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ZOZO×トレジャーデータで挑む、ビッグデータを活用した新しい広告事業|株式会社ZOZOテクノロジーズ

CASE STUDY|株式会社ZOZOテクノロジーズ
開発部データチーム エンジニア 大谷 潤氏

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日本を代表するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を中心に、ビッグデータを駆使してビジネスを拡大しているZOZO。今年に入り、Treasure Data CDPを導入してビッグデータ活用をさらに強化し、新たなビジネスに挑戦しているという。ZOZOは、Treasure Data CDPをどのように活用し、そしてどのような価値を生み出そうとしているのか。同グループの技術開発を担う株式会社ZOZOテクノロジーズ 開発部データチーム エンジニアの大谷 潤氏が紹介した。

ビッグデータを活用した、広告事業への挑戦

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日本を代表するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を中心に、ビッグデータを駆使してビジネスを拡大しているZOZO。今年に入り、Treasure Data CDPを導入してビッグデータ活用をさらに強化し、新たなビジネスに挑戦しているという。ZOZOは、Treasure Data CDPをどのように活用し、そしてどのような価値を生み出そうとしているのか。同グループの技術開発を担う株式会社ZOZOテクノロジーズ 開発部データチーム エンジニアの大谷 潤氏が紹介した。

ビッグデータを活用した、広告事業への挑戦

大谷氏はまず、ZOZOのビジネスとそこから生まれるデータについて紹介した。同社は、1200以上のショップ、7000以上のブランドを取り扱い、常時73万点の商品数(全て2019年5月末時点)を展開する日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」、そして1300万以上のダウンロードを達成し800万件以上の投稿(全て2019年5月末時点)を集めているファッションコーディネートアプリ「WEAR」を中心にビジネスを展開し、ファッションに敏感な人々を中心に絶大な支持を集めている。

『「ZOZO」ビッグデータ×トレジャーデータ×広告』Xase study セッション模様

ビジネスを拡大してきた過程で集まったデータは、約1億件の購買データ、約3000万件のブランド公式商品データ、約1000万件のコーディネートデータ、約2300万人分のユーザーデータをはじめ、ブランド情報、店舗情報、ランキングデータ、物流関連データ、サポート関連データなど多岐に渡り、同社でこうしたデータからユーザーインサイトを分析し、顧客体験を磨いてきたのだという。

そのZOZOが、新規事業として力を入れているのが広告事業だ。 大谷氏によると、ZOZOでは出店しているブランド向けにZOZOTOWNの検索結果に広告枠を用意して商品訴求できる「ZOZOAD」や、「WEAR」アプリで広告やタイアップが展開できる広告商品を展開し、広告収益の柱になっている。そして現在は、Treasure Data CDPを活用したセグメント配信の仕組みづくりに注力しているという。具体的には、同社のビッグデータ基盤からデータを抽出し、Google、Facebook、Instagram、YouTube、Twitter、Criteoなど様々な広告プラットフォームに接続して広告をセグメント配信。きめ細かいセグメントを設定することにより、比較的低予算でターゲットユーザーにリーチ可能になるのが利点だ。

大きな強みは、ZOZOTOWNのリアルな閲覧・購買データを活用してピンポイントでターゲティングができる点。従来のDSPでは推定セグメントなどを使いユーザーのターゲットはぼやけてしまうが、ZOZOのDSPは『この人に広告を出したい』というレベルまで絞り込みができる(大谷氏)。

例えば、「直近3か月以内にある商品をかご落ちさせたユーザー」「ブランド新規でプロパー価格購入ユーザー」「セール品の購買比率が平均より高いユーザー」など細かい条件付けをすることで、広告のターゲットとのマッチング精度を高めていくことができる。ZOZOのDMPと広告主のDMPを連携して施策を展開することも可能だ。

ユニークなところでは、雑誌に掲載されているアパレルブランドでセグメントができるという機能。例えば、40代女性向けファッション誌によく掲載されているブランドを好んで閲覧・購買している人にセグメントするというものだ。社内で独自にファッション誌と掲載ブランドのマッピングを作成して実現した(大谷氏)。
DSP説明図:検索・遷移先・購買など多様なデータを駆使することで柔軟なオーディエンス設計が可能。
・ある商品を直近30日寛に閲覧したユーザー
・直近3ヶ月以内にコートをカゴ落ちさせたユーザー
・ブランド新規でプロパー価格購入ユーザー
・セール品の購買比率が平均より高いユーザー
・過去1年間の購買金額トップ10%のユーザー

ZOZOの広告ビジネスを支えるデータ基盤

では、こうしたプロダクトはどのようなデータ基盤によって支えられているのだろうか。大谷氏はZOZOのデータ基盤の変遷について説明した。

2018年にオンプレミスからクラウド環境に移行したというZOZOのデータ基盤。現在はGoogle BigQueryとTreasure Data CDPをそれぞれが得意とする領域で活用しているのだという。

具体的には、基幹DBからGoogle BigQueryへのデータ連携にはトレジャーデータの「digdag」と「embulk」を用いて実現。Google BigQueryにあらゆるデータを集約し、機械学習やBIツールを活用して分析・可視化を実現しているという。一方、「トラッキングログの反映が短時間で行われるので、鮮度が求められる用途にアクセスログを活用できる」と大谷氏が評価するTreasure Data CDPは、アクセスログとGoogle BigQueryのデータマッピングとユーザーのセグメント管理、トレジャーデータの外部連携ツール「Integration Hub」を活用した広告プラットフォームへのデータ入出力を中心に活用しているという。

ZOZOでは、Google BigQueryとTreasure Data CDPをそれぞれの強みを活かして使い分けしている。Google BigQueryはクエリ処理が高速でGoogleの機械学習系プロダクトと親和性が良いので基幹系の分析に活用し、Treasure Data CDPはアクセスログの収集が高速でIntegration Hubを使えばコーディングなしで外部とのデータ連携ができるため、データハブとして活用している。どちらもフルマネージド環境のためインフラ面の負担も少ない。両者を活用することで、より速くデータを集め、より速く分析し、より速くビジネスへ貢献することを重視している(大谷氏)。

そして大谷氏は、Treasure Data CDPを運用することで、Google BigQueryから抽出したセグメントデータをどのように広告配信に活用しているか、またユーザーから収集したGoogle広告IDをTD Global IDとマッピングしてセグメントを抽出することで、従来のメアドHush/IDFAよりも鮮度良くダイレクトなマッチングが可能になった事例、そしてこうしたIDのマッピング、セグメントに応じたユーザーデータの更新といった作業を自動化できるトレジャーデータのツール「Workflow」の活用などについて、具体的なスキームを紹介した。

プロセスを自動化することで広告運用の省力化が実現し、50種類を超えるオーディエンスセグメントの連携運用を、プランニングするマーケター、セグメントを作成するアナリスト、システムを設定するエンジニア、広告配信設定とレポートを担当するオペレーターという最小4名による運用で実現できた。今後は、『ZOZOTOWN』『WEAR』を分析して得られたインサイトを活用し、ユーザーの行動特性、需要予測を踏まえた広告配信を実現したり、オーディエンス拡張の強化、広告効果の定量評価等に取り組んでいきたい(大谷氏)。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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