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顧客体験設計でマーケッターが忘れてはならない3つの視点

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こんにちは、カスタマーコンサルティングチームの吉川直宏です。

マーケティング領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の目的の一つとして挙げられるのが“顧客のロイヤルティ向上”ですが、DXを導入したとしても自動的に顧客ロイヤルティが向上するわけではないのはご存知の通りだと思います。

顧客ロイヤルティを向上させるためには良質な顧客体験提供が不可欠です。
今日は顧客体験を設計するうえで“マーケッターが忘れてはならない3つの視点”について書いていきたいと思います。

顧客体験とは

顧客体験は、製品やサービスの認知から使用に至るまでのすべての接点で顧客に提供する体験と定義しています。
つまり製品やサービスの使用や消費は言うまでもなく、それ以外も含めたすべての顧客とのつながりが顧客体験を形成し、ロイヤルティに影響を与えています。

その中でも製品やサービスそのもののコモディティ化が進んだ現在、それ自体が競合企業に対して圧倒的に優位な顧客体験を提供できることは考えにくく、また多様な顧客ニーズにあわせて変化させられる領域も限定的となります。
この状況では広告やCRMと言ったコミュニケーション、購入時の利便性や接客、商品使用時のアフターサービスの充実など製品やサービス以外の顧客体験を多様化する顧客にあわせてパーソナライズして設計・提供していくことが重要になるということです。

忘れてはならない視点(1)_顧客にストレスを与えない顧客体験

以下のECサイトでは、どんな顧客体験を提供しているでしょうか。

ECサイトを運営している会社が、マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入し、カートに商品を入れたにも関わらずサイトから離脱した場合に購入を促すメールを配信する施策を行った場合です。
企業視点で見ると、対象顧客のうち数%でも購入していただければ売上・利益が獲得できるので施策は成功と位置づけられるかもしれません。
顧客の中には、カートに商品を入れたタイミングで来客などがあり購入を忘れてしまった人もいるでしょう。もちろん、この顧客から見るとメールで購入をリマインドされることは良質な顧客体験に違いありません。

では、すべての顧客が購入を途中で忘れてしまったのでしょうか?
顧客のなかには、以前購入したことがあったので購入を止めた、カートに入れたけど似たような商品と迷っている、など様々な離脱の理由があるのではないでしょうか。

これらの顧客にとっては「カートに商品が入ったままです、購入を完了してください」というメッセージは適切ではありません。
逆にこのようなコミュニケーションは良くない顧客体験を生み出し、顧客のロイヤルティを低下させることにつながってしまいます。

画一的な施策により一部の顧客に良くない顧客体験を提供していたとしても、短期的には売上を獲得できますし、また成果の可視化が容易なので社内では活用促進が加速してしまいます。
一方で良くない顧客体験の提供を繰り返すことで顧客のロイヤルティの総和は減少します。

それは短期的な影響も少なく可視化も困難なことから軽視されがちですが、中期的は顧客が離れることを意味し本来のポテンシャルと比べると低い成果しか獲得できないことになります。
顧客体験を設計するマーケッターは、まず良くない顧客体験提供を避けることから始めてください。

忘れてはならない視点(2)_良質な顧客体験設計

では、良質な顧客体験設計に重要な視点はどういったものでしょうか。
それは、顧客の属性や行動を時間軸上で見ていくことで心理状態を把握(推測)し、その心理状態に対して顧客体験そのものをパーソナライズしていくことです。

もちろん顧客のデータを統合し分析、カスタマージャーニーマップ(CJM)などで可視化することになるのですが、作成されたCJMを拝見すると企業が理想とする顧客の動きと、それの動きを促す施策だけがプロットされているものが非常に多くあります。
これでは顧客の心理状態を元にした良質な顧客体験の設計はできません。

カスタマージャーニーマップは顧客の表層的な行動だけではなく、顧客の心理状態の遷移を、企業の望まない遷移も含めて網羅的に把握するために作成するものです。
そうして作成されたCJMは非常に複雑な樹形図状になり、ほとんどが企業の望む行動を取らず途中で途切れており、また記載されているのは顧客心理状態になります。

先程のECサイトの場合ですと「カートに商品を入れて買わなかった」という表面的な行動に対して、「過去に同じ商品を購入していることを思い出した」、「いくつかの候補のうちどれを購入すればいいかわからない」が購入を完了していない理由かもしれません。
前者はWEBサイト閲覧履歴に過去の購買履歴を統合していくことで導き出されます。そしてこの顧客に提供する顧客体験は「満足度を高める使用方法の推奨」などとなり、場合によってはクロスセルを促進できるかも知れません。
また後者は過去に類似商品をカートに入れていた、カートから類似消費を複数閲覧したのちに離脱したなどのWEBサイト履歴の深堀からわかるでしょう。

この場合の良質な顧客体験は「比較基準の提供による評価負担の軽減」となります。
DXにより統合や分類、施策実施などのオペレーションは効率化され、容易に解像度高く顧客分析ができるようになります。だからこそマーケッターは顧客の心理状態把握や顧客体験設計を重要視していただきたいと思います。

忘れてはならない視点(3)_顧客の声の大切さ

顧客の行動を捉えその心理状態を把握することは一見簡単に見えますが、実際にやってみると複数の状態が想像されることの多さに気がつくでしょう。
そしてデータをいくら深堀しても一つに特定できない場合も少なくありません。

では顧客の心理状態を把握するためにするべきこととは何か、それは顧客の声をできるだけ多く聴くことです。

アンケートを積極的に実施することや、店舗、コンタクトセンターに集まってくる声を収集、分析することはもちろんですが、可能な限りマーケッター自身が直接顧客にインタビューしていただきたいと思います。
顧客が望む行動を取ってくれた時にどういう心理状態だったのか、望む行動を取ってくれなかったのは何故なのか、実際に顧客に語ってもらうことで顧客の心理状態を鮮明に捉えられることとなり、それに対する良質な顧客体験を設計に繋がります。

DX化した時代には、顧客が管理画面上の点や数値として見がちになりますが、その点や数値のカウントの一つ一つがひとりひとりの顧客、すなわち人であるということをマーケッターには常に意識していただきたいと思っています。

まとめ

    今日お話しました顧客体験設計において重要な3つのポイントとしては、

  • 良くない顧客体験をなくすこと
  • 顧客の心理状態を把握すること
  • 顧客の声を直接聴くこと
  • となります。

DX化した時代、競合企業に対して持続的な競争優位性として顧客ロイヤルティを高めるためには、最適なツール選択・活用が不可欠なのと同様に、顧客体験設計の最適化が重要になってきます。

この記事がみなさまの良質な顧客体験設計・提供、その先にあるロイヤルティ向上からの事業成果創出の一助になれば幸いです。

トレジャーデータではTreasure Data CDPを活用した顧客分析、カスタマージャーニー開発、施策高度化などの領域もサポートさせていただくことができますので、担当者にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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