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DX推進が上手く進まない(頓挫する)プロジェクトの特徴とは

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カスタマーコンサルティングチームの黒柳 将です。

前回は『デジタル・データ活用人材に求められる素養』という記事の中で、プロジェクト組織の一員にデータサイエンティストのようなスペシャリストは必要不可欠ではあるが、成し遂げたい目標に向かって既存の枠組みを超えて変化しながら、下記のようなことを取りまとめる推進役も欠かせないということを簡単に触れさせていただきました。

  • ミッション・ビジョンの擦り合わせ
  • プロジェクトスコープの明確化
  • 目標達成基準の定義(ロードマップ、マイルストーンやKPI化)

さらに、下記のようなこともプロジェクトの成否を握る鍵であるとも述べました。

  • 状況変化による柔軟な対応(不確実性の出現に対する対処)
  • 人材・費用などのリソース調整
  • 社内外のコミュニケーションによる相互理解
  • プロジェクト利害関係者に対する参画意識の醸成(ステークホルダーマネジメント)

このようなことを踏まえて、今回はDX推進が上手く進まない/頓挫するプロジェクトの特徴についてもう少し触れさせていただきます。

DXは失敗に終わっている?

まずは大きな波紋を呼んだ内容をご紹介させていただきます。遡ること2019年9月26日に『DX実行戦略 – デジタルで稼ぐ組織をつくる』の出版に合わせて、『デジタルイノベーションカンファレンス』が開催されました。その際に『既存企業はどう生き残るか 〜 デジタルで稼ぐ組織への転換』をテーマした特別講演が行われて、著者のマイケル・ウェイド教授が下記のようなセンセーショナルな話題を提供しました。

全世界の企業が取り組んできたデジタルトランスフォーメーションの95%は失敗に終わっている。

公益社団法人 日本マーケティング協会発行の機関月刊誌『マーケティングホライズン(2020年9月号)/DXの虚と実 Do or Die?』では、『Why Digital Transformations Fail(なぜデジタルトランスフォーメーションが失敗するのか)/2019年7月出版』の著者であるTony Saldanha氏のインタビュー記事として下記のようなマッキンゼーの調査結果が紹介されました。

全産業のデジタルへの変換は1.7兆ドル規模の大きな市場だが、今なお実に70%にものぼる試みが失敗に終わっているという。

デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する明確な定義は捉え方によって非常に難しく、概念も非常に広いことから、何をもって成功とするのかは状況によって異なってくるので単に数値だけを鵜吞みにするわけにはいかないでしょう。しかしながら、いずれの内容もDXに取り組もうとしている企業にとっては軽視、もしくは無視することができないものであるに違いありません。その取り組みの難しさからなかなか上手く進まない企業も多いということが容易に想像できるでしょう。

失敗するケースとは?

実際、どのような原因が失敗するケースになるのでしょうか。前述のインタビュー記事ではTony Saldanha氏は以下のように述べています。

明確な目標の設定とそれを達成するための統制が取れたプロセスが欠けていることが、この失敗率の高さの主な原因になっているとみている。

2018年12月に経済産業省(METI)が公表した『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』の文中では、以下のような失敗ケースが掲載されています。

  • 戦略なき技術起点のPoCは疲弊と失敗のもと。
  • 仮説を立てずに実行すること、失敗を恐れて何もしないこと。
  • 事業部門がオーナーシップを持たず、情報システム部門任せとなり、開発した ITシステムが事業部門の満足できるものとならない。
  • ベンダー企業が情報システム部門としか話ができず、事業部門と話ができない。

成功と失敗の分岐点

また、アビームコンサルティング株式会社による2020年12月の『日本企業のDX取り組み実態調査』では、下記のような調査の結果を成功と失敗の分岐点としてレポートされています。

成功した企業と失敗した企業を分ける要因のうち特に着目すべきは、「全社員へのデジタル教育」、「デジタル知見を有した経営陣による意思決定」、「デジタルとビジネス・業務知見を有した推進組織の組成」であり、それらがDXの成功と失敗の分岐点である。

上述の内容と合わせて、DX成功の5つの要因としては下記の5つの要因が重要であるともコメントを添えています。

  1. 明確なDXビジョン
  2. 思い切ったヒトとカネの投資
  3. デジタル知見を有した経営陣の覚悟
  4. アジリティとダイバーシティのある組織
  5. デジタル教育と変革の意識付け

DXの成功における阻害要因

さらに、デル・テクノロジーズ株式会社は、2020年11月の『日本企業のデジタル トランスフォーメーション(DX)への取り組みの現状と課題』として、グローバル調査『Digital Transformation Index(デジタル トランスフォーメーション インデックス)』の最新結果を発表しています。その文中ではDXの成功における阻害要因のトップ3が紹介されています。

  • 予算およびリソース不足:32.5%
  • スキルおよびノウハウの不足:27.5%
  • データプライバシーおよびサイバー セキュリティーに関する不安:27%

上述のいずれのレポートや発表を見ても、前回の『デジタル・データ活用人材に求められる素養』で触れたDX推進におけるスキルセット、マインドセットを醸成できるかが成功を掴み取ることに繋がるように思われます。

弊社のカスタマーデータプラットフォームTreasure Data CDPは、デジタルトランスフォーメーション領域に於いて、あらゆるデータを収集・加工して主に深い顧客理解を可能する手段にすぎません。しかしながら、その活用の目的をはっきりさせて、プロジェクトに関わる人の目線が合うことで最大限に効果を発揮することになります。カスタマーサクセスチームの持つノウハウを提供して、支援させていただくことで少しずつでも着実なDX推進に繋がれば幸いです。

黒柳 将

Customer Consultingチーム

システムインテグレーター(SIer)のサーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタート。自動車メーカー、大手人材サービス会社や大手出版社等のWebアプリケーション開発を通して、Oracle Databaseを代表とするRDBMSチューニング、データモデル/テーブル設計およびシステム設計、Java開発(Unix)、運用保守の業務を経験。エンジニアやITコンサルタントの業務の中でデジタルマーケティングの世界に触れることが多くなり、2004年にデジタル広告ビジネスを統合的に展開する博報堂系列の会社に転職し、デジタル領域におけるマーケティングツール活用のコンサルティングや導入支援、外資系ベンダーとのアライアンスの業務に約7年ほど従事。その後、2011年にアドプラットフォーム提供企業Sizmek社(吸収合併により、現Amazon社)の日本法人立ち上げ時にボードメンバー、カスタマーサービス部門の統括として参画。大手外資系消費財企業や自動車メーカー等の多くの広告主とデジタル広告の計測から潜在顧客の行動フローを可視化するアトリビューション分析、メディアとの広告商品開発、パートナーアライアンス等のプロジェクトを推進。また、既存顧客に応じたカスタマーケア提供や自社プログラマティック・バイイング運用の指揮を執る。2017年2月に成長戦略の一環とする日本事業の譲渡によってYahoo!JAPANに移籍。2018年7月、トレジャーデータに参画し、大手通信会社のABM戦略におけるCDP導入および施策実行、自動車メーカー等へのデータ活用のコンサルティング業務に従事。シニアマネージャーとしてカスタマーコンサルティングチームを率いる。

得意領域 : デジタル広告、プログラマティック・バイイング、アドテク、キャンペーン設計・計測、ABM、プロジェクトマネジメント

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