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諸外国に学ぶDX成功パターン

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カスタマーコンサルティングチームの黒柳 将です。

新型コロナウイルスの感染拡大後にワクチン接種も進み、公私共にわれわれの生活でデジタルシフトが急速に広がろうとしております。その中で、多くのメディア等でも取り上げられて、デジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードを耳にする機会が格段に増えている状況かと思われます。しかし、「そもそもDXとは何を意味するのか?」、「どのように取り組むべきなのか?」、「取り組む際にはどのような体制やプロセスが必要なのか?」、「マーケティング領域との関係は?」を少しでもお伝えできればと、いままで下記のような記事を投稿させていただきました。みなさんはどのような印象を持ち、整理をされたでしょうか?

デジタル・データ活用人材に求められる素養 ※1)』
DX推進が上手く進まない(頓挫する)プロジェクトの特徴とは ※2)』
マーケティング領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)とは ※3)』

TechNexus社のAndrew Annacone氏(パートナー)が、linkedinにて『デジタルトランスフォーメーションの4つのタイプ(The 4 Types of Digital Transformation)※4)』という記事を投稿しております。今回はこの内容を踏まえてご紹介できればと考えております。

DXにおける4つのタイプ

上述の記事では、DXのタイプとして「ビジネスプロセス」、「ビジネスモデル」、「ドメイン」、「文化・組織」の4つに分類されると整理されています。DXを取り組もうとする多くの企業はプロセスや組織の変革のみに焦点を当てていることが往々にしてあります。しかしながら、どれかを選ぶということでもなく、どれから取り組むということでもなく、一つ一つを着実に推進しながら、全てに対応できなければ成功に近づかないということは重要な論点だと思われます。新型コロナウイルスをきっかけに強制的なゲームチェンジのチャンスを取りこぼさないためにも、まずはそれぞれのタイプを理解していければと思っております。

Process Transformation(プロセスに対する変革)

こちらの変革は、ビジネスプロセス、つまり、仕事の進め方に焦点を当てつつ、業務モデルおよび業務プロセスに対して継続的な改善サイクルに乗せることが重要だと位置付けられております。プロセスに対する変革を成し遂げるうえでは、膨大で複雑なデータを有機的に結びつけながら収集して、利活用していくことが必要不可欠であります。

データ、アナリティクス、API、機械学習などのキーワードに代表されるようなものは、コストの削減、タクトタイムやサイクルタイムの短縮、品質の向上などに大きな影響を及ぼすでしょう。たとえば、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)のようなテクノロジーを導入して、会計や法務などのバックオフィスプロセスを自動化して業務効率を図るようなユースケースになります。マーケティング領域でも同じような波が来ており、それがマーケティングオートメーション(MA)などであり、リードの獲得や育成などの作業工程を自動化することにより、マーケティング活動の効率化を図るような考え方になります。

Business Model Transformation (ビジネスモデルに対する変革)

前述のプロセスに対する変革は既存領域の改善等に焦点を当てているのに対して、こちらの変革の位置付けは業界における新しい付加価値を創出するという観点になります。パライダムチェンジを引き起こすようなことであるため、当然ながら短期的に成果が上がるものではありません。しかしながら、そのようなパライダムチェンジを成し遂げた企業は大きな成功を収めております。

日本ではもはや知らない人は居ないと思われる「Netflix」の動画配信サービスは、こちらに分類される代表的な成功事例になります。言わずもがな、店舗型のモデルを破壊し、無店舗型による SVOD(定額制動画配信)とサブスクリプションモデルで大成功を成し遂げた企業になります。そこにはデータに裏打ちされたレコメンドとパーソナライゼーションの仕組みを実現しています。

また、Spotifyによる音楽ストリーミングサービスでは様々なアーティスト、アルバムに無料でフルアクセスできるようにして、世界中にある数千万の楽曲を無料で楽しむことを実現した変革や、Airbnbによって宿泊場所を提供したい人と宿泊場所をを探す人をマッチングするサービスを民泊と仕組みを浸透させたことも、こちらの変革に代表される例としてよく知られています。

Domain Transformation (ドメインに対する変革)

こちらの変革は、既存事業の深耕からの変革による価値を生み出すのではなく、企業の成長の方向性を事業ドメインの再定義から導き出すことになります。これまで発生していなかった収益源を既存事業以外の新しいビジネスモデル、サービスによってピボットする、つまりビジネス領域の変革になります。既存事業のサービス、ビジネスから得られたデータなどを以前よりも容易に活用できるようになり、他業界の参入障壁が変化していると言えるでしょう。効果的に他業界のデータとも連携しやすくなり、今までは構造として出来なかった顧客への価値を提供する座組みを構築しやすくなっています。

各業界との垣根が曖昧になり、従来とは異なる全く新しい競争相手になり得るということになります。わかりやすい例として、世界の小売業者であるAmazon社が挙げられます。彼らは消費者の購買行動や小売業に対する印象を大きく変えたが、さらに小売業の領域をと飛び越えて、いまでは事業の1つの柱となるクラウドコンピューティング、ネットワークなどインフラ部分を提供するAmazon Web Services(アマゾン ウェブ サービス)をサービス提供している。さらに最近ではオンラインの領域から実店舗でのデパート業にに参入するというニュースも飛び込んできている。

Cultural/Organizational Transformation (文化・組織に対する変革)

4つ目の変革は、新しいテクノロジーやデータの活用するうえで、組織や必要とされる人材などを再定義するという領域になります。企業文化や組織に変化をもたらすことで、今まで述べた「ビジネスプロセス」、「ビジネスモデル」、「ドメイン」領域における変革の成果につなげます。トップマネジメント層が自ら率先して「変えなければ」という意識変化がないと、文化・組織自体を変えることはなかなか難しいことではあります。

しかしながら、DXによる成功を導くうえでのセオリー通りとも言えるでしょう。以前の記事である『デジタル・データ活用人材に求められる素養 ※1)』でも触れたようなスキルセットやマインドセットを組織やチームは加えることができるか、できないかは、文化・組織に対する変革ができるか、できないかと言っても過言ではないと考えます。

たとえば、Experian社はデータを解放して業務において重視する道を選び、そうすることで、古い習慣に替わる新しい習慣を定着させてデジタルの力を実証しながら文化的な変革を実現することにつなげたと述べられている。また、コカ・コーラ・カナダ副社長のインタビュー記事 ※5)では、創業から130年以上になる同社が歴史的にサイロ化していたものを打破するためには組織全体がDXに取り組むカルチャーに変化させることがない限り成果は望めないと述べております。テクノロジーの変化が大きくなるにつれ、各企業も変化を余儀なくされていきます。DXを多面的に捉えて文化・組織に対する変革を厭わない企業は、そうでない企業よりも大きな成功を収めるのではないでしょうか。

さいごに

改めてになりますが、以前に『デジタル・データ活用人材に求められる素養 ※1)』という記事の中で、『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(2018年12月)※6)』にて経済産業省(METI)が明示したDXの定義を下記のようにご紹介しました。

”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”

こちらは、今回の記事で述べさせて頂いた内容と重なる部分が多いのではないでしょうか。弊社のカスタマーデータプラットフォームTreasure Data CDPは、デジタルトランスフォーメーション領域に於いて、あらゆるデータを収集・加工して主に深い顧客理解を可能する手段にすぎません。カスタマーサクセスチームの持つノウハウを提供することで、「ビジネスプロセス」、「ビジネスモデル」、「ドメイン」、「文化・組織」の4つに領域でどのような目的で、どのように活用するのかを考えること、実行することのご支援に少しでも繋がれば繋がれば幸いです。

※1)https://plazma.red/user_engagement/howto/0004
※2)https://plazma.red/user_engagement/howto/0045
※3)https://plazma.red/user_engagement/howto/0189
※4)https://www.linkedin.com/pulse/4-types-digital-transformation-andrew-annacone/
※5)https://dxr.jp/archives/1712
※6)https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

黒柳 将

Customer Consultingチーム

システムインテグレーター(SIer)のサーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタート。自動車メーカー、大手人材サービス会社や大手出版社等のWebアプリケーション開発を通して、Oracle Databaseを代表とするRDBMSチューニング、データモデル/テーブル設計およびシステム設計、Java開発(Unix)、運用保守の業務を経験。エンジニアやITコンサルタントの業務の中でデジタルマーケティングの世界に触れることが多くなり、2004年にデジタル広告ビジネスを統合的に展開する博報堂系列の会社に転職し、デジタル領域におけるマーケティングツール活用のコンサルティングや導入支援、外資系ベンダーとのアライアンスの業務に約7年ほど従事。その後、2011年にアドプラットフォーム提供企業Sizmek社(吸収合併により、現Amazon社)の日本法人立ち上げ時にボードメンバー、カスタマーサービス部門の統括として参画。大手外資系消費財企業や自動車メーカー等の多くの広告主とデジタル広告の計測から潜在顧客の行動フローを可視化するアトリビューション分析、メディアとの広告商品開発、パートナーアライアンス等のプロジェクトを推進。また、既存顧客に応じたカスタマーケア提供や自社プログラマティック・バイイング運用の指揮を執る。2017年2月に成長戦略の一環とする日本事業の譲渡によってYahoo!JAPANに移籍。2018年7月、トレジャーデータに参画し、大手通信会社のABM戦略におけるCDP導入および施策実行、自動車メーカー等へのデータ活用のコンサルティング業務に従事。シニアマネージャーとしてカスタマーコンサルティングチームを率いる。

得意領域 : デジタル広告、プログラマティック・バイイング、アドテク、キャンペーン設計・計測、ABM、プロジェクトマネジメント

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