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オンラインからオフラインまで一貫したデータ活用で実店舗のマーケティングを最適化する|カタリナマーケティングジャパン株式会社

CASE STUDY|カタリナマーケティングジャパン株式会社
プロダクトチーム ブランドソリューションズ 小川 真輝氏

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週に約1億件という店頭での購買データを強みに、クーポンによるマーケティング活動を支援する事業を展開するカタリナマーケティングジャパン株式会社(以下、カタリナ)。そうしたデータを、Webサービスやアプリといったオンラインデータとどう連携させるかがここ2年ほどの課題だったという同社は、どのようにそれを解決していったのでしょうか。「TREASURE DATA “PLAZMA” 2018 in Roppongi」に登壇した同社のプロダクト&ソリューションズ ディレクター 小川真輝氏がその取り組みを語りました。

1億件のPOSデータを活かしマーケティング事業を展開

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週に約1億件という店頭での購買データを強みに、クーポンによるマーケティング活動を支援する事業を展開するカタリナマーケティングジャパン株式会社(以下、カタリナ)。そうしたデータを、Webサービスやアプリといったオンラインデータとどう連携させるかがここ2年ほどの課題だったという同社は、どのようにそれを解決していったのでしょうか。「TREASURE DATA “PLAZMA” 2018 in Roppongi」に登壇した同社のプロダクト&ソリューションズ ディレクター 小川真輝氏がその取り組みを語りました。

1億件のPOSデータを活かしマーケティング事業を展開

日本でビジネスを展開して以降、約20年に渡って消費材メーカーや小売チェーン向けにマーケティングソリューションを提供してきたカタリナ。同社の強みは、週に1億件というPOSデータを蓄積し、それに基づいたマーケティング戦略を支援できることだ。

カタリナは店頭で紙の形の「クーポン」を配布することで、顧客の店舗での行動を把握し、「オフライン」でのリーチを広げてきた。近年はさらに、自社で運営するアプリやWebサービスをさまざまなパートナーのアプリと連携させながら、約1660万のユーザーにリーチし、顧客1人ひとりに合った広告を適切なタイミングで表示するデジタルマーケティング、つまり「オンライン」でのマーケティング活動にも力を入れている。目指すのは、生活者を囲んでいく「360度コミュニケーション」の実現だ。

近年、購買シーンやタッチポイントのオムニチャネル化が進む中、カタリナではオフラインのデータとオンラインのデータをいかに連携させていくかを課題として感じるようになっていた。そこで「Treasure Data CDP」と、カタリナのデータドリブンマーケティングを支援するLegolissの力を借りてオフラインとオンラインをつなぎ、さまざまな施策を打ってきた。

その「つぶやき」、購買にどれだけ貢献したの?を分析

今、カタリナ社内ではTreasure Data CDPを活用して60以上のデータベースが稼動しており、データ活用の機運も高まってきた。だがその始まりは、スモールスタートだったという。

最初に取り組んだのは、Twitter上の「バズワード」と購買行動のつながりをどのように見出し、マーケティングに活用していくかだった。「SNSでキャンペーンを展開し、『拡散、拡散』というのはいいのですが、その結果、本当にモノは売れているのかどうかがわからないという課題をクライアントは抱えていました」と小川氏は話す。

そこで、スマートシェア社が提供するプラットフォームを活用し、Twitterのアカウント情報とカタリナのIDをひも付ける取り組みに着手。投稿キャンペーンを通じて約2000のIDを関連づけることに成功し、オフラインとオンラインにまたがる分析ができるようになった。

とはいえ、カタリナが持つID全体からすればまだ小さな数。Twitter上でバズったキーワードと当該ブランドの購入額の間に相関があるという結果は出たものの、「DMPの構造自体をもっとオーガナイズしていかなければ、さまざまなキャンペーンに活用するのは難しく、もっと継続的に取り組んでいこうという結論にいたりました」と小川氏は振り返る

オンラインだけではなくオフラインの効果の重要性を痛感

カタリナは次に、小売店のWebサイトやサービスを通じて、PINコードとCookieをひも付ける取り組みを進めていった。例えば店舗でPINコード付きの紙のクーポンを発行し、Webやサービス上でキャンペーンに応募する際にはそのPINコードの入力を必須項目にするといった形でアクセス時のCookieとPINコードをひも付け、連携数を増やし、購買データを蓄積していったという。

こうしてオフラインとオンラインとで連携したIDが蓄積されてきたところで、実際に広告施策の効果測定を行った。とあるブランドを対象に「過去に、当該カテゴリの商品を買ったことのある人」(購買者)と「買ったことがない人」(非購買者)をカテゴリ分けしてオンライン広告の効果を分析したところ、興味深い事実が見えてきたという。広告のクリック率自体は非購買者の方が高かったが、実際の商品の購買率は低かった。一方、購買者層を見ると、広告を出すと有意に購買率が高くなることがわかったという。

こうした結果を踏まえ、あらためて「オフラインの効果をきちんと見ていくことの重要さを感じました」という小川氏。Treasure Data CDPで見ることのできるアクセスログなどのオンラインのデータ、連続性のあるデータと、クライアントが見ているPOSデータや購買データ、すなわち統計的だがあまり連続性のない、リアルタイム性のないデータをいかに結合させ、分析し、効果を測定していくかが課題だと痛感したという。

「ダッシュボード」を通じてさまざまな角度からの分析にも挑戦

小川氏は「カタリナで分析してきたデータは、ブランドに対するロイヤルティの間口と奥行きを示したり、POSデータのように週次・月次で分析したりするものが中心です。『あるブランドを購入した人がほかにどんなアイテムを買っているか』とか、『特定の期間内で、ある商品からどういう風にスイッチが起きたか』といった事柄を見ていくのは得意ですが、その裏にある人の生活やライフイベントの変化を見ていくのは不得意でした」と振り返る。

カタリナでは今後、LegolissとともにTreasure Data CDPを活用し、DMPを組み合わせることによってリーチするタッチポイントを増やすことで、オムニチャネル、オムニソリューションを提供し、店舗以外のタッチポイントが増え、消費者が店舗に来なくなっているという現状に直面しているリテーラーに価値を提供していきたいと考えている。

Vision|CATALINA Omni Platform 説明図

そのような中、取り組みの1つとして、Treasure Data CDPをベースにした「オムニチャネルダッシュボード」の開発を進めている。「このカテゴリの商品を買った顧客がオウンドメディアにアクセスした後にどんな行動を示したか、本当に商品を購買したか」を一定期間にまたがって分析したり、競合他社との比較や会員と非会員での行動の差など、さまざまな角度から分析可能なものにすべく、顧客ごとのカスタマイズも加えながらトライアルに取り組んでいる。

デジタル広告の成果を店頭での購買と関連付けて評価したい

小川氏は「今までつながっていなかったオフラインとオンラインをつなげることで、デジタルメディアの視聴が購買にどう影響しているかを可視化し、Web接点やコミュニケーションの改善につなげられるのではないかと考えています」と説明する。

購買データを連続性のあるデータとして活用することで、マーケティング全体に活用できる可能性がある。カタリナのデータにサードパーティのデータを連携させることで、デジタルからオフラインの施策に持っていったり、逆にオフラインからデジタルに持っていったりすることもできるではというのが考えだ。

最終的には、「デジタル広告の成果をCPA(Cost Per Action)やクリック単価ではなく、『どれくらい店頭でモノが売れたか』で可視化し、消費材メーカーのマーケティング指標を変えることができるのではないか」と考えている。

小川氏は、米国で展開している、どのキャンペーンが売上にどのくらい貢献したかを可視化する「マルチタッチアトリビューション」という事例に触れ、Legolissとともに進めている取り組みを通じて360度コミュニケーションを実現していきたいと説明した。オフラインでもオンラインでもキャンペーンの効果をダッシュボードによって可視化し、施策を最適化することで「デジタルからリアル店舗に人を送り、ブランドの売上を最大化する――そうしたサイクルをどんどん強めていきたいです」と強調した。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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