HOW TO TD(User Engagement)Treasure Data User Engagement

海外消費財メーカーのD2C活用事例

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はじめに

カスタマーコンサルティングチームの佐々木 亜衣です。

Treasure Data CDPをご利用いただいている皆様の中には、顧客データをどのように収集するかという点で課題を抱えていらっしゃる方もいるかもしれません。特にBtoBtoCモデルでビジネスを行っている消費財メーカー様は、商流という観点では直接消費者との接点を持ちにくく、どのように顧客データを収集するかが課題になっているケースがあります。これまでも消費者のニーズをより深く理解するため、ブランド体験をコントロールするため、消費者への提案を差別化するためなど、さまざまな理由から最終顧客との直接的な関係を構築しようという取り組みがされてきましたが、最近では、従来のビジネスモデルに加えてD2Cモデルに取り組み、顧客データの収集を行うメーカーも増えています。

本記事では、顧客データ収集のための先進事例をご紹介いたします。

まずご紹介するのは、2004年に米国で発売され、現在では世界中で人気を博しているナッツバーブランド「KIND」です。KINDはスーパーマーケット、専門店、大型小売店、など30万以上の店舗で販売されています。KINDは、2017年からオンラインで直接消費者にリーチすべくD2Cに取り組みはじめました。ECを自社で運営することで、顧客を理解し、また顧客とのつながりを深めて、他のスナックブランドとの差別化を図っています。

顧客インサイトの理解

KINDには80種類以上のSKUがありますが、多くの小売店の店頭での取り扱いは数種類のSKUに制限されます。自社ECでは、全商品から選ぶことができます。またKINDは、顧客により多くの商品を提供するだけでなく、「Build Your Own Box」というサービスによって、D2Cチャネルの差別化を図っています。このサービスでは、顧客が自分でボックスの中身をカスタマイズすることができます。通常12本以上のパッケージで販売されているナッツバーを、1本から試すことができ、新しい製品を試す機会を提供しています。

自社ECでは、顧客がどのように商品に触れているのか、ページを何回見たのか、どのくらいコンバージョンしたのかなど、ライブデータを見ることができます。そのため、顧客の行動に関して多くの情報を得ることができます。また、ECサイト上の行動からインサイトを把握するだけでなく、『なぜ購入したのですか』『なぜ購入しなかったのですか』と直接顧客に尋ねることが可能となります。フィードバックを得るためにかかる時間とコストを大幅に短縮することができ、また顧客の状況に合わせた適切な質問ができる環境を手にすることができると言えます。

顧客との長期的な関係構築

KINDのECではサブスクリプションの選択肢を提示しており、通常製品は10%、「Build Your Own Box」は15%のディスカウントを受けることができます。また配送料無料や、4回の定期購入ごとに50%オフ、新製品をいち早く知ることができるなど、サブスクリプションでの購入を選択するインセンティブを多く提供しています。これにより、長期的に顧客との関係性を構築することが可能になります。さらに顧客の注文した商品に関連性の高い商品を推奨したり、定期購入の注文が近づいたときにお客様にリマインドするといった施策も行うことにより、長期的に顧客との関係性を構築しやすいようにしています。

既存流通チャネルへの情報提供

D2Cの取り組みを始める際、多くの場合、既存流通チャネルとの衝突を最小限に抑えたいと考えるでしょう。これは、主に小売店、卸売業者、流通業者を通じて販売している企業にとって重要な関心事です。1つの選択肢は、自社EC専用の品揃えを作ることです。

KINDも自社EC限定製品を数多く展開しています。これは、顧客インサイトを知るのに助けになるだけでなく、既存流通チャネルとの棲み分けという意味でも、意義のある取り組みです。また自社EC限定製品については、自社ECでの販売状況を基に、既存チャネルで展開するSKUを考え直したり、既存チャネルでの販売促進に活かすことも可能となります。

次にご紹介するのは、Kraft Heinz社です。

Kraft Heinz社は2020年、英国で「HEINZ TO HOME」というD2Cサービスを開始しました。当初、ベイクドビーンズやトマトスープなどの商品をパッケージにして配達するサービスを行っていましたが、顧客からのフィードバックを受けて、ケチャップ、サラダクリーム、マヨネーズ、バーベキューソースなどにもサービスを拡大しています。

Kraft Heinz社も、予めブランド側で組み合わせた製品ボックスの他に、「Build Your Own Bundle」サービスを展開しています。サブスクリプションでの購入者を対象に自分で商品を組み合わせられることで、【顧客インサイトの理解】や【顧客との長期的な関係構築】ができるようにしています。さらにKraft Heinz社は、D2Cを通じて【顧客との関係強化】についても行っています。

顧客との関係強化

Kraft Heinz社は、一部の商品(ベイクドビーンズ、ケチャップ、マヨネーズなど)に個人名をパッケージの前に表示するパーソナライズサービスを行っています。主にギフト用として展開されており、購入者だけでなく、ギフトを受け取る人との関係構築にも一役買っています。また、例えば父の日にはパーソナライズケチャップとオリジナル靴下のギフトセットの販売など、季節に合わせた施策を実施することにより、顧客の生活に深く入り込むことが可能となります。

おわりに

D2C戦略は、単に製品を販売するための新しいチャネルを作るだけではありません。D2C戦略とは、顧客データを収集し、顧客理解を深め、顧客との関係を構築するためのインフラを構築することとも言えます。顧客データにアクセスすることで、製品の決定から小売店との関係、さらには新たな消費者層の開拓まで、あらゆる情報を得ることができます。

D2Cにてどのような顧客データを収集するか、収集した顧客データをどのように施策に活かせる形に加工するか、などのご相談については、弊社のカスタマーサクセスチームにぜひお声がけください。

出典:
KIND snacks https://www.kindsnacks.com/
HIEINZ TO HOME https://heinztohome.co.uk/
Just food magazine https://just-food.nridigital.com/just-food_aug20/kraft_heinz_d2c#
McKinsey&Company https://www.mckinsey.com/business-functions/marketing-and-sales/our-insights/dtc-e-commerce-how-consumer-brands-can-get-it-right

佐々木 亜衣

Customer Consultingチーム

大学卒業後、外資系広告代理店に入社し、AEとして大手消費財メーカー、スポーツブランド、製薬会社、テーマパークなどを担当。マーケティング戦略立案、広告メディア選定および出稿、広告クリイティブ企画制作、販促施策企画実施、施策効果測定、新製品開発企画、リサーチ業務などマーケティング活動全般を支援。 その後、別の外資系広告代理店に転職し、経営企画室にて新規事業開発組織の立ち上げを行う。所属部門の分社化に伴い、転籍。大手企業に対する新規事業開発コンサルティングに従事。事業開発プロジェクトの併走から人事制度改革・人材育成まで、新規事業開発のボトルネックを解消し、効率よくプロジェクトを進行するための支援を幅広く実施。事業開発におけるデータ活用の重要性を感じ、2021年にトレジャーデータに参画。カスタマーコンサルティングチームにて、Treasure Data CDP活用のためのコンサルティング業務に従事。

得意領域 : プロジェクトマネジメント、事業開発支援、施策プランニング

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