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Cookieレス時代の広告最適化ソリューション“データクリーンルーム”とは?

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カスタマーコンサルティングチームの安藤 航平です。

本日は3rdPartycookieの廃止など個人情報データの利用に関わる規制強化が不可避の中で、お客様に最適化された広告配信やその効果検証を行うための新たなソリューションの1つである「データクリーンルーム」についてご紹介したいと思います。

この記事でわかること

  • デジタルマーケティング領域におけるプライバシー規制状況とその影響
  • 企業の個人情報データ利用に今後求められる2つの要素
  • データクリーンルームの概要と仕組み

企業による個人情報データ利用は大きな転換期を迎えている

インターネットの普及以来、情報量とその取得経路の爆発的な増加に伴い、人々の嗜好は多様化の一途をたどっています。企業によるマーケティング活動においても、これまでのようなマスメディアによる画一的コミュニケーションは限界を迎えており、多様に存在するお客様個人のニーズ・嗜好を把握し、”個客”として最適化された1to1のコミュニケーションが求められる時代になってきました。

これはコミュニケーション領域に限らず、例えば商品のプライシングや商品自体の開発においても、お客様に合わせて臨機応変にパーソナライズしていく、ということが求められてきています。

こうした潮流のなかで、個客理解のためにCDPを使い自社1stPartyとしての「個人データ」を蓄積・活用することが必要であることはいうまでもありません。しかし昨今、データ取得・利用に関わる「個人の権利」への意識の高まりから、企業の個人情報データ利用は大きな転換期をむかえています。

今後の個人情報データ利用において重要な2つの要素

「個人の権利」に起因した訴訟やトラブルの増加に伴い、個人情報に関わるデータ利用については、各方面から様々な規制強化がなされています。現状の主な動きをまとめると、プラットフォーマーにおいてはAppleのITPやiOSのIDFA制限、GoogleのChromeにおけるCookie制限に代表されるように、デジタルマーケティング上のキー/IDと呼ばれるものが消滅、ないし制限がかかってきている状況です。

同時に各国政府においてもEUのGDPR、米国のCCPA、日本での個人情報保護法の改正など、個人情報にあたるデータを守る動きが強化され、結果的にプラットフォーマー各社は情報を外に出さなくなっている状況です。(いわゆるウォールドガーデン化)




しかし前述の通り、今後も企業から個人へのマーケティング活動においては「データ」が必要です。

こうした環境下の顧客関係において、”VRM”というCRMに変わる考え方が近年注目を集めています。企業によるお客様との関係管理を表すCRMという言葉は、マーケティングに携わる方であれば誰もが日常的に触れているところかと思います。

「Customer Relationship Management by Vender」=”企業による、顧客との関係管理”

これに対してVRMとは、以下のような考え方です。

「Vender Relationship Management by Customer」=”顧客による、企業との関係管理”

つまり、これまでのマーケティング活動は「企業がお客様のデータから得た情報でビジネスを行う」というプロセスだったのに対して、今後は「お客様が自ら意思を表明し、その意思に基づいて企業がビジネスを行う」というプロセスへの変化を表しています。

少し話が脱線しましたが、今後も個人データ利用規制が進む中で企業がお客様のデータを利用していくためには、「自分のデータが、どこで誰に収集されて、何にどう使われて、結果どんなメリットがあるのか」ということを、企業側がお客様に対して明確にしていくことが必要になってきており、そのためには企業側がお客様に対して「ニーズの把握によるより良い顧客体験の提供」と「プライバシー保護」という2つの要素を両立させることが求められる、と言えるのではないでしょうか。

「ニーズの把握によるより良い顧客体験の提供」と「プライバシー保護」

この一見相反する2つの要素を実現する目的で登場したのが「データクリーンルーム」というソリューションです。

データクリーンルームとは?

データクリーンルームとは、データの統合・分析など特定の目的のために提供される匿名化・統計化されたデータを、契約に基づき限られた人だけがアクセスできるクラウド環境であり、現在でも海外ではGoogleやAmazon、Meta(旧Facebook)など、日本でも大手プラットフォーマー各社がすでに提供を開始しています。

この限られた環境に企業や広告会社がアクセスし、マーケティング活動に必要なデータを取得、自社データと連携させる、ということが求められる状況になってきています。

以下にデータクリーンルームの仕組みを解説しております。



仕組みとしては、企業の持つ顧客データ(1stPartyデータ)、プラットフォーマーの保有データ、広告会社など第三者の持つデータを”個人を特定しない形で統合・連携する”ことで、潜在顧客の発掘とそこへ向けた広告配信や、ユーザー分析などの効果検証に利用することが可能になります。

ポイントは、同環境において以下のようなプライバシー保護機能が実装されていることで、「個人を特定しない」にもかかわらず、従来と同等、あるいはそれ以上にお客様のニーズを捉えた広告配信や効果測定ができるという点にあります。

  • 個人識別情報(PII)が自動的に暗号化されている
  • 抽出サンプルサイズに下限設定がされている(ex.100未満は表示不可など)
  • 外部への出力形式に制限がかかっている

つまり、これまで3rdPartycookieとの連携で自社1stPartyデータをエンリッチ化していたモデルが、データクリーンルームに置き換わる、ということを意味しており、データクリーンルームと自社CDPに蓄積した1stPartyデータを連携することで、潜在顧客の発掘とそこへ向けた広告配信、ユーザー分析などに利用することが可能になります。

またCDPの得意領域の1つとして「既存顧客のLTV最大化」が挙げられますが、データクリーンルームとの連携により「オフラインを含む新規顧客の獲得」まで活用幅を広げることができる点も連携メリットと言えます。

まとめ

今後のデジタルマーケティングにおける個人情報のデータ利用においては、プライバシー保護に準じた形で、お客様の嗜好を把握したコミュニケーション最適化が求められます。そのためには、自社CDPによる1stPartyデータの蓄積・管理を行いながら、データクリーンルームのような新たなソリューションとの連携で顧客情報をエンリッチ化・最適化させていくことが重要になってくるのでないでしょうか。

今回の記事では、cookieレス時代に企業がお客様とのコミュニケーション最適化・効果検証を行っていくためのソリューションとして、データクリーンルームの概要・仕組みに関してご紹介させていただきました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

安藤 航平

Customer Consultingチーム

2014年に新卒で(株)電通へ入社。2年間メディア部門に従事したのち、2016年より5年間、統合マーケティング部門にてイベント・キャンペーンなどセールスプロモーション領域を中心に企画立案から実運用までを経験。2019年からは事業開発部門を兼務し、北米・アジア圏でesports領域の事業立ち上げ・実行支援を担当。国内No.1のDXソリューション×海外展開に可能性を感じ、2021年7月よりトレジャーデータに参画。  現在はカスタマーコンサルタントとして、国内・アジア圏の自動車・飲食業界のプロジェクトに携わる。

得意領域 : セールスプロモーション・メディア企画、事業開発コンサルティング

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