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クレディセゾンが Arm Treasure Data eCDP導入の先に描く未来

CASE STUDY|株式会社クレディセゾン

クレジットカードや銀行をはじめとする金融ビジネスを展開する企業のマーケティング担当者にとって、日々蓄積される様々なデータをどのように活用するかは大きなテーマだ。中には、データを活用する以前に、まず社内に散在するデータをどのように管理して活用する基盤を作るかという課題に直面して頭を抱えてしまっている担当者も少なくないのではないだろうか。

「セゾンカード」、「UCカード」を展開するクレディセゾンは、データを活用したマーケティングの変革において、先進的な施策にいち早く取り組んできた企業のひとつだ。現在では約2,700万人のセゾンカード・UCカード会員、約1,500万人のネット会員で年間約5兆円の取扱高を誇るクレディセゾンは、今や業界では常識となっている「年会費無料」「カード即日発行」「サインレス決済」といった仕組みを業界に先駆けて導入。そして、会員向けポイントサービス「永久不滅ポイント」で独自の経済圏を構築し、オンラインポイントモール「セゾンポイントモール」(旧「永久不滅.com」)は2006年から展開している。

本来、クレジットカード業界は顧客の属性データやカード利用によって蓄積される決済データという資産を、堅牢なデータウェアハウスによって長年に渡って厳重に管理してきた。新たに、Arm Treasure Data eCDPを導入することによって、どのような化学反応を生み出そうとしているのだろうか。

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クレジットカードや銀行をはじめとする金融ビジネスを展開する企業のマーケティング担当者にとって、日々蓄積される様々なデータをどのように活用するかは大きなテーマだ。中には、データを活用する以前に、まず社内に散在するデータをどのように管理して活用する基盤を作るかという課題に直面して頭を抱えてしまっている担当者も少なくないのではないだろうか。

「セゾンカード」、「UCカード」を展開するクレディセゾンは、データを活用したマーケティングの変革において、先進的な施策にいち早く取り組んできた企業のひとつだ。現在では約2,700万人のセゾンカード・UCカード会員、約1,500万人のネット会員で年間約5兆円の取扱高を誇るクレディセゾンは、今や業界では常識となっている「年会費無料」「カード即日発行」「サインレス決済」といった仕組みを業界に先駆けて導入。そして、会員向けポイントサービス「永久不滅ポイント」で独自の経済圏を構築し、オンラインポイントモール「セゾンポイントモール」(旧「永久不滅.com」)は2006年から展開している。

本来、クレジットカード業界は顧客の属性データやカード利用によって蓄積される決済データという資産を、堅牢なデータウェアハウスによって長年に渡って厳重に管理してきた。新たに、Arm Treasure Data eCDPを導入することによって、どのような化学反応を生み出そうとしているのだろうか。株式会社クレディセゾン 取締役 デジタル事業部長 兼 デジタルマーケティング部長の磯部泰之氏(左)、デジタルマーケティング部担当部長の吉田学氏(右)、デジタルマーケティング部メディア企画課の田中泉氏(中)にお話を伺った。

前例に囚われず、最先端のサービスを顧客に提供したい

スマートフォンが拡大のきざしを見せはじめた2011年、「変化する市場環境のなかで、ネットを活用して新しいチャレンジをしなければ」(磯部氏)という思いでデジタル事業部を立ち上げたクレディセゾン。データを活用したマーケティング施策の実現は、デジタル事業部の立ち上げとともに大きなテーマとなったという。

「世の中ではまだDMPという言葉が一般的ではなく、スマートフォンを活用したビジネスもまだ黎明期という状況で、クレディセゾンが保有する様々なデータを、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム:かつてのプライベートDMP※)を介してマーケティングに活用しようと考えた」と磯部氏は当時を振り返る。

クレジットカード会社がなぜCDPを活用しようと考えたのか。それは、広告施策を最適化してカード会員獲得を効率化しようという単純なものではなかったという。「カード決済データ、セゾンポイントモールの利用データ、Net会員のWebログデータなど、それぞれのデータをひとつのデータベースで統合管理して、新規事業の構築やマーケティングにおけるデータ活用を強化したいと考えた。そのためには、しっかりとCDPを構築する必要があった」と磯部氏は語る。

しかし多くの企業において、長年運用してきた旧来の仕組みややり方を大きく転換したいと考えても、それが社内の他部署を巻き込む際に理解・協力を得ることは決して簡単なことではない。しかし、クレディセゾンにおいてデータ活用の変革を実現したのは、同社がこれまで一貫してきた先端サービスへのチャレンジ精神なのだという。「CDP導入という挑戦を許してくれたのがクレディセゾンの社風だと言える。顧客サービス向上のためには前例や固定概念に囚われず、最先端の技術でより便利でお得なサービスを顧客に提供していくという姿勢が、CDP導入を実現する追い風になった」(磯部氏)。

Arm Treasure Data eCDPの導入で、データ活用は新たなステージへ

クレディセゾンは2016年からすでにプライベートDMPを導入していたが、その後、2018年3月にArm Treasure Data eCDPを導入することによって、大きな進化を遂げることになる。データの分析・活用の利便性を高めることによって、データ活用の幅を広げることに挑戦したのだ。

当初は、スクラッチで独自にCDPを構築することを考えたが、ゼロからデータ活用基盤を開発することは、決して簡単なことではない。そこで、トレジャーデータの導入に至ったのだそうだ。「トレジャーデータを活用したほうが効率よく素早く環境構築ができると考えた。開発コストと実現できる価値、そしてトレジャーデータ側で新規機能の追加やアップデートが行われるので、欲しい機能が手間なく導入できる点が決め手となった」(吉田氏)。

現在クレディセゾンでは、関係会社でシステム構築・運用事業を行う「セゾン情報システムズ」や、クレディセゾンが2017年に100%株式を取得したアドテクノロジー企業の「オムニバス」の協力を受けながら、社内の5~6名でArm Treasure Data eCDPを運用。「本格的な活用はこれから」(吉田氏)としながら、トレジャーデータが提供する機械学習の仕組みを活用するなど、データを利活用するための環境を社内に構築することができたことによって、データ活用の幅が大きく広がっているのだという。

「データは、セゾンポイントモールのサイト内広告展開や紙のダイレクトメールなどにも活用している。これから、クレディセゾンが保有するデータに様々なデータを掛け合わせることによって、顧客が必要としている情報をOne to Oneで届けたい」(吉田氏)。

一方、運用面ではCDPの運用を完全内製化できたことで、作業効率化を実現できたのだという。「セグメントビルダーなどの機能を活用することで、データの分析と施策の考案をワンストップでできるようになったことが大きい。GUIで操作できるので、運用がしやすい。Arm Treasure Data eCDPを活用することで、個人情報を安全に保護しながらデータをもっと可視化できる世界を目指したい」(田中氏)。

日本のリテールマーケティングの“進化”を支援したい

では、クレディセゾンはArm Treasure Data eCDPを活用することによって、どのような未来を描こうとしているのか。磯部氏が語ったのは、カード会社のアセットを活かした加盟小売店やメーカー企業のマーケティング支援の追求だ。

経済産業省がまとめた「平成29年度 電子商取引に関する市場調査」によると、日本国内のEC市場は16.5兆円と成長を続けており、その半数にあたる8.6兆円が物販分野だ。しかし一方、物販分野のEC市場はAmazonに代表される大手ショッピングサイトが消費者から圧倒的な支持を受け、寡占化の兆候を見せているのも現実。圧倒的なビッグデータを活かしたレコメンデーションの実現だけでなく、高いブランド力によるプライベートブランドの商品開発やオフライン店舗の展開などにも進出しており、既存のメーカーや小売業にとっては脅威となっている。

磯部氏は、クレディセゾンが保有するリソースを活用し、小売業やメーカー企業と共に日本のマーケティングを進化させる手助けができないかと考えている。市場を席巻する大手ショッピングサイトは、膨大なデータを高度なテクノロジーによって活用し、またグローバルのスケールメリットを活かして、コストパフォーマンスの高い商品や優れた顧客体験を生み出している。こうした小売業やメーカー企業にとっての“脅威”に対して、クレディセゾンができることは、カード会社ならではの正確な顧客属性情報とオンライン・オフラインを横断した購買ビッグデータの活用。そして、加盟店や小売業とのアライアンスネットワークだ。セゾンカード・UCカードの決済情報を通じて、小売店やメーカー企業が把握できない消費者のインサイトに迫り、徹底的な顧客中心主義のマーケティングを支援したい」(磯部氏)。

クレディセゾンが自社のデータマーケティングの先に見据えているもの、それは日本のリテールマーケティング全体の進化だ。Arm Treasure Data eCDPの運用を本格化させるクレディセゾンの挑戦に、目が離せない。

※トレジャーデータでは、データマーケティングの基盤としてかつてより呼ばれているプライベートDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)のことを、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)に統一して呼称しています。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。クラウド型データマネジメントソリューションを提供しています。日本では2013年から本格的に事業を展開し、デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメションの根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングに導入いただいています。
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