には見えないと言われることが”が“顧客体験”かもしれません、また孫と遊ぶのが楽しみな70代には“孫に負けないぐらいに遊べるようになった”が顧客体験かもしれませ。
重要なことは、顧客それぞれで異なる“顧客体験”を価値実感につながる顧客に提供・提案する、これを最適化と言っています。

まとめると、“顧客体験最適化”とは商品やサービスを使用した(する)ことが価値あった(ある)と実感するパーソナライズした体験を、パーソナライズしたコミュニケーションを通じて提供・提案することになります。

「分析」であきらかにすること

さて、「分析」の目的はコミュニケーションを「設計」への示唆を得ることにあります。
ここでコミュニケーションの構成要素について簡単に説明しておきます。

    コミュニケ−ションは

  1. 誰に(ターゲットセグメント)
  2. 何を(メッセージ)
  3. どのように(クリエイティブ)
  4. いつ(タイミング)
  5. どこで(メッセージチャネル)提供するのか
  6. の5つの要素で構成されています。

つまりコミュニケーション「設計」は、これら5つの要素を決定していくことを表します。(図2)

では、「分析」で明らかにすることは何でしょうか。
“顧客体験最適化”で重要な要素は「似ている顧客=1.誰に(ターゲットセグメント)」×「顧客体験=2.何を(メッセージ)」です。
したがって、「分析」はこの2つの要素をデータから導き出すこととなります。

理解を進めるために他の3つの要素について触れておきたいと思います。
3.どのように(クリエイティブ)はターゲットセグメントやチャネルによって一定の方向性はあるものの、コピーライティングやデザインなど、バリエーションは無限に広がります。
またCDPのデータから正確な示唆を導き出すことは困難なためクリエーターの領域とし、実施時にABテストでPDCAを回し最適化することとします。

4.いつ(タイミング)についてはCDPのデータから示唆が得られる項目ですが、1.誰に(ターゲットセグメント)、2.何を(メッセージ)の2つの要素で“いつ”は必然的に決定することになります。
したがって、意識して「分析」目的にする必要はありません。

5.チャネル(どこで)についても「分析」から明確な示唆は得られません。
詳しくは「設計」でご説明しますが、チャネルの活用には、顧客に対して提供/提案を実現するという効果の側面を見ることはもちろん、一方でチャネル利用については無料のものから有料のもの、有料の中にも低額のものから高額なものまであるため、反応(期待)率から費用対効果を考慮して選定することが必要となります。

では次からは「分析」のSTEPについて説明していきます。

「分析」のSTEP

ご想像いただける通り、「分析」の方法は多数あり決まったSTEPなどはありません。
逆にマーケッターはそれぞれが異なる「分析」STEPを持っていると言っても過言ではないと思います。

ここでは、マーケッターではない方が初めて「分析」を行い“顧客体験最適化”への示唆を得るためのSTEPを提案させていただきます。

STEP1:「分析」の対象とするデータ項目を選ぶ

おそらくCDPに格納/統合いただいている顧客データは、“顧客体験最適化”に使える、使えないがあり、また使えるものだけでも膨大なデータ項目数になることが推測されるため、使えるものの中でも影響度の高いものだけを選んでいきます。
使用データとしては以下の項目がよく使われるものとなっています。(図3)

  • 目的データ
    「購買(新規有無、リピート有無、頻度、回数、単価等)」「行動(来店やサイトアクセス等)」「ロイヤルティ」等
    「購買」を代表とした理想的な行動を表すデータ項目です。
  • 属性/意識データ
    「性別」「年齢」「居住エリア」「ライフステージ」「趣味嗜好」「意識」等
    「どん人が」というセグメントに分けるデータ項目です。商品やサービスによってデモグラフィックが適しているのか、サイコグラフィックが適しているのか、また組み合わせが良いのかを検討・決定していきます。
  • 行動データ
     「サイト閲覧履歴」「サービス利用履歴」「コンタクト履歴」「アンケート結果」等
     「どういう顧客体験」を明らかにするデータ項目です。「意識データ」などと同様に保有しているデータからの推測が必要となる項目です。このデータの選定において、実際の業務での経験から仮説を立てて決定し分析を試みてください。

STEP2:顧客をセグメントに分類

顧客を分類していきます。
基本となるのは「目的データ」ですが、この軸だけでセグメントを分けられないことが多く、通常は「性別」「年代」や「意識」なども加えてセグメント分類を細分化します。
先程のサプリメント例では「リピート購入した/しなかった」で顧客を二分し、そのうえで似ている属性/意識=「ランニングが趣味の60代」などでセグメント分類を細分化することになります。(図4)

STEP3:共通/差異項目洗い出し

“理想的な行動”を取ってくれた(リピート購入した)人に対して、セグメント内で共通する“行動データ”の項目を見つけていきます。
現れた共通のデータ項目を、“理想的な行動”を取ってくれなかった(リピート購入しなかった)人のセグメントと突き合わせてください。
ここでは理想的な行動を取ったセグメントに共通して現れるのに、理想的な行動を取ってくれなかったセグメントには現れないデータ項目を見つけていきます。ここで見つかったデータ項目の差異、「大会出場、記録更新」が“顧客体験”への示唆となります。

もちろん、差異があるデータ項目が見つからないこともあります。
その場合は、“属性/意識データ”によるセグメントを組み替えてみる、または“行動データ”を別の項目に変えてみるなど、STEP2、3を繰り返してみてください。
差異があるデータ項目が見つけ出せると思います。示唆が得られたらそれを元に“顧客体験最適化”プロセスの「設計」を行っていただくことになります。(図5)

まとめ

今回は“顧客体験最適化”に向けたプロセスの1つ目、「分析」について説明させていただきました。
冒頭でお話したとおり、マーケッター以外の方にとっては「分析」などデータを活用することは一見ハードルが高いように思われるかもしれません。
しかし実際には分類と集計、そして共通/差異点を見つけていくことでしかありません。
また、それを行いながら顧客の気持ちを想像し理解していくことには日常の業務での経験など生き「顧客との会話が実際に結果データとつながっている」など多くの気づきも得られると思います。
是非、最初のハードルを乗り越えて「分析」そして“顧客体験最適化”にトライしてみてください。

トレジャーデータではTreasure Data CDPを活用した顧客分析、カスタマージャーニー開発、施策高度化など顧客体験最適化領域につきましてもレクチャー、アドバイスなどサポートさせていただくことが可能です。
ご興味、お困りごとがありましたら担当者まで問い合わせください。

(*)顧客体験
 顧客体験は製品やサービスの認知から使用に至るまでのすべての接点で顧客に提供する体験と定義しています。
つまり製品やサービスの使用や消費は言うまでもなく、それ以外も含めたすべての顧客とのつながりが顧客体験であり、顧客エンゲージメントを形成していきます。
製品やサービスのコモディティ化が進んだ現在、それ自体が競合企業に対して圧倒的に優位な顧客体験を提供できることは考えにくく、また多様な顧客ニーズにあわせて変化させられる領域も限定的となります。
この状況では広告やCRMと言ったコミュニケーション、購入時の利便性や接客、商品使用時のアフターサービスの充実など製品やサービス以外の顧客体験を多様化する顧客にあわせてパーソナライズして設計・提供していくことが重要になると考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

吉川 直宏

Customer Consultingチーム

広告会社にてメディア、ブランド・マーケティング従事した後、新設されたダイレクトマーケティング参入を支援するセクションに異動。データ活用によるパーソナライズコミュニケーションのスキーム開発・施策最適化を行い数多くの事業成長を実現。開発したスキームは対象企業を消費財メーカーに拡大。顧客を会員化しキャンペーンやイベント、アンケートデータなどを基にロイヤル顧客育成を行うプラットフォームに進化させプロダクトローンチ、タバコ、アルコール飲料メーカーなどに提供。近年はグループ会社のコンタクトセンターにてVoCなどデータエンリッチ化による未来の顧客体験をデザイン。デジタルトランスフォーメーション(DX)により実現可能となる顧客体験(CX)の高度化を推進するため、2021年トレジャーデータに参画。

得意領域 : 顧客体験(CX)デザイン、CRM施策構築、ダイレクトマーケティング(D2C)事業開発コンサルティング

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