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BSSHカムラープ氏に聞く組織づくり、データガバナンス、タイのPDPA

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APACにおける導入企業様の主な国はタイやインドネシアで、使われるツールが日本であるものと異なったり、スマートフォンのシェア構成が違ったり、国ごとのデータ規制があったりと、非常にチャレンジングな面があります。一方で発展の著しい地域ならではのダイナミックさを楽しみながら担当させていただいています。

APACの導入企業様の特徴としては、日本のお客様と比べるとよりガバナンスやユーザー権限管理についての細かいご要望やご質問をいただくように感じています。そこで今回はタイに拠点を置くBangkok Smartcard System(BSS)ホールディングスのデータ・ディレクターであるカムラープ・サッチャヴァロドム氏にデータガバナンス、データ人材の育成、そして2021年5月から完全施行されるPDPA(Personal Data Protection Act、タイの個人情報保護方)に焦点をあててお話を伺ってみました。

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  • カムラープ・サッチャヴァロドム 

    BSSホールディングス / データ・ディレクター

トレジャーデータとの出会い

TD:本日は貴重な機会をいただきありがとうございます。我々は御社の事業は存じていますが、ご存じない読者の方に向けて簡単な紹介からお願いします。

カムラープ:私はBTSグループに所属しています。BTSグループは、複数の事業を保有するホールディング企業です。BTSグループの下には、まず鉄道やバスなどの公共交通機関があります。将来的には、電気自動車の充電プラットフォームや電気自動車による交通機関プラットフォームの他、デジタルレンディングなどの事業にも進出していく計画もあります。

その他の事業として、VGIという広告代理店ビジネスがあり、駅などのビルボードなどの屋外広告の他、オンライン広告も扱っています。これらが主要な事業で、一方で他のビジネスへの投資も行っており、例えばタイでのEコマースを支える物流企業大手であるケリーエクスプレスも我々のパートナーです。このように、BTSグループはタイで非常に大きな企業であり、様々なビジネスパートナーへの投資を精力的に行っています。

TD:BUが多いということは、データソースが多いということですね。では次の質問です。なぜ新しいデータプラットフォームを作ろうと思ったのですか?

カムラープ:当社の上層部は、様々な方法でデータを活用してビジネスパフォーマンスを向上させるべきだというビジョンを持っていました。そして、その中で実現性の高いユースケースの一つが、広告事業を通したマネタイズでした。我々は多数のビジネスを運営しており、公共交通事業のみならず、オンライン決済サービスも保有していますし、他にもEペイメントに関連したロイヤルティプログラムがあります。これらの公共交通事業、ロイヤルティプログラム、その他の顧客データを持つ事業からのデータを活用することでオンラインとオフライン両方の広告ビジネスでマネタイズすることが出来るだろうと考えたのです。

TD:それではソリューション選定にあたって、他社ではなくTreasure Data CDPを選んでくださった理由を教えてください。ぜひ率直なご意見をお聞かせいただきたいと思います。

カムラープ:Treasure Data CDPを導入することになったのは2年ほど前のことです。当時、タイではDMPでさえ知っている人は多くありませんでしたし、CDPとなるとほとんど誰も知りませんでした。私達がTreasure Data CDPを選んだのは、リサーチを行った時に市場にあるCDPのうちでベストな選択肢のうちの一つだったからです。

加えて当社が投資をしているAnyMind GroupがCDPのインプリを行えるパートナーであり、彼らからナレッジトランスファーを受けられるということが、我々のニーズに完璧にマッチしたのです。DMPを提供するベンダーともいくつか商談を持ちましたが、DMPは個人情報の扱いにおいて制限があることがわかりました。我々のデータは、各BUのDWHから取得するCRMデータ、つまりPII(個人情報)にあたります。CDPを使うことで、このCRMデータとアプリやウェブログを統合することが出来る点も大きなポイントでした。

TD:データをマネタイズをしたいというのが大きな要因だったわけですね。現時点では広告ビジネス以外のマネタイズや業務効率化のための活用などはされていないのでしょうか?

カムラープ:まず第一に、グループ内の全てのデータを統一して、ブランドに対してレポートの提供の開始を検討しています。将来的には、自社のサイトとアプリを持つBUで、自社のマーケティングのために活用したいと思っています。Treasure Data CDPを使ってデータを集めることで顧客のカスタマージャーニーを捉え、サイトとアプリのエンゲージメントを高めることができると思います。

TD:ありがとうございます。それでは、広告主である顧客から見て、何が御社のデータをユニークで価値のあるものにしているのでしょうか?

カムラープ:強みはデータのリッチさとボリュームだと思います。まずボリュームについては、現在、我々はTreasure Data CDP内に各BUから収集した53万人分のプロファイルを保有しており、これが毎月5%ずつ増えていっています。これは非常に規模が大きなものだと思います。次に、当社はオンライン決済や物流のデータを持っており、これはECの分野においては価値のあるデータです。他にも投資先である金融商品比較アプリやサイトから、金融商品への興味関心データを得ることができます。

この他にも、ホテルやレストランといった他のBUからのデータの活用も検討しています。FacebookやGoogleのデータがオンラインの興味関心から取得したインテントデータであるのに対して、私達のデータは実際の購入の伴うリアルなトランザクションデータです。GoogleやFacebookの広告では消費者の興味関心を補足することはできますが、それはただ見てみたかっただけかもしれませんし、直接そこから購入をすることは出来ません。実際の購買データを持っていれば、高い確率で再び購入されるということが予想できます。つまり、私達のデータは、大規模でリッチでリアルなのです。

TD:それは大きな資産ですね。ラビットカード(注:BTSが運営する交通系ICカード)はLINEと提携しているとお聞きしましたが、このパートナーシップはどのようにビジネスに活かされていますか?

カムラープ:ラビットカードはLINEと提携していますが、ラビットカードとLINE Payはお互いのデータプライバシーを尊重していますので、ラビットカードのデータを利用することはできません。しかし、Rabbit LINE payでは、ラビットリワードの会員登録をすることで取引を行っているラビットリワード会員のデータを利用することができます。

要するに、ラビットが直接Rabbit LINE Payからデータを取得するわけではありませんが、Rabbit LINE Payを利用することで、ラビットリワードの会員数を増やすことができます。また、ラビットリワードのデータをよりリッチにするのにも役立ちます。それによって、ラビットリワードからより多くのデータを取得して、活用したりマネタイズしたりすることができるようになりました。

データ品質の評価はユースケースに基づく

TD:それでは次のトピック、データガバナンスの話題に移りましょう。以前にオンライン登壇してくださったPlazmaでのプレゼンテーションで説明されたアーキテクチャー図によると、各BU(ビジネスユニット)のDWHからデータをCDPに取り込んで、顧客データを統合するということですね。CDPに取り込まれるデータの品質はどのような基準で評価されているのでしょうか?また、どのようにして品質を確保されているのでしょうか?

カムラープ:データの品質は、データユーザーのユースケースに基づいています。つまり、私たちの場合はユーザーごとに違うと言ってもいいでしょう。私たちは、データの品質を、オンラインビジネスのマネタイズに活用可能かどうかで評価しています。データがオンライン広告ビジネスのために活用できることを確認するにあたり、私は3つの点を念頭に置いています。

まず第一のポイントがサイズです。ビッグデータがあれば、それをすぐマネタイズすることができるように思えますが、実際はそれだけでは不十分です。なぜなら、このデータサイズは法的に使用できるデータのサイズでなければならないからです。つまり、ここで私が第一の基準としてあげるサイズというのは、同意を得たPIIデータのサイズということです。この同意取得済みPIIデータは、各BUからのデータの品質において最も重視しているポイントです。弊社では各BUごとにどれだけの同意済みPIIを提供するかという目標を設定しています。第二のポイントとしては、多くのデータや多くの広告プラットフォームと連携するために、このデータはフレキシブルさを備えていないといけないということです。

例えば、電話番号やメールアドレスはFacebookやGoogleの広告では連携IDとして使用できますが、他のDSPやオンライン広告ネットワークでは受け付けないものもあります。このため、なるべく多くの配信先に連携するためのCookie IDやモバイル広告IDが必要だということです。そして3つ目のポイントはデータのリッチさ、つまりアクティブなユーザーの行動データの豊富さです。私たちのBUはそれぞれ異なるビジネスを行っており、私たちのプラットフォームでは過去1年まで遡ってターゲティングできるように設定しています。

また、デモグラといったアトリビューションも大事な要素です。同意取得済みPIIのサイズ、連携用のIDの豊富さ、そしてプロファイルのリッチさがCDPのデータ品質において重要な点だと私達は考えています。

TD:そうですね。PIIの正確さは、CDPをフルに活用するための重要な鍵ですね。しかし、時々お客様からその正確さがなかなか担保出来ないという話を聞くことがあります。例えば自動車や保険のような代理店ビジネスの場合、各販売代理店に営業担当者がいて、営業担当者が顧客の電話番号を誤って入力したり、何らかの理由で嘘のメールを登録したりすることがあるということを聞いたことがあります。御社ではこのような課題に直面したことはありますか?また、その場合どのように対処されましたか?

カムラープ:PIIデータの数値型のデータはフォーマットをすれば良いと思います。データ品質ツールを使ってPIIデータを標準化し、クリーンアップすれば、すべてのメールアドレスや携帯電話番号が正しいフォーマットで入れられていることを確認することができます。しかし、本物の電話番号やメールアドレスかどうかは確認する術がありません。

私たちがやっていることは、PIIデータを入力するときに、本当の電子メールと携帯電話番号を提供する必要があるというインセンティブを人々に与えようとしているということです。例えばラビットリワードでは、ユーザーはリワードを受け取るためには、本当に使用しているメールアドレスと電話番号を提供する必要があります。この動機づけが正確なPIIを得るための重要な鍵だと私は考えます。

TD:まさに確実でスマートな方法ですね。データウェアハウスについては、データガバナンスのフレームワークを使って管理されていますか?もしそうだとしたら、それはどのようなものなのでしょうか?

カムラープ:弊社ではデータガバナンスの枠組みがまだ整っているとは言えません。これから本格的に始めようとしているところです。来年にはどのデータが健全で、どのデータが健全ではないのか、誰がデータにアクセスできるのか、といった整理を行うためにデータガバナンスとデータセキュリティのコンサルタントに依頼をする予定です。

現在、当社のデータガバナンスの枠組みは、まだまだベーシックなレベルにあります。私たちはユーザーをメディアユーザー、データユーザーに分け、そしてこれらの人たちがどのテーブルにアクセスできて、どのチャネルでアクティベーションができるのか、Treasure Data CDPのPolicy Based Permissionも使ってアクセスのコントロールをしています。

TD:ご活用くださってありがとうございます。権限管理まわりの機能については多くのお客様にご要望をいただいており、今後のグレードアップも予定していますので今後のリリースにご期待いただければと思います。

TD:データガバナンスに関するアドバイスがもしあればお聞かせください。例えばマーケティングの観点から見たアジリティとITの観点から見たガバナンスのバランスが難しいという話をしばしば耳にします。データガバナンスというと、社内や組織内の様々なBU内のデータを管理するための内部ポリシーやコントロールを指すと思いますが、マーケティングではスピーディーにPDCAを回す必要がある一方で、課題として組織内の全てのデータに関するプロセスを管理するためには、ITインフラの整備が重要だと感じています。

カムラープ:私の観点では、データガバナンスは最初に行う必要があるものです。そうでなければ、後で修正するのは難しいでしょう。タイでも個人情報保護法(PDPA)があります。ヨーロッパで施行されているGDPRのようなものです。このため、データ規制をよく知っているデータコンプライアンス担当者を社内に確保する必要があります。

データユーザーやデータセットに関するポリシーの策定にはこのようなデータコンプライアンスの専門家と私のようなデータマネタイズの担当者が協力して取り組む必要があります。データポリシーの策定にあたっては、データを使って何をしたいかというビジネスニーズと、法的規制の折り合いをつける必要があるのです。

その他の重要な点としては、これは我々のようにグループ内に様々なビジネスを抱える企業ならではなのですが、利益相反を避けなければならないという点です。同じような事業をしていて競争関係にあるBUはそれぞれのデータにアクセスさせるわけにはいきません。従って、データコンプライアンスというのは、法的規制の遵守だけではなく、利益相反が生じうる場合はBU同士の利益も考慮する必要があるのです。私はデータコンプライアンスの専門家と各BUと共に、最終的なユースケースとリミテーションを検討しています。

ビジネスサイドとITサイドの橋渡し役

TD:非常に示唆に富む回答ありがとうございます。ちょうど人材について触れられましたが、次に人材やチームの組織についてお伺いします。Treasure Data CDPを使い始めるにあたって、CDPの担当チームはどのように組織されてましたか?

カムラープ:実はまだCDP専任チームというものはつくっていません。関連するロールとしては、まずビジネス要件を出してくれるデータユーザーがいます。そして、その要件をCDPを使ってどのように実現するか「変換」をするデータプロダクトリードがいます。CDPへのデータ要件は2つの領域に分けられます。一つは、メディアチームが使用するのに必要な機能です。

もう一つはデータの品質です。彼らがどういったデータをCDPに必要としているか、つまりどういった属性が必要なのか、またどのようなデータディクショナリーが必要なのかといった点です。そこで、プロダクトリードが要件を定義し、ドキュメントの作成とユーザーの教育にあたります。他には、データの加工やCDPへの取り込み、要件に合わせたデータの統合を行うデータエンジニアがいます。CDPチームとは呼んではいないのですが、もし仮に組織するとすればこのような構成になると思います。

通常、Treasure Data CDPでは、データをアップロードしてマスターデータに入れ、そのデータがオーディエンススタジオで使用するアトリビュートになります。我々はメールアドレスと携帯電話番号はメディアユーザーが見れないようマスターデータに入れないようにしています。個人情報はCDPにアップロードするのですが、名前や名字、メールドレス、携帯電話番号などはセンシティブなデータと分類して、リスク回避のためにメディアユーザーは見れないようにしています。メディアチームがデータチームと一緒に生データを見る必要がある時のためにCDP内に別のデータ領域を設けているのですが、個人情報はそこでも見れないようにしています。CDPに格納されたメールアドレスや携帯電話番号を見れるのは限られた一部の管理者のみにしています。

TD:このデータ構造や管理体制はどうやって設計したのでしょうか?ご自身で考えられたのですか?

カムラープ:データエンジニアと一緒に考えました。まず私がビジネスユーザーからの要件をまとめました。例えば、Googleの広告でアクティベーションを行うために、オーディエンススタジオを使用するといったことです、その他にも、レポートを作成するためにデータをエクスポートできるといった要件もありました。これらの要件に基づいて、メディアビジネスのためのプロダクトをTreasure Data CDPを用いて作りました。一方で、GDPRに準拠するために個人情報をセキュアに管理する必要があるため、PIIを先程述べたように制限しました。

TD:ビジネスサイドとITサイドの橋渡し役をされたわけですね。

カムラープ:はい、その通りです。

TD:素晴らしいです。どこの企業でもあなたの様な人材を必要としていると思います。

カムラープ:はい。ITチームとビジネスチームは異なる言語を話しているので、その間を取り持つ必要があると思います。

TD:そこはデータを扱う上で大きなチャレンジだと思います。御社ではカムラープさんのような人材が他にもいらっしゃったのでしょうか?それとも人材の育成から始めたのでしょうか?

カムラープ:我々はトレーニングプログラムのようなものは持っていないので、適切な人材を採用する必要があります。この採用は、以前に比べるとハードルは下がって来ていると感じています。スタートアップの多くは自社のプロダクトとしてサイトやアプリを持っています。データプロダクトリードにはアプリのプロダクト責任者やデータプロダクトの立ち上げに携わった人材が適していると考えています。データプロダクトリードは高いレベルのビジネス要件を咀嚼して、詳細なデータ要件に変換するスキルが必要です。ポジション名が示す通り、ディテールに落とし込むために全体をリードできる人材です。

TD:そういった人材はタイでは簡単に見つかるものですか?日本ではとても難しいです。

カムラープ:シリコンバレーなら見つけやすいのではありませんか?

TD:アメリカにはたくさんの人材がいますが、テック系の会社が多くあるので、常に人材の取り合いがあります。日本ではエンジニアやデータサイエンティストが不足して、採用が大変だと聞いています。タイでの状況はいかがでしょうか?

カムラープ:適切な人材を採用するには、辛抱強く取り組む他に手はありませんね。最初のうちは障害も多く、泣くことも多いと思います。CDPの構築に取り組むことは、ある意味自社のデジタルトランスフォーメーションを推し進めるようなものなわけですから、辛抱強く前に進むしかありません。誰も確実な道がわかりません。次々と新しい要件が出てくるので、素早く学び、前に進み続ける姿勢が大切です。

TD:ありがとうございます。トレジャーデータでは、仰ったようなビジネス要件と技術要件の橋渡しをできる人材の育成を支援するために、トレジャーアカデミーというトレーニングプログラムの提供を開始しました。このプログラムは日本で作成されたもので、これから英語版の提供を初めていくところです。また改めてご紹介しますのでご期待いただければと思います。

PDPAはリスクでもありチャンスでもある

TD:それでは最後にタイのPDPAについてお伺いしたいと思います。今回の完全施行への移行はタイのデジタルマーケティングにどのような影響を与えると思いますか?

カムラープ:顧客データを利用する企業にとっては、多くの問題が発生すると思います。多数のEメール配信やコールドコールを行う場合、施策に使える数が減るだろうと思います。消費者にリーチするデジタルマーケティングやCRM部署によっては、まず同意を取らなければならないので大きな問題、あるいはリスクとなります。また、同時にコストの面でもインパクトがあります。

PDPAへの対策として同意の管理やプライバシーポリシーの策定、データコントローラーとデータプロセッサー間の個人データ保護義務に関する契約などの対応のために世界的なコンサル企業に依頼をしています。PDPAへの対応には多大な努力とコストがかかると同時に、早期に対応をして早く同意を集める仕組みをつくる人たちにとってはチャンスにもなると考えています。オフラインで手間のかかるアナログな方法で同意を集める人たちよりも、デジタルな方法で迅速に同意を収集する人たちの方が遥かに優位になるでしょう。

自社のアプリやサイトを活用する場合は顕著です。マーケティングへのインパクトとして、最初はリーチが下がることでの苦しみがあると思いますが、迅速に適応し対策をとれる人々にとっては競合と差をつける機会になると思います。タイではCookieと広告識別子はまだ個人情報として定義されていないので、多くのマーケターは引き続き活用することができます。

TD:PDPAには曖昧な部分があると聞いています。今は手探り状態という印象を受けているのですが、皆さんはどのような状況で、PDPAの情報をどのように入手していますか?

カムラープ:そうですね、PDPAにはまだ曖昧な点が多いです。タイのPDPAとヨーロッパのGDPRを比較すると、GDPRは自然人や個人情報の定義について高いレベルで詳細な情報を提供していると思います。曖昧さは時を経て評価されるにつれて解消されていくと思います。しかしながら、それには時間がかかるのでビジネスにおいてはまだ個人情報と見なされないCookieや広告識別子を引き続き活用できるチャンスだと私は見ています。

TD:ありがとうございます。日本でも個人情報保護法の改正は大きな関心事となっています。このような規制への対応は、お客様が私たちに期待していることだと思いますので、私たちはお客様に適切なソリューションと情報を提供していきたいと考えています。

コロナウイルスがデジタル化を加速する

TD:一つだけ追加の質問をさせてください。日本ではコロナウイルスがデジタルトランスフォーメーションを加速させたと言われています。タイでも同様でしょうか?

カムラープ:コロナウイルスはタイでもデジタル化を加速したと思います。例えば、モバイルアプリの使用が加速されました。Eコマースアプリ、銀行や投資アプリ、オンラインデリバリーアプリなど、各分野でアプリの利用率が高まりました。オンラインビジネスが拡大し、それに伴ってデータも増えました。そして、各ビジネスはそのデータを将来のビジネスにおけるマネタイズに活用できると考えています。

DXはユースケースから始めよう

TD:私達は東京にいて、タイにはいませんので、現地がどのような状況にあるのかお聞きすることが出来て大変貴重な機会となりました。また、いただいたフィードバックはTreasure Data CDPをより良いプロダクトにし、お客様により良いサービスをご提供するための大きな手助けとなります。今日は非常に学びの多いお話を伺えたと思いますし、この記事を読まれる読者の皆様にとっても同様だと思います。貴重なお時間ありがとうございました。最後に、読者の皆様へデジタルトランスフォーメーションの実現に向けたアドバイスはありますか?

カムラープ:最も大事なことは、ユースケースだと思います。デジタルトランスフォーメーション自体はトレンドのことだと思っているので、デジタルトランスフォーメーションを始めるのというのではなく、まずユースケースから始めるべきだと考えています。私達の例のように、ビジネスの中でいかにデータを用いてマネタイズしていくかという視点です。マネジメント層はもっとデータのマネタイズ方法について議論すべきだと思います。

デジタルトランスフォーメーションではなく、マネタイズにフォーカスしたワークショップをデータのエキスパートと行うのも良いと思います。データのマネタイズのためのユースケースが定まれば、自ずと正しいデジタルトランスフォーメーションのアプローチがわかるはずです。

次に大切なのは、スモールスタートということです。データのマネタイズのための方向性を決めたら、次はそれを分解し、フィードバックが得られて小さく始められるものからスタートします。そしてクイックウィンが得られたら、それを大きくしていけばいいわけです。

3つ目は、データを活用する人たちのカルチャーだと思います。ユーザーがデータを使うメリットを感じなければ、誰もデータを使わず、投資は形だけのものになり、無駄に終わります。まずはユースケース、次にスモールスタートとクイックウィン、そして最後にカルチャーだと思います。

UserEngagement事務局

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