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DXにおけるデザイン的な視点 – デザインの役割と必要な視点 –

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カスタマーコンサルティングチームの矢戸 政法です。

現在におけるデザインの役割

前回は、デザインが課題を解決するための方法として活用すべき行為であり、産業革命期においてもデザインによって売上が伸び、また人々の生活を豊かにすることに一役を買ったことをご説明しました。今日においてもデザインは人々の暮らしに大いに役立つものであることは疑う余地はなく、ビジネスにおいてもデザインは大いに活用すべき手段です。とはいえ、「DXにおいてデザインを活用する」といってもピンとこないかもしれません。今回はビジネスで活用するデザイン的な考え方をご紹介しつつ、DXにおいてどのようにデザイン的な手法を活用できるのかを考えてみたいと思います。

人間中心性

本題に入る前に、デザインを考えるにあたって重要な「人間中心性」についてお話したいと思います。この考え方がデザインをする際には非常に重要になると考えています。

そもそも、課題を解決するということは、解決後には問題が解消され不自由だったことがなくなる、もしくは少なくなっていなければなりません。その時恩恵を受けるのは問題を感じていた「人間」です。デザインを考える上で重要なのは「人間」が中心であるということです。つまり「人間中心主義」的な考えがとても重要になのは半ば当然なのです。人間中心主義という言葉だけでも十分理解できると思いますが、よりクリアに理解するために、対局に位置する「技術中心」的な考えと比較してみましょう。

技術中心な考え方では人間は曖昧な存在であり、機械は正確無比なものである、また人間は秩序の乱れたものであるが機械は整然としたものとして捉えます。そのため、機械的に生産したモノが優れていて、たとえ使いづらくても機械が作りやすく作ったものを使うことを強いるのが技術中心性の考え方です。それに対し人間中心的な考えでは人間は創造的であるが機械は独創的でない、または人間は協調的であるが機械は柔軟性がないと捉えます。そのため人間にとって使いやすく作りやすいものを柔軟に生み出すことができるのが人間中心的な考えなのです。

技術中心的に作られた製品と人間中心的に作られた製品、どちらを使いたいと思いますか?デザインにおいて、この人間中心的な考えが重要な理由がご理解いただけたと思います。

デザインに必要な視点

前回、クリッペンドルフによるデザインの定義を「デザインとはモノに意味を与える行為である」とご紹介しました。iPhoneを思い浮かべてください。直感的に操作できて誰もが説明書を読まずとも同じ操作をすることができます。よくデザインされたモノはiPhoneのように誰もが正しく使うことができるようになります。つまりiPhoneのボタンや画面のアイコンの「意味」を直感的に理解し操作しているのです。たまにエレベーターなどで「どっちが上に行くボタンなのか?」と迷うことはないでしょうか。そのようなボタンはデザイン的には失敗していると言えるでしょう。なぜならデザインによって「意味」を正しく伝えることができていないからです。デザインにおいては使う人、関わる人が「意味」を正しく理解できることも重要です。

DXに必要なデザイン的な視点

製品にせよ、ビジネスプロセスにせよ、活用するのは「人」です。使う人のことを考慮されていないデザインの製品が使いづらいように、働く人のことを無視したデザインのビジネスプロセスは効率も悪く、効果も上がらないと思います。実際に業務に従事する人たちが使いやすいビジネスプロセスやシステムになっていることはとても重要なことです。しかし、ここで忘れてはならないのは長期的な視点で検討することです。

短期的な視点で検討してしまうとどうしても「現状の業務運用プロセスを活かしたい」という短絡的な結論になってしまい、結果として業務効率の改善などが見込めなくなってしまう危険性があります。業務の自動化やシステム化を検討する際には現状の業務プロセスにシステムを合わせるのではなく、システムに業務を合わせていく方が効果を見込めることが多いです。

これは「技術中心」になっているわけではなく、技術的な制約を受け入れた上で業務に従事する人が活用しやすい業務プロセスをデザインするということで、人間中心性であることに変わりはありません。少々分かりづらいですが、業務を自動化する意味/目的は「業務を効率化する」こともしくは「業務を高度化する」ことです。人間だけでは難しい処理を自動化/システム化することで効率化/高度化を図る上で、自動化/システム化すべきところを検討し、人の手を介したほうが効率的なところは無理にシステム化せずにおく。

そのように意味/目的に合わせて、人間を中心にしたビジネスプロセスや業務の自動化を検討するのが良いのではないかと考えます。平たく言うと、働く人にとって使いやすい形で共通の意味/目的を理解して活用できるビジネスプロセスや業務の自動化/システム化を図る、というのがビジネスプロセスのデザインにおいて重要な視点だと思うのです。

理解しやすいようにビジネスプロセスや業務のシステム化という言葉を使いましたが、これが言い換えればDXで必要なデザイン的な視点であり、本質的には同じことだと考えます。DXというとシステムやツールにばかり目が行きがちですが、忘れてならないのは人間中心的な視点であり、目的は業務の効率化/高度化であってツールの導入は手段に過ぎないということです。

私達、カスタマーサクセスコンサルティングチームは日々お客様のCDP導入や活用法についてお手伝いをさせていただいております。そのプロセスにおいても、まずはお客様の目的を明確にし、目的を実現するためにはどのようにデータを整理するのが人にとってもシステムにとっても最適かをお客様と一緒に考えております。お打ち合わせの中では「デザイン」という言葉を明確には使うことがほとんど無いと思いますが、その工程は実はビジネスプロセスなどのデザイン工程とほぼ同じなのです。

さて、今回はこれで終了とさせていただき、次の機会にはもう少し具体的にDXのデザインの実際について書いてみたいと思います。

矢戸 政法

Customer Consultingチーム

リクルートで営業/企画/編集の業務経験を経て、2000年にWeb/デジタル業界へ転身。以降、Webサイトのプロデュース、企業サイトの構築・運営、各種デジタルプロモーションの企画/制作からアド・サーバやDMP、アプリ計測ツールなどのデジタルマーケティング系のソリューションやAR、動画配信ツールといったメディア系のデジタルソリューションにいたるまで幅広くWeb/デジタルに関わるキャリアを持つ。様々な最先端のデジタル技術にふれる一方で、日本におけるマーケティングのデジタル化が進まない現状を憂い、それを打破する可能性をTreasure Data CDPに見いだし、2019年よりカスタマーコンサルタントとしてトレジャーデータへ参画。運輸・鉄道サービス企業や大手製造メーカー、保険会社のDX支援・Treasure Data CDP導入を主導。

得意領域 : 企画・施策設計、プロジェクトマネジメント

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