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アドレスホッパーのライフログは魅力的なデータの宝庫(ゲスト: 市橋正太郎さん第3回)

PLAZMA TALK #7|ホッピングマガジン編集長 / アドレスホッパー 市橋 正太郎氏

Arm Treasure Dataでエバンジェリストを務める若原強が各界注目のゲストを招いて対談する「PLAZMA TALK」。
今回のゲストは、「アドレスホッピング」という暮らし方を自身で実践されながら、その暮らし方を発信する「ホッピングマガジン」の編集長も担われている市橋正太郎さんです。今回はアドレスホッピング × デジタルについて考えていきます。第3回に分けて配信してる本対談もいよいよ最終回です。アドレスホッピングの「三種の神器」から驚きの大掃除まで。遊動生活とともに蓄積されていく移動データや所有物管理データから想起される、新しいデータの価値とは?

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Arm Treasure Dataでエバンジェリストを務める若原強が各界注目のゲストを招いて対談する「PLAZMA TALK」。
今回のゲストは、「アドレスホッピング」という暮らし方を自身で実践されながら、その暮らし方を発信する「ホッピングマガジン」の編集長も担われている市橋正太郎さんです。今回はアドレスホッピング × デジタルについて考えていきます。第3回に分けて配信してる本対談もいよいよ最終回です。アドレスホッピングの「三種の神器」から驚きの大掃除まで。遊動生活とともに蓄積されていく移動データや所有物管理データから想起される、新しいデータの価値とは?

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三種の神器/AirbnbやBooking.comで宿探し/Google Mapの移動ログは記憶を呼び起こす/サマリーポケットですべて可視化された所有物/人生を形作る、モノと人と場所のデータ/ライフログから見えるもの/感情の動きは記録できるか/「楽しい時ほど写真を撮り忘れる」/逆相関するデータ/音声を全部ストレージしてみる/定住と移動のグラデーション/1軍の荷物/使用頻度というデータ/見せるトランクルーム/「モノじゃない時代」の所有/新しい自己紹介の形/「カバンの中には何が入っている?」/変化していく世の中と、ログ

Yasutaka Kato: Project Assistant Professor, Keio University School of Medicine / Representative Director, Japan Association of Sauna
Tsuyoshi Wakahara: Evangelist, Arm Treasure Data
Recording: 2020/04/15

※収録はオンラインにて行っています。一部背景に環境音が入っている箇所あります。ご了承ください。

若原 市橋さん、ここからまたちょっと話題を変えたいんですが、今のような状態になる前のアドレスホッピングしながら暮らされていたときに、さっきGoogleマップを使って、みたいな話も出ましたけど、どんなツールやアプリ、いわゆるテクノロジーを活用しながらアドレスホッピングをしていたのか教えてもらえますか?

三種の神器/AirbnbやBooking.comで宿探し

市橋 僕が勝手に、アドレスホッピング「三種の神器」と呼んでいるものがあるんです。まず、移動で迷わないためのGoogleマップ、もう1個は、一瞬でいい宿に至るためのAirbnbとBooking.com、最後が、自分の物理的なストレージとしての、サマリーポケットです。一応、全部物理的にはスマホの中に入っているので、スマホが一種の神器ではあるんですけど、中でも分解するならそんな感じっていう意味合いです。「寝る場所」と「移動手段」と「もの」というのをその3つで代替している感じです。

若原 AirbnbやBooking.comで、今日ここに行きたいからその周辺で宿を探そうかな、みたいな感じで使って、実際はGoogleマップ使いながら移動したりというのが、使い方のイメージでしょうか?

市橋 そうですね。もうちょっと厳密に言うと、長期滞在したいときはAirbnbを見るんです。1週間以上だと割引していたりするんで。今の滞在場所はジモティーで決めたんです。あとは、海外の方向けの長期滞在プランはAirbnbとかと組んでいる場合が多いので、そこをよく見たりします。でも、今日の泊まる場所どうしようかな?というときは、Booking.comで現在地から近い場所で、価格帯これぐらいで、できれば星9以上って調べると、大体いいところヒットするので、それでパッとその場で予約して行くというのが、行動としては多いです。

Google Mapの移動ログは記憶を呼び起こす

市橋 一方でGoogleマップは、近くでいい感じのカフェとかを探すときに、現在地から調べて行ったり、あとは移動手段ですね。どうやって移動するのが一番いいんだろう?というのもGoogleマップで調べます。飛行機は、スカイスキャナーが使いやすいので、それを使っています。あとGoogleマップでいいのが、移動のデータが残るじゃないですか。データを提供しちゃっているという気持ち悪さはあるんですけど、それ見るの結構楽しくて。そんな感じで動いたんだ、っていうのが、僕らの場合は結構ドラスティックに見えるので、それが可視化されるのは面白いです。

若原 それは確かに、僕も近しい感覚がありますね。どこかの美術館か何かの企画展で、Suicaをかざすと、そのSuicaに記録されている乗車履歴が、東京周辺の地図に視覚化されて、バーっと線が出てくるみたいな展示があって面白かったんです。そういう感覚なんですかね?

市橋 そうです。昔その履歴がすごいときがあって。

若原 どういうことですか?

市橋 東京から新幹線で京都へ行って、そのまま金沢行って、そこから北海道へ飛んで、北海道から羽田経由でロサンゼルス行って、帰りは上海経由で鹿児島に戻ってくるという。よくわからない移動履歴があるんですよ(笑)。

若原 確かにその履歴だけ見たら、この人何しているんだろうって話ですけど、普通に移動しているんです、っていう話ですもんね。

市橋 あとは、場所と自分の記憶というのはリンクしてるので、地図を見ると思い出すということがあって。自分のメモリーのスイッチとして機能している感じですよね。

若原 確かにその感覚はアドレスホッピングならではの感覚なのかもしれないですね。定住生活だとなかなか得られない感覚ですよね。

市橋 場所に変化がある分、それぞれがオリジナリティを持ち始めるというか。面白いですよね。

サマリーポケットですべて可視化された所有物

若原 さきほど三種の神器でもう1個おっしゃっていたサマリーポケットはどんな使い方をされているんですか?

市橋 サマリーポケットは、簡単に言うと、寺田倉庫が運営しているんですが、ダンボールに詰めて送ったら、それをちゃんと管理してくれて、中の物を1回写真を撮ってくれて、スマホのアプリ上で全部見れたり、それを一個一個取り出せたりとか、「これクリーニング出しておいてください」、「ヤフオク出してください」って頼めるサービスなんです。物理的なもの、自分の所有物の大半はそこに入れています。今必要なものだけは、18Lのバックパックに入れて持ち運んでいます。例えば、テントサウナ、キャンプ用具、あとはKindle化できない読みたい本とか、そういうものを全部入れていて。なので、今定住していて全部使える状態にあるから、家の中に置いているんですが、移動するときになったら、またサマリーポケットに返して、次の移動先で使うときに取り出す、という感じで使っていますね。

若原 ちなみに、市橋さんの所有物を全部100としたら、サマリーポケットに普段預けているのっていくつぐらいなんですか?

市橋 物理的な量で言うと、ダンボール10箱分ぐらいあるので、18Lと比較しちゃうと、100倍とかになっちゃうんですけど。

若原 ほとんどサマリーポケットにあるという感じですね(笑)。

市橋 基本的には。ただほとんど使っていないものもありますね。

人生を形作る、モノと人と場所のデータ

市橋 季節ごとに1回大掃除するタイミングがあるんです。サマリーポケットの面白い価値が、自分の所有物が全部可視化されるということなんです。そんなこと、普通に生活するとないんです。あれはタンスの奥にあったりとか、あれどこ行ったけな?って絶対になるじゃないですか。でも、使ってないものこそ可視化して、要らないときに整理するっていうのは大事だと思うんです。それができるんです。だから、3カ月に1カ月ぐらい、使っていないものを全部選択して、出品代行してくれる会社があるので、そこの住所に全部一括で送るんです。そしたら、それを全部ヤフオクとかメルカリとかに出品してくれて、売れたお金を振り込んでくれるんです。残ったものは全部ダンボール取り出して、まとめてダンボールの量を減らしてまた送り返すと、もうちょっと料金を安く管理できるようなイメージですね。僕の大掃除はそういう感じです。

若原 すごい。大掃除の概念が変わりますね、それは。

市橋 そうですね。物理的な場所がないので。最近久しぶりに掃除機かけてるんですけど。

若原 例えば三種の神器を使いながら、もうちょっとこうなったらいいのになとか、この辺はこういうふうになっていったらもっと面白いのになとか、普段思われていることって何かありますか?

ライフログから見えるもの

市橋 個人としてもそうですし、「ホッピングマガジン」というカルチャーマガジンを作っている側から見てもそうなんですが、それぞれの人が、どう移動して、どのタイミングでどういうものを買ったり、取り出したり、使ったりしていて、どういう場所に泊まっていて、それがどうだったのか、というデータを取り出すことが簡単にできたら、それめちゃくちゃ面白いコンテンツになるなと思っているんですよ。だからむしろ、Facebookと連携して、誰とそこで会ったとか、物と人との場所のデータが個人の人生を形作っていると言っても過言ではないので、そこの本当の意味でのライフログのようなものが可視化されて、あなたここに行ったこの人に会って、そこでこれ買っていましたよ、それは今でも持っていて、でもここで買ったやつは売りましたとか。それを買ったとき、5,000円で買っているけど200円でしか売れませんでしたとか。熊本で会ったこの人に、北海道のこの人紹介してもらって、それでこういう仕事いただけましたみたいな話とか、そういうセレンディピティがめっちゃあるんですよ。そうすると、より自分の性格や自分の傾向に合わせたホッピングの仕方というか、ひいては生活の仕方がもっと見えてくるんじゃないのかなと感じますね。

若原 確かにそうですね。定住している人のライフログって、相対的に関わるという感じで、それが悪いということではもちろんないんですけど、ただ、アドレスホッピングしている人のライフログって非常に多様性に富むし、アドレスホッピングしている人たちのライフログの集合体のデータって、すごくいろいろな意味を持ちそうな気がしますね。そのデータから恩恵を受け得るビジネスというか、業界もたくさんあるような予感がしました。

市橋 そうなんですよね。

感情の動きは記録できるか

市橋 逆に唯一残っていないデータというと、感情的な動きというか、ここよかったとか、この町は合わなかったなとか、そういう定性的なものはあまり残せていない。逆にいいものしか記憶に残っていないので、こぼれ落ちちゃっている感じはちょっともったいない感じはしますね。ブログとか書けばいいのかもしれないですけど。

若原 簡単な残し方があるといいのかもしれないですね。気持ちをデータ化するって簡単な話じゃない気がするから、何なんでしょうね?撮った写真の枚数で判断するとか、代替手段みたいなもので、ここは写真撮っているから何か思うところがあったんだな、みたいな判断をする、ということですか?。

「楽しい時ほど写真を撮り忘れる」 / 逆相関するデータ

市橋 楽しいときほど写真撮り忘れるんですよね。あとは、ツイートとかも面白くて、一人でいて暇なときほどツイートしちゃうんですよ。だから、誰かと一緒にホッピングしてて、会話が楽しいとツイート量が減るので。そこも実は相関しないんですよね。逆相関していてもいいぐらい。

若原 それを学習させるデータとして一定期間だけ、楽しかった、楽しくなかったみたいな、ちょっと面倒ですけど、上手く意図的にデータとしてとれれば、逆相関という感じなのか、わかるかもしれなですね。あとは、このツイートをこういうふうに見ておけば、このとき大体楽しかったろうとか、わかるみたいなのはあるかもしれないですね、傾向として。

音声を全部ストレージしてみる

市橋 それで言うと、唯一とれてないのは、「音声データ」だと思っています。最近、この生活すごくいいなと思っているのは、全部Zoomでコミュニケーションしているじゃないですか。基本、僕も課金して、全部の会議をレコードするという設定にしているんで、全会話データが取得されていくわけですよね。で、あれ何だっけな?と思ったら、予定と照らし合わせて、時間見て聞き直す。そういうのを結構やっているんですけど、それ新しいなと思って。例えば、自分が普段、喋っている音声データを全部どこかストレージしておくようなものがもしあったら、リアルの会話データが残るんで、それの場所とか人が紐づいていたらめっちゃ便利だなっていうのは思うんですね。

若原 確かに。それは今ないですもんね。ライフログって言うけど、音声全部とっているって全部ないですよね。

市橋 でもAirPodsって、外し忘れが結構あるじゃないですか。つけていて全く違和感ないし、外の音聞こえるから、別にずっとつけていてよくて。そこで記録しておいてくれるとうれしいなとは思いますね。

若原 今の話で思い出しました。数年前なんですけど、リアルに5人で飲み屋に行くんですけど、その飲み屋の場面で携帯のGoogleハングアウトかなんかで、リアルな場に5人座っているんですけど、口ではしゃべらずにひたすらスマホのチャット経由でコミュニケーションする、みたいな飲み会をやったことがあるんですよ。

市橋 何ですかそれ?

若原 デイリーポータルZかどこかのサイトでそういう記事が載っていて、面白そうだからやってみようといってやったんです。乾杯、乾杯、ってみんな入力して送信して、無言でカチンという感じでやったんです。それはそれで、その場は楽しかったんですが、今でもそのログが全部残っているから、3、4年経ったあとでもその飲み会が、誰がどう発言して、どこでみんな笑って、というのが全部わかるのが結構面白くて。それの人生版って感じですよね、今おっしゃっていた話って。

市橋 そうです。Googleのクラウドレコーディングを常時オンにしているのも、これ面白いな、と思ったらもう遅いんですよ。いいなって思ったらもう遅いというか。もうちょっと前から録っておかないと伝わらないし、思い出せないから、全部常時記録しておいて、それをどこまで公開するかというプライバシーの問題はいったん置いておいて、自分のログとしてはそういうふうに残せるといいなと思うんです。

若原 共通して思うのは、選択肢の自由をもって暮らされているからこそ、そのライフログにより意義を見出すことができるというか、そういう側面はアドレスホッパーとしてはあるのかもしれないですね。

定住と移動のグラデーション

市橋 非常にあると思いますね。よく言われる話ですけど、ものより体験、ものより経験というか、そういう話になったとき、やっぱり物って目に見えますし、形として、残しておきやすいじゃないですか。でも、体験や記憶ってやっぱり残りにくいので、それを写真とかで残すみたいな話もいいんですけど、もうちょっと無意識なうちに残しておけるようなかたちになっていると、より誰でもできるようになり、自分に合わせた、それこそホッピングや暮らし方のようなものが見えやすくなるんじゃないかなと思いますけどね。

若原 もしかしたら、アドレスホッパーの方々のライフログをとることで、アドレスホッパーの方々自身も参考になることもすごくたくさんあると思うんですけど、そうじゃない暮らし方をしている人にも多分いろいろ発見がありますよね。

市橋 あると思いますよ。自分のことはそう思ってないですけど、ほぼアドレスホッパーに近い生活している人もいるでしょうし。逆に思想的には、定住したほうがいいんじゃない?という感じなんだけど、なんとなくアドレスホッピングしちゃっている人もいるでしょうし。その辺のミスマッチをなくせる感じはしますよね。

若原 確かに。自分に合った生活スタイルというか、今までのお話を伺っていると、アドレスホッピングするかしないかみたいな二元論では恐らく無くて、定住と移動のサイクルをどうバランスするかみたいな連続的な世界の中で、どこで自分はバランスを持つのかみたいな話なんですよね。

市橋 多分、グラデーションがあるんですよね。そこのどのポイントでやるのかという。

若原 それがアドレスホッパーの方々のライフログを見ながら、自分に合ったバランスを探せるみたいなところはあるのかもしれないですね。

市橋 そうですね。

若原 あとは、ちょっと観点変わっちゃうかもしれないんですけど、さっきのサマリーポケットの話が面白くて。例えば、市橋さんがアドレスホッピングという暮らし方をされている中で、この商品、このプロダクトについてはサマリーポケットからすごい頻度で出し入れしているものがあるとしたら、やっぱりこれ、便利なんだなというふうにすごく説得力が出る気がして、商品のレビュー、評価のポイントが1個増えそうだなと思ったんです。例えば、Eコマースの商品のレビューって、ちょっと使ってみてよかったですとか、そういうレベルにどうしても留まっちゃうじゃないですか。継続的にレビューするって難しいので。ただ、サマリーポケットの出し入れのログとかを見ていると、やっぱりこれはすごく使われているなとか、これは意外としまったらしまいっぱなしだなとか、そういうのが見えてきて、新たな商品の評価値が出てきそうだなという感じがあって、そのものを買おうとしてる人にも役に立ちそうですし、場合によっては商品開発側の、メーカー側にもフィードバックとしてすごくいいデータになるんじゃないかなという気がしました。

市橋 今聞いていて、サマポケ(サマリーポケット)への改善要望を発見しました。自分の今、所有しているものをアップロードしておきたいなと思いましたね。

若原 どういうことですか?

1軍の荷物 / 使用頻度というデータ

市橋 今、18Lのバックパックの中に入っているのは、使用頻度が高く、価値を発揮してくれているものなのでサマポケ(サマリーポケット)には入らないんですよね。それらが1軍なわけです。サマポケ(サマリーポケット)にいる子たちは2軍で、スポット利用系のものか、要らないかもしれないけど、捨てれないから置いておいてるものか、もしくは完全に捨てられないか。例えば、色紙やアルバムとかですね。その3種類ぐらいに分類されて。
最初、ホッピング始めるときも、今すぐ必要なもの、今すぐ要らないけどいつか使うもの、使わないものを、売れるものと売れないものに分けて後者を捨てるみたいな感じで、4分類ぐらいで分けたんですが、そのとき、1軍がデータ化されていないので、それをとらないと、って思いました。

若原 リュックの中に何入っているの?という情報が一番お役立ち情報ですもんね。

市橋 そう。彼らからしたら一番欲しいデータだろうし、僕も一覧で見たいんですよ。たまに並べて写真撮ったりするんですけど、僕の持っているものというものがリスト化されていて、シェアしたいぐらいで。珠玉のものに揃えているはずだから、それをシェアしたいですね。

若原 その情報に、それこそ使用頻度みたいなデータも紐づいて、複数のアドレスホッパーの方の方々のデータがそういうふうに集まってきた情報って、ものすごく価値がありそうですね。役立つ商品のデータという意味で。

見せるトランクルーム

市橋 そうなんですよね。この前面白い展示があって、僕も参加させてもらったんです。「模型都市東京」というテーマで、寺田倉庫さんのミュージアムがあるんですが、そこで「Port B」というアーティスト集団がやっていたんです。何をやっていたかというと、自分がレンタル倉庫に預けている、僕だったらサマポケ(サマリーポケット)だし、普通に預けているものを、それ自体を展示として持ってきて、ゲージの中に入れて飾るという展示です。ある種、建築で言う模型的な意味でトランクルームを捉えて、都市生活の象徴としてその中に何入っているのっていうものを見せる。かつ、それはその当人にとってはトランクルームとして機能していて、行けば取り出せるんです。入れたりもできるんです。だから出し入れして、変化するアートですと言ってました。

若原 すごいですね、見せるトランクルームという新しい世界。

市橋 見てると全然みんな背景が違くて、僕は2軍感あるものが入ったりするんです。服やでかいものとかなんですが。ある人は、フィギュアやぬいぐるみとか、所有欲の塊みたいなものを家に置けないというのでドカンと預けていたりとか、結構人によって差が出るなというのがあったので、めっちゃ面白いデータだなと思いましたね。

「モノじゃない時代」の所有 / 新しい自己紹介の形

若原 そのデータって自己紹介にも使えそうだなと思って。所有物のリストをざっと見ると大体その人の人となりがわかるみたいな感じ、多分ありますよね。

市橋 あると思います。それって逆説的に面白いですよね。モノじゃないって言われているけど、モノじゃない時代にあえて所有しているものってその人の個性を表すみたいな。

若原 自己紹介って、名刺交換じゃなくなるみたいな、いろいろ新しくなるよみたいな話って結構あると思うんですが、シェアで使っているものと所有しているモノのリストとバランスみたいなものが、その人の生きる価値観を表すみたいなことって、今のお話を伺っているとあり得そうですし。

市橋 ありますね。あと、本も溢れているんで、何を読んでいるかも大事じゃないですか。

若原 ありますよね。もしかしたら、そういうデータを、はじめましてのときに交換すると、共通項がパッと出てきて、これわかるわかる、みたいなのが見えるとか、そういう自己紹介の仕方、面白そうですね。

市橋 それ、めっちゃ面白そうだな。

「カバンの中には何が入っている?」

市橋 昔、先輩が独立したあとに1個サービス作っていて、もうないんですが、「インマイバッグ」というサービスを作ったんです。自分のカバンの中に入っているものを見せれるようなサービスです。それで、「素敵なあの人の中に入っているんだろう?」「あのカバンの中何入っている?」みたいな感じでやったんですけど、それに近いというか。それは、全部それがECで買えるようになってたり、って話なんですが・・。それと、バッグだけじゃないストレージの話や自己紹介的に使う文脈で作っていくというのは面白そうな気がしますね。

若原 面白そうですね。これはこの話に留めずに、何かやりたいですね。

市橋 そうですね。面白そう。

若原 ありがとうございます。

変化していく世の中と、ログ

若原 アドレスホッピングという暮らし方をしていることで、そのライフログをとるだけでも非常に有用なデータになりそうという景色が大きく見えたなという、すごく面白いお話でした。ありがとうございます。

市橋 こちらこそありがとうございます。楽しかったです。

若原 またこの外出自粛の状況が変わったとき、また新たな暮らし方に移られていくと思いますので、またそのときに、いろいろお話を伺わせていただければと思います。

市橋 ぜひぜひ!継続して、自分自身をある種モルモット的に捉えて実験はやっていきたいなと思っているのと、「ホッピングマガジン」自体も半年ぐらい発行して、10年ぐらいやろうとしているので、そう考えるとこの暮らし方や、どういうふうに変化していくのか、あるいは世の中でどういうふうに捉えられていくのかという、ある種ログがとれていくと思うので、そういうのも一緒に残していけるような感じでいけると楽しそうだなと思いました。

若原 ちなみに、せっかくなので「ホッピングマガジン」を読みたいなと思った方はどのようにしたら読めるんでしょうか?

市橋 Amazonで普通に買えるのと、アドレスホッパーの僕らがやっているストアのサイトもあるので、そちらでも購入できます。

若原 聞いていただいている方でご興味ある方はぜひチェックしてみてください。では市原さん、今日は長い時間、いろいろありがとうございました。非常に面白いお話を伺えたと思っています。ありがとうございました。

市橋 ありがとうございました。

若原 また、ぜひお話伺いたいと思いますので、引き続きお願いします。

市橋 またサウナ行きましょう。

若原 ぜひお願いします。

ーーーーー
最後までお読みいただきありがとうございます。
市橋さんとの対談は以上になります。引き続き、当サイトでは弊社エバンジェリストの若原と各界の素敵なゲストによる対談をお届けしていきます。
ぜひお楽しみに。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。クラウド型データマネジメントソリューションを提供しています。日本では2013年から本格的に事業を展開し、デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメションの根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングに導入いただいています。
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