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市橋さん、「アドレスホッピング」ってどんな暮らし方ですか? (ゲスト: 市橋正太郎さん第1回)

PLAZMA TALK #7|ホッピングマガジン編集長 / アドレスホッパー 市橋 正太郎氏

Arm Treasure Dataでエバンジェリストを務める若原強が各界注目のゲストを招いて対談する「PLAZMA TALK」。
今回のゲストは、「アドレスホッピング」という暮らし方を自身で実践されながら、その暮らし方を発信する「ホッピングマガジン」の編集長も担われている市橋正太郎さんです。今回はアドレスホッピング × デジタルについて考えていきます。

サウナ好きつながりでもある若原と、場所に縛られないこれからの新たな暮らし方から、アドレスホッパーのライフログというデータの貴重さについてトークは広がります。

本対談は3回に分けて配信します。第1回は「アドレスホッピングの暮らし」について伺います。

Topics

「移動しながら生活する」/実験的ライフスタイル/場所性にとらわれない/選択できる自由/できるだけ柔軟に/「自分に合った暮らし方?」/住み方を変えただけで精神が解放される/意思決定が増える、感覚が研ぎ澄まされる/マツコ デラックスさん「あんたたち、もっと楽に生きていいのよ」/Google Mapだけで自分に合う土地かわかるようになる/持ち物は18リットルのバックパックに収まるだけ/モジュール化/移動頻度はアドレスホッパーそれぞれ/遊動・遊住/ゴリラは定住しない/場所性にとらわれない労働とは?/目的のない移動があってもいい/「なんとなく行きたいから」で上海に/偶発性を誘引する「無計画」

Shotaro Ichihashi: Editor-in-chief, Hopping Magazine / Address Hopper
Tsuyoshi Wakahara: Evangelist, Arm Treasure Data
Recording: 2020/04/29

※収録はオンラインにて行っています。一部背景に環境音が入っている箇所あります。ご了承ください。

若原 トレジャーデータの若原です。様々なゲストをお招きして普段のご活動について伺いつつ、データ活用の可能性などにも触れていくArm Treasure Dataの「PLAZMA TALK」。

今日の素敵なゲストは、ホッピングマガジン編集長であり、アドレスホッパーでいらっしゃる市橋正太郎さんをお招きしています。市橋さん、よろしくお願いします。

市橋 よろしくお願いします。市橋と申します。

若原 市橋さんは「アドレスホッピングという暮らし方」をご自身でもされつつ、その暮らし方を広めるご活動もされているということで、今日は大きく三つお話を伺いたいなと思っています。

一つは、まず「アドレスホッピングとは?」というお話。

もう一つは、アドレスホッピングという暮らし方をされている市橋さんが、昨今の外出自粛の中で、どんなふうに暮らされているのかという話。

最後は、アドレスホッピングをする上で、普段このツールアプリを使われているとか、そのツールを使いながらどんなことを感じられているかといったお話をさせてもらえればなと思っています。

市橋 はい、わかりました。よろしくお願いします。

「移動しながら生活する」

若原 早速ですが、私も一度前伺ってすごく面白かったお話なんですが、この「アドレスホッピング」という暮らし方について伺っていきたいなと思っています。

まずは、この暮らし方を知らない方のために、この新型コロナウイルスが発生する前、普段どんな暮らし方を市橋さんはされていたのか?という辺りから伺いたいなと思います。

市橋 はい、わかりました。今、だいぶ状況が変わっちゃっている部分もあるんですけど、こうなる前というか、ほんの1カ月ほど前くらいまでは、基本的に僕、「移動生活」とか、あるいは「遊動生活」というふうに言っているんですけど、基本的にアドレス、住所を転々とホッピングしながら、移動しながら生活をするという、ある種、実験的なライフスタイルみたいなことをやっていまして。

実験的ライフスタイル / 場所性にとらわれない

市橋 基本的に定住する家を持たずにやっているので、その日その日の場合もありますし、1週間、1カ月単位で家を借りる場合もあるんですけども、どこかに落ち着くということを基本的にはせずに生活するんです。

 僕は、これを始めて今2年半ぐらいなんです。最初始めたときは、「こんなことやっているやつ、自分しかいないだろうな」と思っていたんですが、意外とバックパッカー上がりでそれを続けている人いるんです。

ホリエモンさんや、もっと言うと高城剛さんって本当に先駆けなんですが、お金持ちだとホテル暮らししている人とか、家にこだわっていない人って結構いるんですよね。

最近の「二拠点生活」「多拠点生活」って、「居場所が1カ所じゃなくてもいいよね」っていう話や、土地性、場所性みたいなことに囚われないパラダイムシフトが、世の中的に起きているんじゃないかなと。

そういうことを今の時代のスタンプとしてしっかり残していくことが大事かなと思って、「ホッピングマガジン(参考:https://hoppingmag.com/)」という雑誌を作ったり、多少、発信のような活動をやっている感じです。

選択できる自由/できるだけ柔軟に

若原 お話を伺っていると、単に一つの居場所にとどまらないというよりかは、縛られない楽しみとか、それをできる自由を謳歌するというか、非常にポジティブな暮らし方という風にもとれますね。

市橋 そうなんですよね。僕は、個人的な嗜好とかも含めて、できるだけ柔軟でありたい、何かに縛られずに生きたいな、と常々思っていて。それで、2年半前に、ちょうど前職のIT企業を辞めたばかりというのあって、シェアハウスに住んでいたんです。

「自分に合った暮らし方?」
住み方を変えただけで精神が解放される

市橋 そういうのも経験した上で、より自分に合った暮らし方ってどういうものなんだろう、というのを自分なりにいろいろ検証してみたくなった、というタイミングがあったんですね。

そのときに、いろいろ検討する際に、家じゃなく、Airbnbとかに住んでみたらどうなるんだろう?ぐらいの軽い気持ちで始めてみたら、単に住み方を変えているだけなんだけど、すごく精神的にも解放される側面があるなと思って。

本当に当時は、毎日毎日違う場所に行っていたんです。そもそも「今日、どこ行くか」「今日、どこで寝るか」を、毎日考えるわけじゃないですか。

若原 それは普通に生活していると、起こり得ない意思決定ですよね。

意思決定が増える、感覚が研ぎ澄まされる

市橋 そうなんですよ。毎日のルーティンで考えなきゃいけないのって、何食べようかな?ぐらいじゃないですか。仕事のこととか。でも、食べなかったら死にますし、寝なかったら、死なないけど、だいぶ辛いので、「より快適に、どこで過ごすか」ということですよね。

僕はビジネスホテルがすごく苦手なんですけど、ただ寝るだけなら、そういう安くて機能的な場所ってたくさんあるんですが、どうせ行くんだったら何か「プラスの付加価値」みたいなものがあってほしいな、という感覚になってくるんですよ、毎日していると。

だからより「コミュニケーション」や「出会い」がある「ゲストハウス」「ホテル」のようなところに泊まることが多くなったりしましたね。あるいは、新しい面白そうな場所ができたら、とりあえず行ってみて泊まってみる。地方で会いたい人がいたら、とりあえず会いに行ってみる、とか。

そういう「住む場所」から解き放たれることで、自分の意思決定の回数が増えたり、あるいは付加価値に対してより敏感になったりなど、そういう感覚がどんどん研ぎ澄まされていくような感じがして、すごい面白いなと思ったんです。

若原 「意思決定が増える」というところだけ切り取って聞くと、なんか面倒くさいなと思う人もいるかもしれないんですけど、ただ、その意思決定をすることによって得られる価値というのが、毎日何も考えずに同じ場所で同じようにしているだけだと得られないものがたくさんあるというのは、すごく面白い話ですね。

マツコ デラックスさん「あんたたち、もっと楽に生きていいのよ」

市橋 そうなんです。1回、日本テレビの「マツコ会議」に出させていただいたとき、マツコさんに言われたのは、「あんたたち、そんな面倒くさいことやらなくていいわよ」「もっと楽に生きなさいよ」って言われたんですね(笑)。

間違いないなと思って(笑)。その先に、いろんな得るものがあるので、続けられているというのもあります。あともう1つ思ったのは、人間、「慣れ」ってすごいんですよね。

若原 やっぱり、慣れてくるんですか。

Google Mapだけで自分に合う土地かわかるようになる

市橋 やっているうちに、その意思決定も辛くなくなってきますし、どんどん「最適化されていく」ので、センスもすごくよくなってきて、ここGoogleマップである程度見れば、「ここ、いいな」とか「ここ、ちょっと微妙そうだな」ってわかっちゃう(笑)。

若原 長年の勘でわかるようになってくるんですね。

市橋 そうなんですよ。だから、どんどんそこのデメリットであるコストや手間みたいな部分はどんどん圧縮されていって、得るものがどんどん大きくなっていって、「やればやるほどやめれなくなる」という感じではあります。

若原 ちなみに、その2年半続けられている中で、変な質問かもしれないですけど、「途中でつらくなってきたな」「方向転換しようかな」みたいなタイミングってあったりしたんですか?

市橋 大きな意味ではないんですけど、小さいやり方の部分は本当にめちゃくちゃブラッシュアップというか、方向転換をしています。

若原 試行錯誤しているという感じなんですかね。

持ち物は18リットルのバックパックに収まるだけ

市橋 そうです。例えば、「モノ」っていう話でも、何を持つか?という問題がありますよね、やっぱりたくさんは持てないので。僕は今、18Lのバックパック1個でやっているんですが、結構小さいんです。

その中に「何を入れる?」っていうのがすごく重要になってくるので、そこのブラッシュアップは、季節ごとどころか、日や週単位でやります。

あるいはその荷物の大きさも、最初は90Lぐらいのでっかいバックパック背負って、亀仙人の修行みたいな感じでやっていたんですけど、それはやっぱり最初不安だったんです。

「寝るところなかったらどうしよう」と思って、簡易の折りたたみのベッドとかを入れてみたりとか、「枕なかったら嫌だな」と思ってお気に入りの枕入れてみたり。そうやっていくうちに、それも「必要ない」とわかって、どんどん減らしていくんです。

若原 ちなみに今、18Lのバックパックの中に大体どういう感じのものが入っているんですか?

モジュール化

市橋 モジュール化されていまして、①衣服のパック、②洗面具のパック、③パソコン入れるケースと、最後に④充電器とかコード類とか機械系を入れるちょっと頑丈めのパック。基本その4要素で構成されています。

あとは、追加で手ぬぐいがちょっとあったり。もう1個、最近持ち運び始めているのが、自炊用のパックです。それは外出しなんですけど、スノーピークの折りたたみのガスコンロのようなものがあったり、あとは縦に折り畳める鍋とか使ってるんです。

お箸にスプーン、折り畳めるお玉とか、そういうものを全部1回揃えてみて、今は自炊をできないかなと思って1カ月前ぐらいから実験していたという感じですね。

若原 すごいですね。「アドレスホッピングしながら自炊をする」っていう、また新たなチャレンジですね。

市橋 デメリットの1つが、「食生活が乱れがち」なんですよね。

若原 基本、外食になっちゃうって感じですか。

市橋 そうなんですよ。外食になっちゃうし、ホテルによってはキッチンついているところとついていないところあるじゃないですか。かつ、より期間が短くなればなるほど、その土地のうまいもの全部食べてやろうって思っちゃって。僕、結構食い意地張っているんで(笑)。

若原 それはしょうがないですね。おいしいものあるところに行って料理を食べないってないですもんね。

市橋 めちゃくちゃ胃もたれしているけど「あそこ行かないと・・・!」、みたいになってます。

移動頻度はアドレスホッパーそれぞれ

市橋 ブラッシュアップの意味で言うと、「どれぐらいの期間」「どれぐらいの移動頻度で生活していくか」というところが、アドレスホッパーによっても違ったりするんです。

僕の場合は最初、毎日違う場所で寝ていて、途中から2泊3泊したほうが楽なので、それぐらいに切り替えました。去年の後半ぐらいから1週間単位ぐらいが、地元の人との交流を大事にするとそれぐらい必要だなと思ったりしています。

ほかのアドレスホッパーで言うと、1カ月単位で、がっつりそこに溶け込んでやっていく、というスタイルの人もいます。その辺は、自分の状況、性格や好みによるかなと思いますね。

若原 そういう意味だと、アドレスホッピングってひとくくりにできないですね。暮らし方に何を求めるかによって、どのぐらいのサイクルで場所を移動するのか、結構変わってくる感じですね。

市橋 そうなんですよね。

遊動・遊住

若原 ちなみに、いろいろ面白いことがあるというお話をしていただいたんですが、冒頭に「遊動生活」とおっしゃっていてましたよね。確か何かの記事で、「移住じゃなくて遊住だ」みたいなお話を拝見したこともあって。

市橋 「遊動生活=遊住」だと思っているんですけど、「遊住」って言葉で言うと上手く伝わらないので、「移動生活」もしくは「遊動生活」と言うか・・・。言い換えると「遊住」なんですが(笑)。字面では使いやすいけど、言葉では使いにくいっていう。

若原 その「遊ぶ」っていう言葉を入れるというのが、市橋さんのご経験されていたことがある種、凝縮されているな、という感じもあって。

ゴリラは定住しない

市橋 そうですね。もともと僕、出身が京都大学なんです。今の学長の山極総長がゴリラの研究をずっとされている方で、その中で、人類の原理的な生活の仕方とかに結構興味持っていらっしゃって、「人間はこれから遊動生活になっていく」みたいな話をされていたたんです。

ゴリラは基本、遊動生活で、定住していなくて、エサを求めて移動しながら暮らしているんです。彼はフィールドワークで研究する中で、人間も、逆に言えば「都市生活」や、あるいは「生きていく糧を得るために移住して生活する」んだという。基本的にはそういう話じゃないですか。

場所性にとらわれない労働とは?/ 目的のない移動があってもいい

市橋 でもそれが、ちょうど今リモートワークとかありますけど、「糧を得る術が場所性に囚われなくなったらどうなるんだろう?」という話で言うと、その中の大半が移動しながら、遊動しながら生活するとなっても全然おかしくないよね、という話は筋は通っていると思っていて。

 一方で、僕がこうやって実際にやってきた中での経験で言うと、移動って言うと、目的性がある言葉というか。例えば、「出張で東京から大阪に移動する」ということで言うと、何か目的があって行くからですよねそれが、達成されたらいいし、達成されなかったらダメみたいな、結構「資本主義」っぽい言葉というか、そんなニュアンスがある気がしていて。

「なんとなく行きたいから」で上海に

市橋 例えば、僕が、「来週、上海行こうと思うんだよね」って言うと、「何しに行くの?」って聞かれるんですよ。でも、僕の中では、特に何もないんですよ。ただなんとなく行きたいから行く。そういう言葉を「移動」という言葉だと包含できていないなと思って。

若原 確かに、移動と言うと、「最短距離」「最短時間」や「効率」が伴っている感じありますもんね。あくまで「手段」である、みたいな感じがする中で、その移動する事自体を楽しみたいというとき、その言葉だと、力不足というか・・。

市橋 そうなんですよね。

偶発性を誘引する「無計画」

市橋 だから、本当に「無計画である」というより「計画的に無計画である」と言っていいと思うんですが、偶発性を誘引するために「無計画でいたほうがいい」という感覚があって。

無計画っていうことは、余白がある、柔軟性が高い状態だと思うんで、面白い人との出会いや面白い情報が、パッ!と入ってきたとき、すぐそれについていける。そこが、すごく大事だと思っているんです。

あえて、ゴールとかを決めていると動けない。そういう意味で、「遊動」「遊住」という言葉が適切だなと思ったわけなんです。

若原 なるほど。「アドレスホッピング」という暮らし方ってすごくキャッチーなコンセプトなので、ともすると表層的にだけ捉えられて誤解されそうな気もしなくもないんですけど、暮らし方の本質を問いかけるすごくいい観点、切り口というか、自分の家を持って、その家で暮らすって、当たり前のこととしてみんな先入観になっちゃっているみたいなところがありますよね。

それを1回外して「本当に楽しく豊かに暮らすことって何なんだろう?」ということを考えるきっかけとしてもめちゃくちゃいいんだなっていうのは改めて思いました。

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最後までお読みいただきありがとうございます。
第1回は以上です。いかがでしたか?
市橋さんのトークの続きは、次回の第2回の公開まで楽しみにお待ち下さい。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。クラウド型データマネジメントソリューションを提供しています。日本では2013年から本格的に事業を展開し、デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメションの根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングに導入いただいています。
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