HOW TO TD(User Engagement)Treasure Data User Engagement

時系列・セグメントごとのKPI設計の考え方

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カスタマーコンサルティングチームの坂本 登です。
すでにTreasureDataを導入している、もしくは導入を検討しているお客様においては、自社のデータを収集・統合することで、データの分析や可視化、更には施策活用を推進していきたいと考えていると認識しております。
その際、統合した多種多様なデータのうち、どのデータを重要な指標とするかは、TreasureData CDPを用いたデータの可視化や分析、施策活用においては非常に重要です。一方で、適切な指標の設計は難しく、各社、組織毎で試行錯誤されているかと思います。

私の前職の業界であるソーシャルゲーム業界においては、業界ができた当初より、お客様より取得したデータを基盤とした分析、その施策活用を行ってきた経緯があり、定石とされるKPIの考え方が存在してます。
また、ソーシャルゲームにおいては、お客様に一度買っていただいて終わりになるビジネスモデルではなく、継続的にゲームを遊んでもらい、更にその遊びの延長上でゲーム内の商品を購入し続けてもらう、運営型のビジネスモデルとなっております。そういった観点から、自社のサービスの買い切りではなく、継続的にお客様にサービスを使用していただくと言う観点で、KPIを設計する場合、ソーシャルゲームのKPIは参考になると考えております。

そこで今回は、ソーシャルゲームにおけるKPIを紹介すると共に、業務でのKPI設計において、参考となりそうな切り口についてお話しします。非常に基礎的な内容ですが参考になれば幸いです。

KPIとは何か

そもそもKPIとは何か?こちらについて改めて、ご説明したいと思います。
KPIとは、Key Performance Indicatorsの略であり、日本語では重要業績評価指標と呼ばれるものです。
別途、並行して議論される単語としてはKGIというものがあり、こちらはKey Goal Indicatiorの略であり、日本語では、重要目標達成指標と呼ばれます。使用方法としては、最終目標であるKGIを設定し、それを達成するためのプロセスを因数分解したものとして置かれるのが、KPIです。
例えば、KGIを「売上」をするならば、売上の要因となる「平均購入単価」や「購入人数」などをKPIで置くことができます。

ソーシャルゲームにおける基本KPI

ソーシャルゲームにおいては、基本KPIを以下の図のように設計することが多いです。前述したKGIをゲームの売上とした場合、KPIは、

  • Unique User(UU): 特定の期間内にゲームにログインしたお客様のユニークユーザー数
  • Average Revenue per UU(ARPU):特定期間内のゲーム内での1ユニークユーザーあたりの平均課金単価

このように非常にシンプルな形の基本KPIとなっておりますが、実際にこれらのKPIを活用して分析、施策展開を進めていく際には、具体的なアクションに繋がるKPIまで落とし込む必要があります。
一方で、これらを詳細のKPIに落とし込むにあたっては、様々な切り口があります。実際にKPIを設計する際には、どのような切り口で分けていくべきなのか、について議論になるかと思います。前述したUnique User(UU)をベースに、次項では切り口について、ソーシャルゲームの事例を基に説明いたします。

ソーシャルゲームにおけるKPI設計の切り口

Unique User(UU)を基に施策展開を進めていくにあたって、詳細のKPIに落とし込む例について説明します。いずれの案においても、KPIを落とし込むことが目的ではありません。その先にあるKGI、またはKPIを変数としたときに、「KPIを分析することで施策に繋がる示唆が得られる変数であること」「KPIが施策などのアクションに繋がり、かつ伸ばすことのできる変数であること」は設計の上で重要な考え方です。
以下は顧客セグメント、時系列で区切った場合の例を上げています。

顧客のセグメントで区切る

ソーシャルゲームにおいては、ゲームをリリースし、収益が成り立つ場合において、数年に渡って運営をする場合がほとんどです。その場合、リリースしてからどの程度時間が経ったのかによって、重要とされるUUの優先順位が変わります。
例えば、ゲームをリリースした直後は、お客様にゲームをインストールをしてもらう必要があります。その際は、新規インストールUUが重要な指標となります。この指標を見ることで、ある任意の期間における広告効果(例えば、広告費に対してどの程度のお客様がインストールしたのか)を測ることができ、広告やプロモーション施策の検証を行うことができます。
また、ゲーム運営においては、インストールしたお客様が継続的にゲームを遊んでいただくことが、サービス上重要になってきます。この場合、継続UUというKPIを指標に、ゲーム内での施策が有効だったか、また、(広告経路が明らかである場合に)あるウェブ広告から入ったお客様の継続UUはどうなのかを測ることができます。
更には、数年単位で、長期間にわたりサービスを運用していると、新規のお客様のインストールを見込むことが困難になります。その場合は、ゲームを継続して遊んでもらうことはもちろんのこと、一度ゲームをやめたお客様にも、改めてプレイしていただくことが重要になります。その際には、復帰UUという指標を置くことで、ある施策をした時にどの程度お客様が戻ってきたのかを測ることできます。

時系列で区切る

ソーシャルゲームのように、お客様に毎日継続して遊んでもらうことが重要である場合には、最も重要なのはDAU(Daily Active User)ということになります。その推移の減少幅が大きい場合は、そこに対して何かしらの施策をする必要があります。
また、ソーシャルゲームは数日毎に施策やゲーム内のイベントを更新しますが、例えば週毎に大きく施策を更新する場合、WAU(Weekly Active User)を見ることで、有益なアクションにつなげられます。仮に、施策が短い、または長い場合には独自の時系列を切って指標を定義することも有り得ます。
MAU(Monthly Active User)は単位としては、月次単位と広いため、半年~1年など中長期的な施策やプロモーション等の効果検証、また基づく計画などの作成に使われます。

まとめ

実際にKPIの設計をする場合には、例で示したものよりも細分化したり、異なるセグメントで切る。または、時系列×顧客セグメントなど、組み合わせて設計する場合も多いかと思います。いずれにしても、「KPIを分析することで施策に繋がる示唆が得られる変数であること」「KPIが施策などのアクションに繋がり、かつ伸ばすことのできる変数であること」を意識しながら設計することを推奨します。

今回はソーシャルゲームの事例を基に、KPIの説明、またその切り分けの考え方について説明いたしました。あくまで一例ではございますが、自社や所属部署、またはプロジェクトにおけるKPI設計の参考にしていただければ幸いです。

坂本 登

Customer Consultingチーム

大学院修了後、2014年にITサービス会社に入社。ゲームプラットフォームでの各社アライアンス業務に従事し、各社とのリレーション構築及び、プロモーション含む全体施策の立案、実行を行う。その後、マーケティング部門に異動し、アニメやキャラクター等のライセンスを活用したタイアップ・コラボレーションを主とした業務を行う一方、並行してプラットフォームキャンペーン企画のプロジェクトマネジメントを担当。アニメやキャラクター等ライセンス事業の部門では、中国のゲーム会社とのリレーションに関わる業務を行い、ライセンス活用に関するアライアンス業務や、ゲーム運用のプロジェクトマネジメント業務など幅広く従事。 2020年にトレジャーデータに参画し、カスタマーコンサルティングチームにて、Treasure Data CDP活用のためのコンサルティング業務に従事。

得意領域 : プロジェクトマネジメント、ライセンシングビジネス、施策プランニング

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