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データをフル活用したオムニチャネル戦略で挑む、スポーツアパレルの顧客接点改革|株式会社デサント

CASE STUDY|株式会社デサント
グローバルデジタルビジネス戦略室 室長 古井戸 一郎氏

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スポーツアパレルブランドの「デサント」で知られる株式会社デサント(以下、デサント)では、顧客との接点を見直し、それぞれの接点をつないだ接客ができるよう改革に取り組んでいます。その際に必要となるデータ管理や分析にTreasure Data CDPを採用し、他社とのデータエクスチェンジも実施することで、新たな小売の世界を切り開こうとしています。2019年に開催された「PLAZMA 2019 JAPAN IT Week 春」にて同社 グローバルデジタルビジネス戦略室 室長の古井戸一郎氏が語った内容から、次の時代のスポーツアパレルが打つ手を明らかにしていきます。

卸売、直営店、ECのオムニチャネル化を推進

1935年に創業したデサントは、スポーツウェアをはじめとするスポーツ関連商品の製造と販売を手がける企業だ。取り扱うブランドは、フランス生まれの「ルコックスポルティフ」や、水泳を中心としたウォータースポーツ向けの「アリーナ」、ゴルフウェアの「マンシングウェア」をはじめ、10以上にのぼる。

2010年のバンクーバー五輪では、日本代表選手に提供するウェアも手がけた。これを一般向けに「水沢ダウン」として開発し販売した際には、1着十数万円という高価格の商品にもかかわらず大ヒットしている。同社の2019年3月期の業績は、売上高が1424億円、うち国内の売上が568億円となっている。

デサントでは、量販店への卸売販売と、同社が自主管理売場と呼ぶ直営店および直営ECサイトでの販売、そして百貨店での販売という3つの販売チャネルを抱えている。古井戸氏によると、国内における直営店およびECでの販売は現状で全体の約20%程度。「この直営店とECをそれぞれ強化しつつ、双方を融合したオムニチャネル化を推進することで、同チャネルでの販売比率を40~50%にまで高めることを目指しています」と古井戸氏は説明する。

顧客接点をポイントではなく一筋の線へ

自主管理売場での販売比率向上に向け、デサントでは顧客接点を整理した。同社にとって顧客接点となるのは、オフラインからオフライン、オフラインからオンライン、オンラインからオフライン、オンラインからオンラインの4種類だ。インターネットが普及した現代社会では、オフラインからオフラインの接点を考慮することも少なくなったが、「例えばあるイベントから別のイベントに送客することもあり、今でもこのオフラインからオフラインへの接点は重要です」と古井戸氏。これらすべての接点を単なるポイントとして見るのではなく、「ポイントとポイントをつないで線にしていく必要があります」と古井戸氏は語る。

顧客接点をつなぐO2O(オーツーオー)説明図

例えば、ランニングイベントで実施した会員獲得キャンペーンで会員になった人に対しては、ランニングに関するさまざまな情報を提供すると共に、ランニングウェアなどの商品を提案する。その後、店舗やECでの商品購入につながった場合は、ウェアやシューズのお手入れ方法に関する情報を提供するといった具合だ。

「見込み客から顧客へと遷移させるには、会員の行動履歴や購買データをしっかり運用管理し、適切なチャネルで適切な情報を届けることが重要です」と古井戸氏は語る。デサントではまだ完全にこのような仕組みを実現できていないというが、「より良いデータ活用を目指し、CDPを採用しました。今後データをうまく活用し、お客様に対する最適なコミュニケーションを実現していきたい」と語る。

実店舗での顧客接点のあり方を考える

古井戸氏は、実店舗での顧客接点についても語っている。ここで鍵となるのは、「顧客について知るタイミングを変える」ことだという。

例えば、精算時になってようやくポイントカードやダイレクトメールを提示してもらうのでは、お客様が何を求めているのかわからないまま接客することになりかねない。そこで、接客の早い段階でポイントカードなど個人が特定できるものを提示してもらい、顧客の購買履歴や好みなどを把握したうえで接客に生かすことが重要だとしている。

接客時に顧客情報を引き出すには、デジタルツールを活用すると効率的だ。例えばスマートフォンのアプリにプッシュ通知でクーポンを届け、店舗に到着した際にチェックインすればクーポンが有効になるようにすると、顧客が能動的にチェックインする可能性が高まる。アプリを使うことで、ポイントカードやダイレクトメールでは把握できない行動履歴も把握できる。こうした情報はすべて接客に生かすことができる。

顧客接点 "店舗での接客" 2020年に目指すこと|
1. 来店(アプリ・チェックイン)
2. お客様を知る(氏名・デモグラ・購入履歴・行動履歴)
3. もっとニーズに合った接客
4. 購入

在庫がなくても購入につながる販売改革へ

さらに古井戸氏は、店舗に在庫がない場合でも、顧客に安心して買い物をしてもらえるような販売改革を目指していると語る。

通常、実店舗は物理的制約があるため、1つの商品につきすべてのサイズや色をそろえることはできない。青色のMサイズを求めている顧客が来店した際に、その色・サイズが在庫になければ、商品を取り寄せて数日後に再度来店してもらう必要がある。古井戸氏は、「この仕組みを変えたい」という。

そのためには、「顧客の求める色・サイズがなくても、別の商品で同じ色やサイズのものを用意し、色合いや質感を確認してもらいます。それで納得してもらえれば、その場で会計を済ませ、取り寄せた商品を直接お客様の自宅に発送するといったことが可能です」と古井戸氏。こうすることで、顧客に再度足を運んでもらう手間が省けることはもちろん、店舗での品揃えに対する考えも変わってくる。

これまでのように売れ筋の色やサイズのみ大量に在庫を抱えるのではなく、少量でも全色・全サイズが確認できるよう商品を並べることで、ユーザーがECでは不安だったサイズ感や質感などを確認できるため、好みの色やサイズの在庫がなくても販売につながり、小規模店舗でも売上を伸ばすことが可能になる。

こうした改革を実現するには、現在個別に管理しているリアル店舗とECの在庫を統合管理し、バックエンドでの在庫オペレーションを変更する必要がある。古井戸氏は、今後この手法の実現に向けた活動に取り組んでいくと述べている。

顧客接点 "店舗での売り方" 実現するために|在庫オペレーションの変革説明図

他社のユーザーの行動データと掛け合わせて興味深い発見も

顧客接点をつなぎ合わせると、必ずデータが発生する。そのデータを一元管理し、分析して活用するために、デサントではTreasure Data CDPを採用している。

古井戸氏は、Treasure Data CDPを使うことの大きなメリットとして、Treasure Data CDPのユーザー企業間が合意のもと、データのやり取りが可能となるデータエクスチェンジ機能を挙げる。デサントでも、この機能を利用して別業界の事業会社とデータのやり取りを試している。すると面白いことがわかったという。

「先方の企業のWebサイトにアクセスするユーザーは、商品1と2をよく閲覧し、商品3~5はあまり閲覧しない傾向にありました。ところが、同社のサイトにアクセスしたユーザーの中で、デサントのサイトも訪問しているユーザーのデータを突合したところ、デサントのルコックスポルティフというブランドのスポーツウェアを閲覧している人は、先方企業の商品の中でも閲覧数が少ない3~5の商品をよく見ていることがわかったのです。この結果には先方のマーケティング担当者も驚いていて、両社でコラボレーションできるのではないかという話になりました」(古井戸氏)
TREASURE DATAの活用事例|異なる業界の事業会社とのWebサイトアクセスログの突合説明図
Data Drivenな仕事改革|活用事例3説明図

両社のデータを突合して分析することで、思いもよらなかったインサイトを引き出すことができたと古井戸氏。このことで両社は、共同イベントの開催やプロモーション活動、関連チャネルでの商品開発や販売の可能性について検討しているという。古井戸氏は、「Treasure Data CDPを使うことがあれば、ぜひデータエクスチェンジを活用してください。デサントとのデータエクスチェンジも大歓迎です」と呼びかけた。

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スポーツアパレルブランドの「デサント」で知られる株式会社デサント(以下、デサント)では、顧客との接点を見直し、それぞれの接点をつないだ接客ができるよう改革に取り組んでいます。その際に必要となるデータ管理や分析にTreasure Data CDPを採用し、他社とのデータエクスチェンジも実施することで、新たな小売の世界を切り開こうとしています。2019年に開催された「PLAZMA 2019 JAPAN IT Week 春」にて同社 グローバルデジタルビジネス戦略室 室長の古井戸一郎氏が語った内容から、次の時代のスポーツアパレルが打つ手を明らかにしていきます。

卸売、直営店、ECのオムニチャネル化を推進

1935年に創業したデサントは、スポーツウェアをはじめとするスポーツ関連商品の製造と販売を手がける企業だ。取り扱うブランドは、フランス生まれの「ルコックスポルティフ」や、水泳を中心としたウォータースポーツ向けの「アリーナ」、ゴルフウェアの「マンシングウェア」をはじめ、10以上にのぼる。

2010年のバンクーバー五輪では、日本代表選手に提供するウェアも手がけた。これを一般向けに「水沢ダウン」として開発し販売した際には、1着十数万円という高価格の商品にもかかわらず大ヒットしている。同社の2019年3月期の業績は、売上高が1424億円、うち国内の売上が568億円となっている。

デサントでは、量販店への卸売販売と、同社が自主管理売場と呼ぶ直営店および直営ECサイトでの販売、そして百貨店での販売という3つの販売チャネルを抱えている。古井戸氏によると、国内における直営店およびECでの販売は現状で全体の約20%程度。「この直営店とECをそれぞれ強化しつつ、双方を融合したオムニチャネル化を推進することで、同チャネルでの販売比率を40~50%にまで高めることを目指しています」と古井戸氏は説明する。

顧客接点をポイントではなく一筋の線へ

自主管理売場での販売比率向上に向け、デサントでは顧客接点を整理した。同社にとって顧客接点となるのは、オフラインからオフライン、オフラインからオンライン、オンラインからオフライン、オンラインからオンラインの4種類だ。インターネットが普及した現代社会では、オフラインからオフラインの接点を考慮することも少なくなったが、「例えばあるイベントから別のイベントに送客することもあり、今でもこのオフラインからオフラインへの接点は重要です」と古井戸氏。これらすべての接点を単なるポイントとして見るのではなく、「ポイントとポイントをつないで線にしていく必要があります」と古井戸氏は語る。

顧客接点をつなぐO2O(オーツーオー)説明図

例えば、ランニングイベントで実施した会員獲得キャンペーンで会員になった人に対しては、ランニングに関するさまざまな情報を提供すると共に、ランニングウェアなどの商品を提案する。その後、店舗やECでの商品購入につながった場合は、ウェアやシューズのお手入れ方法に関する情報を提供するといった具合だ。

「見込み客から顧客へと遷移させるには、会員の行動履歴や購買データをしっかり運用管理し、適切なチャネルで適切な情報を届けることが重要です」と古井戸氏は語る。デサントではまだ完全にこのような仕組みを実現できていないというが、「より良いデータ活用を目指し、CDPを採用しました。今後データをうまく活用し、お客様に対する最適なコミュニケーションを実現していきたい」と語る。

実店舗での顧客接点のあり方を考える

古井戸氏は、実店舗での顧客接点についても語っている。ここで鍵となるのは、「顧客について知るタイミングを変える」ことだという。

例えば、精算時になってようやくポイントカードやダイレクトメールを提示してもらうのでは、お客様が何を求めているのかわからないまま接客することになりかねない。そこで、接客の早い段階でポイントカードなど個人が特定できるものを提示してもらい、顧客の購買履歴や好みなどを把握したうえで接客に生かすことが重要だとしている。

接客時に顧客情報を引き出すには、デジタルツールを活用すると効率的だ。例えばスマートフォンのアプリにプッシュ通知でクーポンを届け、店舗に到着した際にチェックインすればクーポンが有効になるようにすると、顧客が能動的にチェックインする可能性が高まる。アプリを使うことで、ポイントカードやダイレクトメールでは把握できない行動履歴も把握できる。こうした情報はすべて接客に生かすことができる。

顧客接点 "店舗での接客" 2020年に目指すこと|
1. 来店(アプリ・チェックイン)
2. お客様を知る(氏名・デモグラ・購入履歴・行動履歴)
3. もっとニーズに合った接客
4. 購入

在庫がなくても購入につながる販売改革へ

さらに古井戸氏は、店舗に在庫がない場合でも、顧客に安心して買い物をしてもらえるような販売改革を目指していると語る。

通常、実店舗は物理的制約があるため、1つの商品につきすべてのサイズや色をそろえることはできない。青色のMサイズを求めている顧客が来店した際に、その色・サイズが在庫になければ、商品を取り寄せて数日後に再度来店してもらう必要がある。古井戸氏は、「この仕組みを変えたい」という。

そのためには、「顧客の求める色・サイズがなくても、別の商品で同じ色やサイズのものを用意し、色合いや質感を確認してもらいます。それで納得してもらえれば、その場で会計を済ませ、取り寄せた商品を直接お客様の自宅に発送するといったことが可能です」と古井戸氏。こうすることで、顧客に再度足を運んでもらう手間が省けることはもちろん、店舗での品揃えに対する考えも変わってくる。

これまでのように売れ筋の色やサイズのみ大量に在庫を抱えるのではなく、少量でも全色・全サイズが確認できるよう商品を並べることで、ユーザーがECでは不安だったサイズ感や質感などを確認できるため、好みの色やサイズの在庫がなくても販売につながり、小規模店舗でも売上を伸ばすことが可能になる。

こうした改革を実現するには、現在個別に管理しているリアル店舗とECの在庫を統合管理し、バックエンドでの在庫オペレーションを変更する必要がある。古井戸氏は、今後この手法の実現に向けた活動に取り組んでいくと述べている。

顧客接点 "店舗での売り方" 実現するために|在庫オペレーションの変革説明図

他社のユーザーの行動データと掛け合わせて興味深い発見も

顧客接点をつなぎ合わせると、必ずデータが発生する。そのデータを一元管理し、分析して活用するために、デサントではTreasure Data CDPを採用している。

古井戸氏は、Treasure Data CDPを使うことの大きなメリットとして、Treasure Data CDPのユーザー企業間が合意のもと、データのやり取りが可能となるデータエクスチェンジ機能を挙げる。デサントでも、この機能を利用して別業界の事業会社とデータのやり取りを試している。すると面白いことがわかったという。

「先方の企業のWebサイトにアクセスするユーザーは、商品1と2をよく閲覧し、商品3~5はあまり閲覧しない傾向にありました。ところが、同社のサイトにアクセスしたユーザーの中で、デサントのサイトも訪問しているユーザーのデータを突合したところ、デサントのルコックスポルティフというブランドのスポーツウェアを閲覧している人は、先方企業の商品の中でも閲覧数が少ない3~5の商品をよく見ていることがわかったのです。この結果には先方のマーケティング担当者も驚いていて、両社でコラボレーションできるのではないかという話になりました」(古井戸氏)
TREASURE DATAの活用事例|異なる業界の事業会社とのWebサイトアクセスログの突合説明図
Data Drivenな仕事改革|活用事例3説明図

両社のデータを突合して分析することで、思いもよらなかったインサイトを引き出すことができたと古井戸氏。このことで両社は、共同イベントの開催やプロモーション活動、関連チャネルでの商品開発や販売の可能性について検討しているという。古井戸氏は、「Treasure Data CDPを使うことがあれば、ぜひデータエクスチェンジを活用してください。デサントとのデータエクスチェンジも大歓迎です」と呼びかけた。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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