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ニューノーマルに求められるつながりの作り方

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人々の生活様式が大きく変化したニューノーマルの世界の中で、企業も顧客もデジタルシフトが加速しました。同時に、顧客とのデジタル上でのコミュニケーションが当たり前になり、顧客の取り合いも進んでいます。顧客とのつながりを維持することは当然のことながら、新たな顧客とのつながりを作り長くつながることが求められます。株式会社セールスフォース・ドットコム 熊村 剛輔 氏が、新時代に求められる顧客とのつながりをツールを用いてどう実現するかについて紹介しました。

※本記事はトレジャーデータ株式会社が主催した「PLAZMA After 3rd Party Cookie〜Cookie規制後のデータ活用とマーケティング 〜」(2021年5月開催)のセッション「ニューノーマルに求められるつながりの作り方」をもとに編集しました。

熊村 剛輔

熊村 剛輔 氏

株式会社セールスフォース・ドットコム

マーケティングクラウド本部エバンジェリスト 兼 ディスティンギッシュドビジネスコンサルタント

1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、大手ソフトウエア企業のウェブサイト統括とソーシャルメディアマーケティング戦略をリード。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括後、クラウドサービスベンダーにてエバンジェリストとなり現在に至る。

<目次>

デジタルマーケティングの歴史 ≒ “接点拡張”の歴史

今回は「つながり」というテーマをご用意いたしました。

テーマは「つながり」

「つながり」はデジタルマーケティングにおいて、実はいろいろなところで出てくる言葉です。例えば「つながりを作っていこう」、「つながりを維持していこう」、「つながった顧客に対して、体験を提供していこう」など、様々な形で「つながり」という言葉が出てくるものです。デジタルマーケティングの歴史は、「つながりを作る歴史」であったのではないかと思っています。

デジタルマーケティングの歴史は「つながりを作る歴史」

これまでのデジタルマーケティングの歴史は、顧客との間にデジタル上におけるつながりを模索してきた歴史だったのではないでしょうか。企業と顧客が少し離れた位置関係で存在し、デバイスやメディアといった何らかの接点が出てきたときに、その接点と顧客をつなぐ「何か」を考えていく。また新しく別の接点が生まれたときに、その接点との間につながりを作ろうとする。このように、企業は少しでも顧客とつながろうと、いろいろなつながりを模索してきました。いわば接点を拡張していく歴史が繰り返されてきたと言えると思うのです。

つながりを得るための手段としての“広告”

そのつながりを作るために何をしてきたか。これまで企業は多くの場合、「広告」というものを活用しながら、つながりを作ろうとしてきた歴史があったかと思います。

つながりを得るための手段

絵にあるように、様々な接点からお客様とのつながりを作るために、Cookieを用いてお客様の足跡を拾い集め、CDPにデータとしてためていく。そして、接点を介して得たCookieをためて広告を配信していきながら、つながりを何らかの形で作るということをこれまで繰り返してきました。

そういった中、到来したのが、ポストCookie時代です。

上記にあるやり方そのものが、いわば禁じ手と言われるような形になってきているご時世です。企業はこのような方法で、お客様とのつながりを作ってきたわけですが、「脱却」しないといけなくなってしまった。ともすれば、今すぐ脱却しなくてはいけない状況に立たされているかと思います。このポストCookie時代自体が、約1、2年前からささやかれてきたわけですが、適切な解をなかなか見いだせずにきたというのも現状かと思います。

新しいつながりを作るために、様々な方法論が試されてきているのも、また現在の縮図の一つです。

これからの“つながり”の作り方

これからの“つながり”の作り方

お客様の「ヒトとナリ」を理解、そして把握することが、これまでも大事でしたが、これから先は必要不可欠なものになってきます。「顧客」を中心に様々な接点で取り囲んでいるこの絵です。先ほどはCookieの絵が下にありましたが、今は「足跡」の絵に変わってます。接点に残された足跡を、企業が自分たちのCDPにためていくということが、まさに行われています。

接点を介して得た顧客データが非常に重要になっているというのが、今の状態です。例えば、顧客の手で直接入力されたデータは、接点を介して得た顧客データの典型的なものです。基本属性に相当するデータはもちろんのこと、アンケートやフォームに対する回答、さらには顧客の足跡も、十分お客様の「ヒトとナリ」を把握するために必要なデータです。

旧来使われてきたWebサイトのアクセスログ、メールの開封やクリック、アプリの起動、アプリの操作ログ、SNS上の発言や反応に加えて、近年オフラインの場での足跡がお客様の「ヒトとナリ」を見極めるための非常に重要な要素になってきています。

何のためのデジタル化か?

特に海外事例などをみると、デジタルマーケティングのトレンドとして、実店舗において、様々な顧客接点をどんどんデジタル化していくという動きが顕在化してきています。

例えば店頭におけるデジタル端末、棚などにインテリジェンスを持たせ、お客様が店内を回遊するときに発生する様々な動作・行動をつぶさにデジタル化していくというような取り組みが行われています。

これまでデジタル上に接点を作る、あるいは接点をデジタル化させるというのは、デジタル的な顧客体験を提供するというやり方だけにとどまっていたと思いますが、海外事例を紐解いてみる限り、デジタルマーケティングのトレンドは明らかに変わっています。店頭における接点のデジタル化は、体験を提供するためのデジタル化ではなく、あくまでデータをきちんと取得するためのデジタル化に変わってきています。いわばそれだけデータが大事である、特にオフライン上の行動データが非常に大事になっているということが言えます。

そのような行動データ、特にオフライン上で得られる膨大なデータをどのように顧客という「人軸」でつないで、管理するかが問われるようになってきました。それが今のCDPの活用において、よく用いられている方法ではないかと思います。

これまでであれば、サードパーティCookieなどを介して、プライベートDMPの延長のような形でCookieを溜め込む入れ物としてCDPが用いられているケースが少なからずあったかと思います。

しかし、これから先、新しいつながりを作っていくためには、様々な足跡をきちんとデータとして管理していかなければならない。それを管理するものとしてのCDPの質、そしてパフォーマンスが非常に問われてきているといえるでしょう。

データで一人ひとりに合った“一貫した体験”を提供する

オンライン/オフライン問わずあらゆる顧客接点から得たデータを元に、お客様の姿を見極めることが今非常に重要になっていますし、一人ひとりに合った「体験」を提供することが、非常にリアルかつ、シビアな形で求められてきているのも、今のデジタルマーケティングの特徴の一つかもしれません。

そして一人ひとりに合った「体験」を提供するにも、データ活用が非常に重要度を増しています。例えばマーケティングならマーケティングの領域だけ、コマースならコマースの領域だけ、あるいは営業なら営業、サービスならサービスというような、提供する企業やブランド、組織の都合で切り分けられた「体験」ではなく、様々な部門が一丸となって1人のお客様に対して一貫した体験を提供していく必要があるためです。

顧客接点を通じた体験の提供

具体的にどのような体験を提供してるのかというと、上記にあるとおりです。Webサイトを訪問したときに、その顧客に関係のあるコンテンツを表示するのはもちろんのこと、顧客がECサイトを訪問したときに、その顧客が欲しいと思ってるアイテムを表示させたり、あるいはWebサイトで閲覧者商品に関連するトピックのメールを配信したり、チェックしている商品が値下がりしたらアプリなどでプッシュ通知をしたりといった体験があります。他にも、今の先進的な企業やブランドは、こういった体験をオンラインだけではなく、オフラインの世界でもシームレスなかたちで提供できる状態を作ろうとしています。

例えば、ある特定のWebページを見たお客様が実店舗に来たときに、そのWebページで見た情報の続きが得られるようにしたり、店頭で体験した内容がそのまま自宅にいる時にその延長線上で体験できたりといった、一貫した体験提供がまさに目指すべきところです。今や接点をまたいだ形での体験提供が、シビアに問われているのが現状かと思います。

なぜ新しい“つながり”が求められるのか?

このように新しいつながりが求められる背景には、カスタマージャーニーそのものが非常に複雑化してしまったということと、コマースと言われるものの領域が非常に拡大したことがあります。

これまで「カスタマージャーニーってなんですか」と聞かれたときに、皆様が多分イメージするのは、認知から始まって、その後情報を比較検討していき、実店舗に来店するなどして、購買して、最後にシェア というような、左側にある「認知」という矢印がそのまま右に一直線に伸びていって、最後「購買」で終了する流れになるようなものではないかと思います。

ただ、実際に皆さんが買い物をするときに、本当にこういう過程を踏まえていますか?胸に手を当てて考えてみると、たぶん違うのではないでしょうか。今の実態を表しているジャーニーは、こうなってくるのではないかなと思います。

認知から始まり、興味関心を持ち、情報を収集していって、比較検討しますが、結局買わないというパターンです。散々悩んで買わない。この段階ではまだお客様になってないので、ここであえて「まだ見ぬ顧客」といいましょう。ただ皆さんも、この散々悩んで結局買わないという経験は、かなりあるのではないかと思います。

またしばらく時間を置いて寝かせて、また何かの刺激で興味関心が頭をもたげてきて、また情報収集するのですが、また買わない。あるとき、背中を押されてまた調べ始めて、今度こそ買おうと思いつつ、調べている丁度その時、背中を本当に押してくれる瞬間、決定的瞬間が訪れます。例えば家庭内で稟議が下りた、臨時収入が入った、周りの友人が買ったので勢いがついた などいろいろあると思います。これがまさにMOT(Moment of Truth)、「決定的瞬間」とも言いますが、背中をちょんと押してあげることで、お買い上げにつながる瞬間です。

新しいつながりが求められる背景

購買はゴールではなくスタート

今までのカスタマージャーニーでは「購買」がゴールになっていたのですが、スライドの中央に「購買」があるというのを見てお気づきの方がいらっしゃるかもしれません。右側にももう1つ定着化、安定継続、再活性化をぐるぐる回るサイクルがあります。お客様になってから、どれだけ回っていただけるかが非常に問われています。

まさにサブスクリプションモデルでは、購買や契約がゴールというよりはむしろスタートで、右側でどれだけぐるぐる回っていただけるかが鍵になります。このようにカスタマージャーニーがだんだん複雑化してきています。今までコマースであれば「購買」の領域だけカバーすればよかったはずです。

しかし、コマースのカバーすべき領域はどんどん広がってきています。今までは購買体験だけをきちんと管理して、最高のものを提供すればよいという話でしたが、購買に至るまでの過程も気にしなくてはならなくなりました。さらに、購買の後、2回目・3回目と継続して買ってもらうためにはどうすべきかまでを、コマースという観点で見ていかなくてはならなくなりました。

獲得系施策とリテンション系施策の間にある溝

マーケティングも同様です。マーケティングにおいても、この部分をカバーする必要が出てきました。購買領域の顧客体験を管理するには、セールスフォースのSalesforce Commerce Cloudがあります。このCommerce Cloudが最近よくCDPの活用と同列で語られるようになってきたというのが、実は私が今回お話している経緯でもあります。

なぜかと言いますと、本来であれば、この右側にある現在の顧客のループをぐるぐる回っているお客様というのは、言い換えれば「ライフタイムバリューが非常に高いお客様」です。

このライフタイムバリューが非常に高いお客様を、新規顧客として獲得できたらいいなと思いませんか?ただ理想はそうであっても、現実はなかなかそうはいかない。ここに断絶があるのです。獲得系とリテンション系の施策のギャップというのが生まれてくるわけです。

獲得と維持における断絶

なぜかというと、この両者は担当する部門が違います。データも断絶していれば、部門も断絶しています。本来であれば既存顧客をロイヤル化させるためのKPIに則って、ライフタイムバリューを高めていきます。そのループにきちんと乗っかってくださったライフタイムバリューの高いお客様は、本来きちんと獲得していくべきお客様像です。しかし、実際のところ新規獲得は、断絶されがちです。新規獲得のためのオーディエンス像やKPIがバラバラになっていることは多々あります。

CDPが求められる理由:複雑化したカスタマージャーニーを包括する

データの断絶から生まれる目標と結果の乖離

本当であればここがシームレスにつながってくればいいわけですが、そのためには、例えば購入頻度や購入単価、Webのコンテンツの視聴時間、サイトの滞在時間、商品やコンテンツサービスだと顧客の好みなど見なくてはいけないデータが諸々あるわけです。

そうしたライフタイムバリューの高いお客様像から逆算して、我々が獲得すべきお客様はどのようなお客様なのかを、明確に数字で定義してあげながら、その数値に合うお客様を獲得系の施策でどんどんお招きしていかなければなりません。

LTVが高い顧客情報を新規獲得に生かす

そのためにCDPが強く求められてきます。複雑化したカスタマージャーニーを包括し、ライフタイムバリューの高いお客様を獲得するために、CDPはこれから大きな威力を発揮してくると思います。言うならば、これまでDMPによってカバーされてきた領域が、獲得系の部分だとすれば、これから先、CDPによってカバーすべき領域はこれだけ広くなってきているのです。

CDPが求められている理由

この中心にはコマースがあり、それがゆえにコマースとCDPの親和性というのが今問われてきているというのです。

「顧客化前」から「顧客化後」まで

セールスフォースにはCommerce CloudだけでなくMarketing Cloudもあります。「まだ見ぬお客様」に対して、オーディエンスを作成してセグメント化していく、「認知」段階の広告管理系のソリューションもあります。

顧客化前のCRM

興味関心を持って、情報収集して、比較検討して、ぐるぐる回るというカスタマージャーニーを設計するソリューションもありますし、それぞれの顧客接点をきちんと管理していくツールもございます。これらがいわゆるMarketing Cloudといわれる名のもとに、「顧客化する前」のCRMを具現化していくものです。

そして販促活動、Moment of Truth、決定的瞬間を捉えて、背中を押して購買いただく。その決定的瞬間を捉えて背中を押す要素として、Interaction Studioというものがあり、購買というところではCommerce Cloudがあります。

ここまでの施策等を統合分析するツールとしてDatoramaもあります。「顧客化した後」は、CRMの核を、Service Cloudで持ちながら、全体としてのつながりをMarketing Cloudで作っていくといったような、ディープなCRMで、ライフタイムバリューを向上していくということができます。

顧客化前後のCRMでライフサイクルをフルサポート

これらを一気通貫でやっていくために、非常に複雑なデータをきちんと管理していく足まわりがもちろん不可欠になってきます。特にこのコマースは、ここから先どんどんマーケティング領域に広がっていく形になるわけですが、そのような事業者の皆様において、これから先CDPがすごく大きな威力を発揮してくれるのではないかと思っています。

Q&Aセッション

セッション内容を受けて、トレジャーデータの安永が、熊村 剛輔 氏に質問しました。

QAセッション

Q. サードパーティークッキーが使えなくなった世界において、マーケティングおよびECは、どのような形に変わっていきますか?

A. 「ようやく」というのは語弊があるかもしれませんが、本来しなければならないことを愚直にやらなければならない時期が来たのかなと思います。例えて言うなら、これまでサードパーティーCookieをベースにしながら広告を様々なところに配信していくような施策というのは、人の多いところに出向いていって、チラシを撒いてくるような感覚だったのではないでしょうか。

それがその町の条例で、「もうここでチラシを撒いちゃいけないよ」と言われた。ではどうするか。お店でお買い上げいただいてるお客様がどういう方なのかというのをきちんと見極めた上で、そういう方々がいるところに出向いていって、一人一人にきちんとコミュニケーションをとりながら、「うちに来ませんか」と言わなくてはならなくなったと思っています。まさにそれが、オンラインのマーケティングの世界、コマースの世界にも同じような形で波及してきたのではないかと思います。

Q.今、全世界で、新型コロナウイルスの影響が非常に大きくなっています。セールスフォースのサービスをご利用されているお客様に大きな変化、ニーズの変化はありますか?そしてお客様はどのように対応しているのでしょうか?

A. まず、このコロナ禍中において何が変わったかについてですが、一つ明確なものは、これまで何年もかけて行おうとしてきた、もしくは行ってきた「DX」が一足飛びにこの1年ぐらいで実行できてしまったということが言えます。。

これまで実店舗だけでビジネスされていた企業であったとしても、これから先はカスタマージャーニーをデジタルで始めていかなければならない。要するにデジタル起点のカスタマージャーニーというのが、当たり前になってくると感じていらっしゃる企業が非常に目立ってきているような印象です。

私たちもこの1年間はおそらく人生で最も「検索した1年」だったのではないかと思いますが、この1年で起こったことは何か。それは結局、最終的に購買される場所が、実店舗ということもあると思いますが、私たちはデジタル上に接点のある企業やブランドと関わりを持ち、ともすればデジタル上で、購買ができるお店で買い物をしてるわけです。

こうした変化によって、必要性に迫られた事業者、例えば、ECを持っていない企業であれば、ECを構築することは当然出てきました。また、例えばインフラ的な基礎体力などに若干不安を持たれている企業の場合であれば、急にトランザクションが増えたときのための備えとして、今以上に基礎体力を上げていくようなことを考えられたりもしています。そういう意味ではコロナ禍ではコマースに関する意識の変化が非常に大きかったように思います。

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本記事はトレジャーデータ株式会社が主催した「PLAZMA After 3rd Party Cookie〜Cookie規制後のデータ活用とマーケティング 〜」(2021年5月開催)のセッションをもとに編集しました。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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